今日の「天地人」で出てきた豊臣秀吉の甥、関白秀次の切腹に纏わる拙著「衆道剣風録〜契りの剣」を紹介しましょう。
前回、夏休みの読み物紹介で出しましたが、今週の話題で興味を持たれた方もいらっしゃると思います。
秀次の謀反というのは、秀吉の陰謀説がありますが、子が出来ないと思って関白を秀次に送った途端に秀頼(お拾い)が生まれたので、邪魔となったのは諸事実を並べると、十分頷けると思います。それにしても権力の第2位にあった大大名をあっさり除くとは、秀吉の絶頂期ともうろくの始まりと同時に来たと思いませんか?
信長の後を襲った頃の全方位を見回せる能力は、権力の座に座った事で失われてしまった様です。権力の罠というのは、そう、側近達が主人を守ろうという忠勤が裏目に出る事でしょう。「天地人」の原作、火坂氏の小説はこの辺をよく描いていると思います。
さて、「
衆道剣風録〜契りの剣 三 死闘!高野山青巌寺」で、主人公の一人、海道修理(かいどうしゅり)は切腹前の謹慎中のヤケクソになった秀次とその側近、不破万作に会います。
不破万作は、戦国三大美童の一人。修理の剣の腕を見込んだ万作は、秀次の不名誉な死から救って欲しいと修理に頼みます。太閤秀吉の意向を汲んだ石田三成が遣わした殺人団が暗躍していると言うのです。
その後、高野山に監禁された秀次達の切腹の期日と、その場所青巌寺に通じる秘密の坑道の地図が万作から届けられます。他の大名達に惜しまれ反乱を勧められるまでの秀次でしたが、従容と死を選ぶこそ、平和の道であり、謀反人と決めつけた秀吉に対する最大の復讐であると考えます。
万作はそんな秀次を不名誉に汚す者達が切腹の場に乗り込んでくると予感し、修理にすがりついたのです。
食い詰めて、国を捨ててきた一介の牢人である修理は悩みます。一人で行くしか無く、まわりは戦の準備をした兵士で埋め尽くされているはずです。正に死を覚悟しなければなりません。
切腹当日、案の定、その切腹の間は密閉され、秀次主従は介錯人や見届け人もいない事を知ります。その時、次の間の暗闇の中に残虐な殺人者達が現れます。秀次の側近の美童を狂った秀次が殺し、見苦しく変態的な死に姿を演出しようと、秀吉は計画していたのです。
自顕流を使う殺戮者の前に、あわや・・・
その時、秘密の地下道を通って次の間の下に達した修理が、必死な万作達と殺戮者達の前に現れるのです・・・
さて修理の運命は如何に!秀次達は従容として死に赴く事は出来るのか!ちゃんちゃん♪
私の小説の中でこんなに格好いい場面はあまりなく、書いていて興奮しました。
「青巌寺」は現在の金剛峰寺の事です。昔は高野山全体が「金剛峰寺」と呼ばれていて、各寺には名前が付いていたのです。秀次最後の間は現在も残されています。

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