京都に新景観条例が布かれてだいぶ経った。
その後の進展は、どうなっただろう。
このことを以前、もうブログに書いたと思っていたのだが、途中まで書いたまま放置して、ブログには載せないままだったらしい。
かなり前の話になるのだが…、
何とか書いて完成させてみよう。
新景観条例。
これは繁華街にも適用される条例で、去年京都市で施行されて話題になった。
屋上広告や、袖看板などが禁止されるという。
今までに既に設置されている看板や広告までは撤去させられず、これから建てられる建築に適用される。
何十年もの長いスパンを睨んだ条例だから、すぐにはそう景観は変わらず、そんなに影響がないだろうと思っていたら、そうでもないらしい。
四条通は様変わりが激しい。
短いサイクルでころころ店が変わる。
昔からあった老舗の店がなくなったりもする。
このところかなり激しく出店や改築が進んでいるみたいだ。
最近では十字屋が新しく建て直された。
ルイ・ヴィトンのビルが建った。そのほかいろいろ…。
だから、このように出入りの激しい四条通に新しく出店しようとする店が、条例の影響を受けるらしい。
四条通のビルには屋上広告などが禁止される。袖看板も禁止になっていると言う。
袖看板とは何かと思ったら、私の推測では、ビルの横っちょによく縦長の看板が作りつけてある、あれのことではないかと思う。
と言っても、これから建つビルに適用されるのだから、現在既に建っているビルには屋上広告も袖看板も賑々しくついている。
そしてそれら既存のビルの方が圧倒的に多いわけだから、相変わらず四条通の景観がひどいのには変わりがない。
四条通はもう変えようがないというか、これだけ破壊し尽くして来たのだから、もう今さら規制をかけたところで遅すぎる、と私は思っていたし、誰に聞いてもそう言うのではないだろうか。
ここをどう規制して、どう京都らしい景観を守ろうというのだろうか。
規制し、景観をどうのこうのと言うなら、もっと早くに規制をかけておくべきだった。
どうしようもなくなってから規制すると言ったって、手遅れだろう。
と、思っていた。
ある時気がついたら、四条通にモンブラン・ビルが出来ている。
万年筆のモンブランのビルだ。
万年筆のメーカーがビルを建てても元が取れるのだろうか。今ごろ万年筆に需要があるのだろうか。
とも思うが、そのビルにはどうやら万年筆だけではなくて、小じゃれた雑貨なども置いているらしい。
私は高級ブティックなどには入る趣味はないので、外から少し覗くだけでそう思っているのだが。
それはともかく、そのモンブランビルは新景観条例が出来てからあと、建てられた。
だから袖看板はなく、屋上広告もなく、ビルに派手な装飾もない。ものすごくシンプルだ。
ビル全体が黒く塗られ、その中ほどに白い字でモンブランのロゴマークが小さくMontblank(c)と書かれている。それだけ。
ビル壁面に大きな字を書くのも禁止されていると思っていたのだが、そうではないらしく、字を書くことはオーケーらしい。
ただ、ビルに派手な色を使ったり、装飾を用いたりすることは駄目らしい。
当初、モンブラン社では東京のビル(どんなだか知らないけども)と同じく装飾を用いようとしたらしい。が、京都市に計画を提出すると刎ねられた。
景観条例にひっかかるからだ。
ドイツ(?)の本社に相談すると、本社は京都市の決定にしたがってくれ、という返事が来た。
そこで考えぬいた結果、下手に装飾せず、一切目立つものを取り入れず、ただビルの中央に字だけを入れた。
と、新聞に、ビルの建てられた詳細が記事になっていた。
このモンブランビルが、かえって四条通のビルの中で目立つのだった。
バスに乗って窓外を見ているとおや?と目を引く。
悪い意味ではなく、シンプルですっきりしているから目に優しいという意味で、かえって目を引くのだ。
このビルに比べると、その近所にある、「薬」と大書きした青や赤や黄色のど派手なビルが俗悪で嫌らしいとしか感じられないし、その他のビルの袖看板が不粋だと感じるし、見ていて落ち着かなくていらいらする。
もし四条通にモンブランビルと同じようなビルが増えれば、随分と目に優しい、落ち着いた景観になるだろう。
精神的に、とても楽に繁華街を歩けるようになるだろう。
そんな予測が出来る。
もしかして、京都市が目指している繁華街の景観とは、そのようなものなのだろうか。
だとすると、遅すぎるということはなくて、これからでも、たとえ何十年、何百年とかかっても、規制する値打ちはあるのかもしれないとも思う。