Velkommen
このブログは、ロックが好きなHattieがその日その日に思ったこと、触れたものについて好き勝手に書き連ねるものです。おいで下さった方、コメント欄に何か足跡を残してくれるととても嬉しいです。
なおコメントは承認を経て公開されますので、表に浮かんでくるまで時間がかかることがあります。ご了承してね。
Ha en fin dag!
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Ha en fin dag!
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絶賛治療中(涙) hverdags liv
先週頭から歯茎が腫れてきて、ついに顔まで腫れたので歯医者に行ってきた。レントゲン写真とって、チェックして、結果「あー、これは根管治療ですね。でも、元々弱っていた神経を取らないでかぶせたところなのでよく5年保ちましたよ」(自分がかぶせたので自画自賛とも言えないが、自分がかぶせる時にしっかり接着して苦労してらしたので不問にしときましょうw)
ここから1時間以上、麻酔したり削ったりレントゲン撮ったりひび割れ埋めたり…。麻酔のおかげで痛みはなかったけど、疲れました。(根管治療の詳細に興味がある人はWikiってみてください。でも、歯医者が怖い人には勧めません)終了後なんか私に懐いてくれてる受付のお姉ちゃんに「大丈夫ですか? 大分ダメージが…」「疲れました」
といっても1回で終わる訳ではなく、歯根内のお掃除が少なくとも後もう数回、それから歯根内を埋めて台を作ってクラウンをかぶせる、という手順を踏むので最悪3ヶ月くらいかかりそうな勢いです。私は親知らずが1本寝てて、半分くらい埋没してたんだけど(その後抜歯)、以前ちらっ行った歯医者が「うちで抜くことも出来るけど時間がかかるし保険内だからコストパフォーマンスが悪いんですよね」とぬかしたので(こいつは後でうちの父にも凄い失礼なことをやったのでうちとは絶縁状態になってます)それ以来10年くらい歯医者に行かず、そのツケでたくさん治すことになり、今はこまめにチェックに行くし、クリーニングにも行ってるんですが、それでもこういうことになる訳で。まあ、今の歯医者さんで最初に見てもらった時、一番大きな虫歯になってたところだったし、神経が生きているかどうかも危ぶまれていたところなので、そういう意味では遅かれ早かれこうなったと。(一番負担のかかる場所だったしね)
痛みは薬でなんとかなるんだけど、問題は食事や歯磨き。歯って途中が1本ないだけで随分不便っすね。うっとおしいし。それだけが難儀です。明日が2回目の治療。がんばりまーす。久しぶりの投稿が景気の悪い話ですんませんでした。
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ここから1時間以上、麻酔したり削ったりレントゲン撮ったりひび割れ埋めたり…。麻酔のおかげで痛みはなかったけど、疲れました。(根管治療の詳細に興味がある人はWikiってみてください。でも、歯医者が怖い人には勧めません)終了後なんか私に懐いてくれてる受付のお姉ちゃんに「大丈夫ですか? 大分ダメージが…」「疲れました」
といっても1回で終わる訳ではなく、歯根内のお掃除が少なくとも後もう数回、それから歯根内を埋めて台を作ってクラウンをかぶせる、という手順を踏むので最悪3ヶ月くらいかかりそうな勢いです。私は親知らずが1本寝てて、半分くらい埋没してたんだけど(その後抜歯)、以前ちらっ行った歯医者が「うちで抜くことも出来るけど時間がかかるし保険内だからコストパフォーマンスが悪いんですよね」とぬかしたので(こいつは後でうちの父にも凄い失礼なことをやったのでうちとは絶縁状態になってます)それ以来10年くらい歯医者に行かず、そのツケでたくさん治すことになり、今はこまめにチェックに行くし、クリーニングにも行ってるんですが、それでもこういうことになる訳で。まあ、今の歯医者さんで最初に見てもらった時、一番大きな虫歯になってたところだったし、神経が生きているかどうかも危ぶまれていたところなので、そういう意味では遅かれ早かれこうなったと。(一番負担のかかる場所だったしね)
痛みは薬でなんとかなるんだけど、問題は食事や歯磨き。歯って途中が1本ないだけで随分不便っすね。うっとおしいし。それだけが難儀です。明日が2回目の治療。がんばりまーす。久しぶりの投稿が景気の悪い話ですんませんでした。
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Hvil i fred.
ノルウェーの報道サイトはテレビも新聞もアレクサンデル・ダーレオーエンの訃報一色だ。あまりに突然だったし、あまりに思いがけないことだったので、私も呆然としてしまった。
ロンドンで北島選手とまた凄いレースを見せてくれるはずだったのに。
北島選手も自らのツイッターで大きなショックを受けている様子を伝えているし、メディア向けに出したコメントでもロンドンで戦うことをとても楽しみにしていた、と語っている。ダーレオーエン選手は北京オリンピックで銀メダルに終わった後、日本まで何度も来て北島選手のコーチに教えを請うていたという。研究熱心な選手だったのだろう。ライバルに教えるなんて、という人もいるだろうけれど、本当に優れた人は幅広い視野でシーン全体を盛り上げよう、育てようと努力しているように思う。野球でも、チームの枠を超えて後輩を指導したり、一緒にトレーニングすることはよくある。ライバル、だけど、一緒に盛り上げていく仲間であり、自分にとっての新たな目標。実際、人に教えることが一番勉強になるのはどんなことでも同じ。人に教えることで初めて気がつくことも一杯ある。そして、それが自分への刺激となって自分自身も成長する。
ロンドンでダーレオーエン選手と北島選手のレースはもう見ることが出来ない。でも、きっと北島選手は自分の行く手にダーレオーエン選手の背中を見て泳ぐんだろう。絶対に手の届かない背中を。
あんなに強い選手が26歳という若さで突然いなくなってしまうなんてなあ…。残念だし悔しいし。
ダーレオーエン選手は去年の夏、ノルウェーがテロで悲しみにうちひしがれている時、世界水泳で金メダルを取り、人々を励ます役割を果たしたそうだ。スポーツの力を示した人だったのだな…。Hvil i fred, Alexander Dale Oen.
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ロンドンで北島選手とまた凄いレースを見せてくれるはずだったのに。
北島選手も自らのツイッターで大きなショックを受けている様子を伝えているし、メディア向けに出したコメントでもロンドンで戦うことをとても楽しみにしていた、と語っている。ダーレオーエン選手は北京オリンピックで銀メダルに終わった後、日本まで何度も来て北島選手のコーチに教えを請うていたという。研究熱心な選手だったのだろう。ライバルに教えるなんて、という人もいるだろうけれど、本当に優れた人は幅広い視野でシーン全体を盛り上げよう、育てようと努力しているように思う。野球でも、チームの枠を超えて後輩を指導したり、一緒にトレーニングすることはよくある。ライバル、だけど、一緒に盛り上げていく仲間であり、自分にとっての新たな目標。実際、人に教えることが一番勉強になるのはどんなことでも同じ。人に教えることで初めて気がつくことも一杯ある。そして、それが自分への刺激となって自分自身も成長する。
ロンドンでダーレオーエン選手と北島選手のレースはもう見ることが出来ない。でも、きっと北島選手は自分の行く手にダーレオーエン選手の背中を見て泳ぐんだろう。絶対に手の届かない背中を。
あんなに強い選手が26歳という若さで突然いなくなってしまうなんてなあ…。残念だし悔しいし。
ダーレオーエン選手は去年の夏、ノルウェーがテロで悲しみにうちひしがれている時、世界水泳で金メダルを取り、人々を励ます役割を果たしたそうだ。スポーツの力を示した人だったのだな…。Hvil i fred, Alexander Dale Oen.
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Something cheap hverdags liv
最近はファストファッションとかほんと安いものが多いけど、そういうものを見るとふと頭をよぎる言葉があって。
安かろう悪かろう
安物買いの銭失い
私はかなり以前、とある靴店で店員のアルバイトをしていたことがあるんだけど、そこではバーゲン前にバーゲン用の商品を大量に仕入れていた。そして、いかにもそれまで高い値段で売っていたものを値下げしたかのように作った値札(つまり本当はそんな値段で店頭には出ていなかったのに、たとえば15000円なんて値段をはんこでポンしてその上を赤線で消し、新たに5000円と赤字ではんこポンする訳だ)をつけて店頭に並べていた。もちろん、通常価格からぐっと下げた商品もあったので全部が全部バーゲン用ではなかったけれど、よほど頻繁にそのお店をのぞいているお客さんでなければ、そういうからくりはわからない。バーゲン用の靴は当然仕入れ値も安いからとっても下げて売っているように見えても店はちゃんと利益が出る仕組みだった。それ以来、私はバーゲンは信用しなくなった。売る側は必ず儲けが出るようになっているから。
ファストファッションの場合は、材料費と人件費でこの儲けを出しているのだと思う。某世界的ファストファッション・ブランドでピンク色のシャツを買った知人は一度洗濯したら白いシャツに化けてしまったし、別の知人は他のブランドのタンクトップの裾が洗うたびにぺらんぺらんになってしまった、という経験があるという。これは極端な例としても発色を見ると糸の質がどうなのかな、と思うものも少なくない。さらに人件費。以前、テレビで中国の縫製工場のことをやっていて、日本なら高校生くらいの年代の女の子が地方から都市部の工場に入社試験を受けにきていた。彼女は試験に受かり、「これで故郷の弟や妹たちに送金が出来る、学校にやれる」と喜んでいたのだが、その彼女の年収は日本円にして2万円にもならなかった。年収である。寮に入って食住は保証されてはいるのだろうけれど、2万円足らずから仕送りして彼女の生活はどうなるのだろう、と考え込まずにはいられなかった。それ以来、made in chinaの安い服を見ると彼女のことを思い出してしまう。
世界的な大企業は人件費の安い場所を渡り歩いている。あるスポーツ用品のメーカーは当初韓国で生産していたが、韓国の経済状況がよくなって人件費が高くなってくるとある日突然、何の前触れもなく工場を閉めてもっと人件費の安いインドネシアへ移っていったそうだ。インドネシアの人件費が高くなったら今度はどこへ行くのだろう。
私は政治的なことをあれこれ言うのは好きではないけれど、自分が居心地の悪い思いを感じながら服を着ているのも好きじゃない。別に安くて今風ならそれでいい、というならそれはそれでその人の勝手だと思う。人の財布には様々な事情がある。ただ、安い安いと喜んでいるとなんだか後ろに大きな落とし穴が口を開けているような気がしてしまう。私が考えすぎなんだろうか。
もちろん海外の工場で生産していても、徹底的に技術を教えてきちんとした給与を払っている会社も当然ちゃんとあると思うし、逆に先進国と言われる国でも労働者が搾取されてるところもあるから一概には言えない。RAGE AGAINST THE MACHINEのトム・モレロがアメリカでは繊維業の労働者に対する搾取が酷い、と支援運動してたのは記憶に新しいし。まあ、こんなことはよく知られたことで、今更あれこれ言うことではないのだけれど。
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安かろう悪かろう
安物買いの銭失い
私はかなり以前、とある靴店で店員のアルバイトをしていたことがあるんだけど、そこではバーゲン前にバーゲン用の商品を大量に仕入れていた。そして、いかにもそれまで高い値段で売っていたものを値下げしたかのように作った値札(つまり本当はそんな値段で店頭には出ていなかったのに、たとえば15000円なんて値段をはんこでポンしてその上を赤線で消し、新たに5000円と赤字ではんこポンする訳だ)をつけて店頭に並べていた。もちろん、通常価格からぐっと下げた商品もあったので全部が全部バーゲン用ではなかったけれど、よほど頻繁にそのお店をのぞいているお客さんでなければ、そういうからくりはわからない。バーゲン用の靴は当然仕入れ値も安いからとっても下げて売っているように見えても店はちゃんと利益が出る仕組みだった。それ以来、私はバーゲンは信用しなくなった。売る側は必ず儲けが出るようになっているから。
ファストファッションの場合は、材料費と人件費でこの儲けを出しているのだと思う。某世界的ファストファッション・ブランドでピンク色のシャツを買った知人は一度洗濯したら白いシャツに化けてしまったし、別の知人は他のブランドのタンクトップの裾が洗うたびにぺらんぺらんになってしまった、という経験があるという。これは極端な例としても発色を見ると糸の質がどうなのかな、と思うものも少なくない。さらに人件費。以前、テレビで中国の縫製工場のことをやっていて、日本なら高校生くらいの年代の女の子が地方から都市部の工場に入社試験を受けにきていた。彼女は試験に受かり、「これで故郷の弟や妹たちに送金が出来る、学校にやれる」と喜んでいたのだが、その彼女の年収は日本円にして2万円にもならなかった。年収である。寮に入って食住は保証されてはいるのだろうけれど、2万円足らずから仕送りして彼女の生活はどうなるのだろう、と考え込まずにはいられなかった。それ以来、made in chinaの安い服を見ると彼女のことを思い出してしまう。
世界的な大企業は人件費の安い場所を渡り歩いている。あるスポーツ用品のメーカーは当初韓国で生産していたが、韓国の経済状況がよくなって人件費が高くなってくるとある日突然、何の前触れもなく工場を閉めてもっと人件費の安いインドネシアへ移っていったそうだ。インドネシアの人件費が高くなったら今度はどこへ行くのだろう。
私は政治的なことをあれこれ言うのは好きではないけれど、自分が居心地の悪い思いを感じながら服を着ているのも好きじゃない。別に安くて今風ならそれでいい、というならそれはそれでその人の勝手だと思う。人の財布には様々な事情がある。ただ、安い安いと喜んでいるとなんだか後ろに大きな落とし穴が口を開けているような気がしてしまう。私が考えすぎなんだろうか。
もちろん海外の工場で生産していても、徹底的に技術を教えてきちんとした給与を払っている会社も当然ちゃんとあると思うし、逆に先進国と言われる国でも労働者が搾取されてるところもあるから一概には言えない。RAGE AGAINST THE MACHINEのトム・モレロがアメリカでは繊維業の労働者に対する搾取が酷い、と支援運動してたのは記憶に新しいし。まあ、こんなことはよく知られたことで、今更あれこれ言うことではないのだけれど。
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奇跡の泉ルルドへ 本
ルルドの泉、というと奇跡をもたらす巡礼地として名高い。今でももの凄い単位の巡礼者がこの地を訪れ、聖母マリアに救いを求めるという。それは日本でも知られている。でも、じゃあ、どういうところ? 具体的にどういう歴史を持つわけ? と言われると、興味を持っていない限り「うーん」となるのが大半ではないだろうか。特に日本ではどうも宗教=胡散臭い、という感じる人が多いようで(でもクリスマスは祝うんだよな。変なの)奇跡だの聖母マリアの出現だのと言われると途端に眉唾ものじゃないの?と思う人もいるらしい。
そういう人達に対してカトリックの歴史やエゾテリズムの歴史をフランス(ローマ教会の長女を自認する一大カトリック国だ)で学んだ立場から多数の著書をものしているのがこの『奇跡の泉ルルドへ』の著者の竹下節子氏である。彼女は学問としてキリスト教を学び、フランスで生活することで生活に溶け込んでいる宗教を実際に感じ、そこから冷静な視点で私達日本人にとってともすれば難解な事象をつまびらかにしてくれる。この本は聖母マリアの出現、泉が湧出、そしてそこから一大巡礼地へとルルドが発展していく歴史を詳しく追い、さらに現代にルルドが持つ意味まで視野に入れたものだが、個人的にはたまたま聖母マリアが見えてしまった少女ベルナデットと、彼女を取り巻く周囲の大人の思惑の食い違いが非常に興味深かった。ルルドに聖母マリアが出現した、と言われるのは1858年。時代は科学崇拝が広まり、宗教はなかなかに難しい立場に立たされていた。ゆえに、周囲の大人はベルナデットをなだめ、すかし、時には脅し、繰り返し繰り返し話をさせてこれは一種の精神異常のもたらした幻覚である、という結論を得ようとする。この光景はベルナデットが一貫して態度を変えないだけに、喜劇味を帯びてさえいる。しかし、ベルナデットが聖母マリアの言葉として「無原罪の宿り」という神学的な、普通の少女なら当時は知りもしなかったような言葉を名乗った、と口にしたところから状況は変わっていく…。そしてベルナデットはルルドから遠ざかってゆく。ルルドが巡礼地として栄えるのに比例するように。
カトリック教会は聖人認定にも通常は非常に慎重であり、百年単位で調査を重ね、奇跡の認定にも医学者などを含む専門家による調査、検討等々複雑な手続きを求める。聖人一人につき昔の電話帳数冊分の資料が集められるのも普通だ。中には諸般の政治的事情によりあっという間に聖人になる人達もいるが。(マザー・テレサや先代のローマ法王のヨハネ・パウロ二世はあっという間に聖人になるだろう)巡礼地に関しても、結構厳しく調査するようで、軽々しく巡礼地ですよ、とは言えないようなのだ。それではなぜルルドがこれほど人気の高い巡礼地となったのか。
その辺りはこの本を読んでみるとよくわかる。科学万能主義が席巻して理性や知性が信仰心などを非科学的として追いやろうとしていた時代だっただけに、ルルドは必要とされたのか。ここで問われるのは聖母マリア出現が現実かどうかではなく、奇跡を求める時代の意志だったのか。
宗教離れがあちこちで言われる昨今、どこかで新たな「奇跡」が生まれるかもしれない。
『奇跡の泉ルルドへ』竹下節子
(NTT出版)
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そういう人達に対してカトリックの歴史やエゾテリズムの歴史をフランス(ローマ教会の長女を自認する一大カトリック国だ)で学んだ立場から多数の著書をものしているのがこの『奇跡の泉ルルドへ』の著者の竹下節子氏である。彼女は学問としてキリスト教を学び、フランスで生活することで生活に溶け込んでいる宗教を実際に感じ、そこから冷静な視点で私達日本人にとってともすれば難解な事象をつまびらかにしてくれる。この本は聖母マリアの出現、泉が湧出、そしてそこから一大巡礼地へとルルドが発展していく歴史を詳しく追い、さらに現代にルルドが持つ意味まで視野に入れたものだが、個人的にはたまたま聖母マリアが見えてしまった少女ベルナデットと、彼女を取り巻く周囲の大人の思惑の食い違いが非常に興味深かった。ルルドに聖母マリアが出現した、と言われるのは1858年。時代は科学崇拝が広まり、宗教はなかなかに難しい立場に立たされていた。ゆえに、周囲の大人はベルナデットをなだめ、すかし、時には脅し、繰り返し繰り返し話をさせてこれは一種の精神異常のもたらした幻覚である、という結論を得ようとする。この光景はベルナデットが一貫して態度を変えないだけに、喜劇味を帯びてさえいる。しかし、ベルナデットが聖母マリアの言葉として「無原罪の宿り」という神学的な、普通の少女なら当時は知りもしなかったような言葉を名乗った、と口にしたところから状況は変わっていく…。そしてベルナデットはルルドから遠ざかってゆく。ルルドが巡礼地として栄えるのに比例するように。
カトリック教会は聖人認定にも通常は非常に慎重であり、百年単位で調査を重ね、奇跡の認定にも医学者などを含む専門家による調査、検討等々複雑な手続きを求める。聖人一人につき昔の電話帳数冊分の資料が集められるのも普通だ。中には諸般の政治的事情によりあっという間に聖人になる人達もいるが。(マザー・テレサや先代のローマ法王のヨハネ・パウロ二世はあっという間に聖人になるだろう)巡礼地に関しても、結構厳しく調査するようで、軽々しく巡礼地ですよ、とは言えないようなのだ。それではなぜルルドがこれほど人気の高い巡礼地となったのか。
その辺りはこの本を読んでみるとよくわかる。科学万能主義が席巻して理性や知性が信仰心などを非科学的として追いやろうとしていた時代だっただけに、ルルドは必要とされたのか。ここで問われるのは聖母マリア出現が現実かどうかではなく、奇跡を求める時代の意志だったのか。
宗教離れがあちこちで言われる昨今、どこかで新たな「奇跡」が生まれるかもしれない。
『奇跡の泉ルルドへ』竹下節子
(NTT出版)
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裏側からみた美術史 本
アートといわれるものは、作者と作品が同一視されることが多い。清らかな作品は作者も清らかであり、セクシーな作品は作者もセクシーだ、と思われる傾向があるように見える。しかし、実際には「ああ勘違い」な場合の方が多いらしく、豪壮雄大な曲を書く作曲者が小心者だったりすることもある。まあ、こういうのは自分にないものに憧れるというか、こうありたい、といういしきがそうさせている部分もあるんだろうな、と思われるが。
で、この本もそういう「ああ勘違い」なことを読みやすく取り上げているもの、といえそうだ。最近ではカラヴァッジョのように美しい宗教画を描きつつ、実は喧嘩っぱやい人殺しで嫉妬深くて大変だった、なんて面が知れてきているが、それでもまだまだ色々な“伝説”が生きていると思う。まあ、別に画家の人格を知らなくても作品を観て感動したり何か感じたり出来ればそれでいい訳でね。画家と友達になる訳じゃないし。友達になったら大変そうな人も多いしさ。もちろん、本に登場するのは作品と作者の違いだけではなく、たとえば芸術と医学の関係(これはなかなか興味深かった)とか、肖像と権力、時代の変遷によるヌードの地位等々、アートに興味のある人なら結構楽しめるものばかりが肩の凝らない、読みやすい形で扱われている。気楽に読んで、ああそういう側面もあるのか、と思えればいいのかな、という、エンタテインメント性の高い本だった。
いやー、ジョットって金貸しまでやって蓄財してたのか…ちょっとびっくり。その人が清貧で知られる聖フランチェスコの一代記を描く世のおもしろさよ。
『裏側からみた美術史』宮下規久朗
(日経プレミアシリーズ)
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で、この本もそういう「ああ勘違い」なことを読みやすく取り上げているもの、といえそうだ。最近ではカラヴァッジョのように美しい宗教画を描きつつ、実は喧嘩っぱやい人殺しで嫉妬深くて大変だった、なんて面が知れてきているが、それでもまだまだ色々な“伝説”が生きていると思う。まあ、別に画家の人格を知らなくても作品を観て感動したり何か感じたり出来ればそれでいい訳でね。画家と友達になる訳じゃないし。友達になったら大変そうな人も多いしさ。もちろん、本に登場するのは作品と作者の違いだけではなく、たとえば芸術と医学の関係(これはなかなか興味深かった)とか、肖像と権力、時代の変遷によるヌードの地位等々、アートに興味のある人なら結構楽しめるものばかりが肩の凝らない、読みやすい形で扱われている。気楽に読んで、ああそういう側面もあるのか、と思えればいいのかな、という、エンタテインメント性の高い本だった。
いやー、ジョットって金貸しまでやって蓄財してたのか…ちょっとびっくり。その人が清貧で知られる聖フランチェスコの一代記を描く世のおもしろさよ。
『裏側からみた美術史』宮下規久朗
(日経プレミアシリーズ)
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