2009/10/3

フォトTシャツ再考  日々雑感

つい最近、某オークションで川内倫子さんの写真がプリントされたTシャツを購入しました。Poetry of Sexというブランドのもので、一時期、5年ほど前でしょうか、ビームスなどの大手セレクトショップにも置かれていたので、見覚えのあるかたもいらっしゃるかもしれません。映画のワンシーンやアート写真を絶妙な色彩で、べっとりプリントするのではなく、しみ込みプリントのように薄く貼付けることで、その他のブランドとは一線を画していたように思います。新しいフォトTシャツブームの端緒を作ったといっても過言ではないかもしれません。ポエトリーが着々とファンを増やしている一方で、スタイリスト熊谷隆志のブランドGDCがポエトリーに似たようなプリントTシャツを作り爆発的(?)にヒットしたことで、フォトTシャツがストリートに浸透し始めます。70's-80'Sに流行した全面プリントもの(たいてい車やバイクがモティーフ)も古着で高値がつきはじめ、その後、アジェやアーウィットのようなモノトーンの、「なんでもない風景」などをモチーフとしたフォトTシャツにとってかわって、今ではもうすっかりモノトーンフォトプリントが市民権を得ているようです。

私は人と同じが嫌いなので、「僕、服に気を使ってます」というような男の子がこぞって着ている(特にLHPで取り扱われているような)服は極力避けようと思っているのだけれど、ポエトリーに関してはちょっと思うところがあって、今回、購入に至ったのでした。

これはものすごく個人的な意見かもしれないけれど、フォトTシャツのすごいところは、コットンにプリントされることで油絵のような質感を持ち、何度も洗ううちに所々ひび割れが入ったり剥離したりして、本物の絵画のようなプリントに変化していく点にあると思います。新品は写真により近いけれど、洗ううちに絵画に近づいていく、そんな気がするのです。フォトが絵画に遡る!うぅ、たまりまへんな。
ひび割れの入り具合がTシャツの芸術度を高めることもあります。高校生〜大学生にかけてよく着ていたニルヴァーナのTシャツなんて、カート・コバーンが傷だらけの背中をこっちに向けてガッツポーズしているプリントだったんだけど、カートの皮膚の裂け目にさらに亀裂が入り、冥界と繋がっていそうな深い空間を作り出していて最高の逸品でした。私はその亀裂をいつも「なでなで」して、ある種の興奮を感じていたのですが、その「偶然のシンフォニー」を言葉にで説明することができず悶々と過ごしていました。当時、何人もの人に「そのTシャツ譲って」と言われたけれど、誰も「その亀裂が素敵」とは言わずプリントのモティーフだけに着目するので、「本当の良さがわからんヤツには売れん」と拒み続けたあげく、いつの間にかカート・コバーンが好きではなくなって、しかも「そのTシャツいいね」と言ってくれる人も周りから消えていった現状も手伝って、あっさり捨ててしまったのを覚えています。

どんどんあらぬ方向へ向かっているので、そろそろ終わります。一応写真をアップしておくけれど、「本当にこれを着て大学に行くの?」というような質問は勘弁してください。エロティックTシャツは私の得意分野ですから、えっへん。

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