河鍋暁斎を京都国立博物館へ見に行って来た。
詳しくはサイトArt Maniacsに書くとして(書けるのだろうか…)、ここではちょっとしたエピソードとして、展示作品に「地獄極楽巡り」という連作があった。
これは暁斎の絵の版元(?)の娘が14歳という若さで早世し、その追悼として暁斎が描いたもの。
娘が阿弥陀如来の案内で地獄を巡り、やがて最後に極楽へ召されるという内容。
地獄を面白おかしく見物して回るという趣向になっている。
この作品の博物館側の解説に、「その道中の陽気なこと」とある。
さすが関西の博物館、係員の人も「ちりとてちん」を見ていたんだね。
この一文は「地獄八景」へのオマージュだろう。思わずにやりとしたのだった。
それと売店で売っていた、コンドルについての絵日記。
これは暁斎が建築家・コンドルを弟子に取った時の、コンドルのお稽古の様子を暁斎がイラストにしたもの。
それが絵日記風にひとつの本にまとめられて売っていた。(暁斎記念館で常時売っているらしい)
暁斎はこういうイラストみたいな、新聞の風刺絵みたいなのが得意で、沢山残っているようだ。
その本では、他の日本人のお弟子が畳の上に座って絵を練習しているのに、コンドルは西洋人だからおっちん(正座)が出来ない。
だから、常にだらりと寝そべって、肘を立てて絵を描いている。
それを暁斎が、コンドルの絵の練習風景として描いているのが面白い。
暁斎もコンドルに行儀が悪い、ちゃんと座って絵を描け、とは言わなかったらしい。
コンドルが正座が出来ないので、大目に見ていたのだろう。
私はその本を立ち読みしただけで買っていないのだが(おいおい)、面白そうな本だった。
常設展示の方にもかなりのものが並んでいて、絵巻の部屋では「一遍聖絵」「法然上人絵伝」…、何げに国宝が並んでいた。
「華厳宗祖師絵伝(?)」とかいうのでは、あまり盛り上がらない場面が展示されていたが、一番いいとこは、今九州の博物館で「大絵巻展」というタイトルで出品されているようだ。
近世絵画の部屋では狩野なんとかの「雪汀図屏風」。これは良かった。かもめ(?)がまるで人間みたいに喋り合っている。解説文も大絶賛。
そして、長く一階の仏像の部屋で麗しいお姿を見せてくれていた、私のお気に入り「文殊菩薩騎獅像」が、とうとう古巣の金戒光明寺へお帰りになった。
そちらへ行けばまた会えるのかもしれないが、そう簡単には会えなくなった。
半ばレギュラー化しておられたので寂しいことだ。
彼の代わりに今は巨大なアベックの神像が鎮座しておられる。
木肌が荒く見えていて、ちょっと怖い雰囲気。
仏像室のレギュラーには六波羅蜜寺の四天王の内の二人(多聞天と増長天?だったか)がおられるが、見るたびに何となくぼろくなって来ているような気がするのだが、気のせいだろうか…。
ちゃんとメンテナンスはしてもらっているのだろうか。飾りっぱなしで、掃除もしてもらえていないのではないだろうか。
私の心配はとどまるところを知らない。