カシオのデジタルカメラが登場して20年。当時は写真の足元にも及ばない仕上だったのが、もはや世の中デジカメ一色。
しかもモデルサイクルの早さも凄まじく、お陰で私のような「カメラなら何でも大好き」というお馬鹿さんにとっては激安な中古デジカメがホイホイ増殖すると言う嬉しいような「いーかげんにしなさい」状況なのだ。
ここではそんな過去の名機(迷機?)をバシバシ紹介しようと思うのだ。
2008/3/2
WIDE端
TELE端
プラステレコン
更にデジタルズーム二倍
デジタルズーム四倍
PowerShot90is
銀座に春の訪れを告げるものといえば何と言っても松屋の中古カメラ市だ。なんで当然行ってきました。何でも今年は30周年ということです。
今ではこの手の催しは彼方此方でやってますが、やはり伝統、規模では松屋に並ぶものなし。しかし毎年行っているから新鮮味は少ないけどね。
ここ数年、中古カメラでもデジカメの割合が増えてるけど松屋は圧倒的に銀塩カメラが多い。訪れる客も銀塩がお目当てだしね。
しかしだ、お店も力を入れてるから、本当に欲しいものを探すには良いんだが、ブラブラ見ながら気まぐれで買う安物カメラが少ないのだ。
そんで見つけたのがこれだ。本体に64メガCFカード、ACアダプタ、更にチャージャー付きで6300円。洒落で「もう一声」と言ったら5250円にしたので成行き上買ってしまった。
隣にはボディの貼り革が一部欠けてたリコーフレックスが同じ値段で並んでいた。つくづくデジタルの諸行無常を感じたのだ。
このカメラ、デビュー時の売りは手振れ補正搭載だった。オリンパスのデジカメに供給して好評を博していたISレンズを本家のキャノンデジカメに搭載したのだ。
外観はオートボーイジェットを彷彿とさせる葉巻型なんだけど、これが何ともイモっぽいというかセンスのかけらも感じさせないズングリムックリなのだ。
なにゆえこんなに悲惨なスタイルなのか。出生を調べて納得した。そう、このデジカメはキャノンUSA製なのだ。
日本のデジカメが全て日本で企画されたものではない。私の知る限り例えばNikonのCoolpix3700は欧州ニコンが企画したものだ。
そう考えると、この大柄で安っぽいスタイルはいかにもアメリカーンだ。そしてアメリカンと分かって一気に好きになった(正確には欧州スタイルやそれに追従するジャパンスタイルには少々飽きていたのだ)。
90isの気になるお値段は何と16万円(どひゃー)。実際に手にすると、総プラスチックボディはとても10万オーバーデジカメとは思えない安普請だ。でもアメリカンカメラにはプラスチックがお似合いだ。
今使うと画素数以外でも時代を感じさせる所が多い。起動、AF、レリーズタイムラグなど使いこなしがいのあるデジカメだ(書き込みの遅さはさすがに困るけどね)。
このレンズの良いところは「レンズが繰り出さない」ことだ。しかもインナーフォーカス、インナーズームなのでコンバージョンレンズ使用時にアダプタを必要としない。
コンバージョンレンズ装着可能なデジカメで頭が痛いのがアダプタリングだ。特に最近は見つけるのが大変で、DimageZ5のリングは諦めた頃に見つけた。
だからリング不要というのは有り難い。PowerShotG3を入手した時に純正テレコンは入手済みなので、早速装着するのだ。おぉぉググっと格好良いじゃないか。
早速試写に出るのだ。無謀と言われようが、やはり望遠とくれば野鳥撮影だ。「こら!動くんじゃない」
ちなみに最高画質だと2メガ近くになる。圧縮率が低いのだ。RAWも撮れる。Proの名は伊達じゃないのだ。
掲載した画像は広角、望遠、プラステレコン、更にデジタルズームの2倍、4倍の順だ。画角の変化を堪能できる。
テレコンに関しては期待外れというのが正直な感想。周辺がかなり乱れるし、パープルフリンジも盛大に発生する。
デジタルズームを併用すると画像の乱れは更に激しい。ノイズも拡大されるので、そのままではとても使えず、レタッチは必須で、プリントはおろかBlogに縮小画像を載せるのが精一杯というところだ。
また当時としては高性能と思える18万画素のEVFでもテレコンプラスデジタル4倍にするとおおまかなアウトラインしか分からない。つまり「何が見えているのかさっぱり状態」なのだ。
とはいえ銀塩時代にこんな超望遠撮影など不可能だった(そもそもレンズが買えません)。それが手軽に楽しめるのはデジタルの恩恵だと思う。

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投稿者: captaingratt
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