rainの恋愛小説集です
切ない恋の病にかかった主人公達を書いていこうと思います。
2008/5/24
ベットから起きると昼過ぎだった。
瞳はのろのろと着替えてお茶を入れた。
嵐のように葬式が過ぎていった。でも、そのお陰で気が紛れた。
もう、ダイニングテーブルの向いに和夫の笑顔を見る事ができない。
「和夫・・・・」
涙が溢れてきて手で顔を覆った。
この結婚は早すぎたのかもしれない。和夫と香織の縁は切れてなかったのだ。
ここ何ヶ月か仕事が忙しく、和夫とすれ違いの日々が続いた。だから、二人が会ってた
のに気づかなかった。
香織から「あの人と別れて」という電話と、和夫からの別れ話が重なった時はショックだった。
まだ一緒にいたかったのに・・・香織より先に、事故があの人を奪っていった。
TVを流しっぱなしにしながらお茶を飲んだ。東海ツーリストの仕事を最後に辞めて、今までの分和夫を愛したいと思っていたのだ。
マンションはどの値段で売れるだろうか。気を引き締めなおさなきゃ。
あの仕事は・・・引き受けるしかない。
一週間後。
「Tomorrow」へ瞳は行った。
洋介はコピーを取っていた。
「あら、この間はありがとう」
瞳は微笑んだ。
(続く)
2008/5/23
洋介がそっと聞き耳を立てていると、
「料理も食べ終わったし、外で話しませんか?」
会社の女性2人は席を立っていった。入れ違いに他の女性のグループが入って来た。
「瞳ちゃん、今日はよくがんばっていたね」
小さな背の女性が言った。
「本当、さすが瞳だね。あのさ、だんなさんの事を瞳から聞いた?」
太った女性が声をひそめて言った。
「知ってる、メール送ってくれたから。最近、うまくいってないって悩んでいたよ」
小さな声で背の高い女性が言った。
「芳恵、幸子、この話は後でにしよう」
さっきの太った女性は洋介に気づいたらしく、そう言った。
洋介は席を立った。
(続く)
2008/5/16
仕事が忙しくて、小説の更新ができませんでした(^^;)
久しぶりに読む方、初めての方、ここまでのあらすじです。
(あらすじ)
小川洋介はデザイン事務所「Tomorrow」でアルバイトをしている美術大学2年生。
山本由香里とは付き合っているが、秘かに「アド企画」の吉川瞳に憧れてた。
由香里とのデートの日「アド企画」へデーターの配達を頼まれる洋介。そこで残業している瞳と会い、どうしようもなく惹きつけられてる自分を確認するのだった。
一方、瞳は上司に嫌な仕事を頼まれ悩んでいた。
残業が終わってマンションに帰るが、夫和夫は帰って来ず、心配する瞳に電話が入る。
翌日、アルバイト先で洋介は瞳の夫が亡くなったことを知るのである。
※
吉川和夫の告別式が行われた。
晴天の中、葬儀式場に焼香の長い列が続いている。
その中にはデザイン事務所「Tomorrow」の及川社長、奥田他の社員と洋介がいた。
焼香の番が近づいてきた時、喪主の瞳が目に飛び込んできた。
黒い髪をなびかせながらうつむいている瞳。泣いているんだろうか。
黒い喪服が一層悲しみを際だたせていた。
火葬場で及川社長が瞳に挨拶をした。
「この度はご愁傷様でした」
「本日はお忙しいところを亡き夫の葬儀にお集まり下って、ありがとうございました」
「ご主人の事は気を落とさぬように。後でまたゆっくり話しましょう」
後ろから来る人々に社長は気遣って、離れた。
あまり瞳と親しくない洋介は話すこともできずにただ、社長に従うだけだった。
「精進落とし」の席。社長や奥田はあいさつでいなくなっていた。
洋介が料理を食べていると、隣で和夫の話が聞こえてきた。
「歓送迎会」の帰り、同僚が酔った和夫を車で送る途中、ダンプが突っ込んできた。
居眠り運転で誤って車線を越えてしまったらしい。同僚と助手席の和夫はダンプに潰されて即死。ダンプの運転手は重傷で入院。
「吉川さん、お気の毒でしたね」
瞳と同じ会社らしい女性が話している。
「まだ、結婚して3ヶ月らしいですよ。山田さんは結婚式でブーケもらってましたよね?」
山田と呼ばれた女性は頷くと
「そうなんですよ。あの時、吉川さんがとても幸せそうで・・・」
悲しそうに声をつまらせていた。
(続く)
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