ピカソのブレーキめっちゃ効きます。
以前BXの記事をSTRUTというマイナー(最近は結構メジャーになりつつある)な雑誌に書いたことがあります。
『ハイドロブレーキのペダルは、既に存在する高圧油圧の流路開閉スイッチに過ぎないので、ペダルのストローク量ではなく、微妙な踏力に応じて効きが調整される。つまり、動作が膝から下の大きな動きでなく、足首だけの小さな動きだけで制御できるので疲れない。かつ強力に効く。雑誌にはよくスイッチのようで使いづらいような批評があるが、慣れれば疲れを知らない秀逸なブレーキである。』といった内容でした。
ピカソのブレーキは実のところBXに通じるものがあるのです。ストロークは大して長くなく、なおかつ強力です。今どきの車らしくいろいろ電子制御しているので、信号待ちなどで踏んだ状態のままだと、何となく反発力が変化して踏み込み量がズルッと変わる感触は仕方ないのでしょう。
詳しくは見てないのですが、ブレーキマスターは左のままで、右のブレーキペダルの動きはド太い丸棒(パイプ?)で左側に伝達されています。
しかし、BXと徹底的に異なるのはハイドロでない関係か、BXのような強力なアンチダイブジオメトリーがたぶんサスセッティングに採用されていないのでしょう、不用意にブレーキを踏むと、つんのめるように停まります。その点、BXはハイドロを最大限に活用し、リヤの荷重が少ないとリヤブレーキの効きを減らしたり、前述の強力なアンチダイブセッティングにより、路面にパラレルなまま停まる。ピカソはシトロエンらしくソフトなサスセッティングを採用したものの、前輪は通常のコイルであることからこのような弊害が生じたものと思われます。
急ブレーキを踏むと派手にダイブしますが、慣れればストロークの短い疲れないブレーキだと思います。

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