カシオのデジタルカメラが登場して20年。当時は写真の足元にも及ばない仕上だったのが、もはや世の中デジカメ一色。
しかもモデルサイクルの早さも凄まじく、お陰で私のような「カメラなら何でも大好き」というお馬鹿さんにとっては激安な中古デジカメがホイホイ増殖すると言う嬉しいような「いーかげんにしなさい」状況なのだ。
ここではそんな過去の名機(迷機?)をバシバシ紹介しようと思うのだ。
2009/2/21

激安ジャンクのEOS30Dを手に入れた私が次に目指すのは「とりあえずの一本」。22-55mmがあるとはいえ、やはりせっかくEF-Sが使えるボディをお迎えしたんだからEFSの18-55が欲しくなるのだ。
といってもこの手のバーゲンズームが純正ではひとつしかない上に、雑誌でも「値段の割に良く写る」との評価を得ているからジャンク並の激安プライスではなかなかでないのだ。
だいたい5千円程度が易さの最下限と踏んだ。これ以下だと銀塩時代の激安ズームとバッティングするからだ。また足が速いレンズみたいで、逃すと6千円台になる。
たかが千円、されど千円。10万円レンズなら気にならないが、5千円のレンズが6千円ではじぇんじぇん違う。ということで目指す価格は5千円(以下)ということになった。
出る可能性があるのは聖地、墓場屋、バザールあたりか?墓場屋では以前みた記憶がある(当然いまはない)。バザールにはあったが1万円は論外だ。
久しぶりに聖地巡礼するか。そう思いながら近くにある中古パソコン屋に入った。ここにはデジカメの中古もあるのだ。
当然だが並んでいるのは流行の薄型デジカメばかりだ。まぁそんなものだろうと思っていたら初代キスデジのレンズセットが置いてあった。
うーん、欲しいのはレンズだけなんだよね。と思いながらプライスタグを見てひっくり返った。6980円。
店員を呼んで出してもらう。ボディが使い込まれているのと元箱や接続ケーブルがないからだと言うではないか。
セットの内訳は
@キスデジボディ(限定ストラップ付)
AEFS 18-55mmフード、レンズキャップ、フィルター付
Bバッテリー×2
C充電器
D取説
FCD
Gケンコー製二倍テレコン
という「いきなりRAWで撮影OK、テレコンも使えます」セットなのだ。
これを聖地のジャンク館で購入したら
フード100円、フィルター300円、キャップ200円、ストラップ400円、バッテリー1ヶ1000円、充電器1500円…いやそもそもEF用テレコンだけで2000円近くするのだ。
しかも「ジャンク」ではない。動作確認用に1週間の保証付きである。CDがあれば30Dはわからないが、少なくとも10DとキスデジのRAW現像だって可能になる。迷いなし、お買い上げだ。
しっかしだ。古いとはいえ6メガデジイチだ。最新のコンパクトデジカメがオーバー1000万画素になったはいえ、画質の差は歴然なのだ。特に高感度領域ではデジイチの敵ではない。
それなのに…あぁそれなのに。同じ6メガのサイバーショットT9が未だ1万円近くで並んでいるその脇でロッキュッパー。中古の銀塩キス7ボディ並か、それ以下とはこれぞまさしく「デジイチ諸行無常」なのだ。

2
2009/2/11

久しぶりにハードオフを急襲する。目指すは「ジャンク棚」おほほ(^_^;)
NonAiの105mmフィルター部変形が3000円か。うーん、あまり目ぼしい品がないなぁ…と眺めていたら隅の方にあるのはEOS30Dじゃありませんか。しかも3台。
驚いて店員さんを呼ぶと「あぁ液晶が割れてるので未チェックのジャンクにしてます。動くかどうかも解りません」との返答。
確かにどれも見事なくらい液晶が割れている。しかし逆に液晶以外は綺麗な状態だ。バッテリーがないから作動チェックも出来ませんとのこと。
「だったら、バッテリーを持参してチェックしても良いですか」と聞くと、「構いません」と言うじゃないですか。言質とったぁ。急いで自宅に引き返す私。だって部屋にはEOS10Dがあるのだ。
普通、デジカメにとって液晶破損は致命的なのだ。だってほとんどの人は液晶をファインダーに使ってる。更に最新の薄型は光学ファインダー自体載せてない。
それに各種設定はほとんど液晶モニターで行う。液晶が潰れていると十字キーを手探りで操作をすることになる。「メニューボタンを押して、下に二回、右に一回、さらに下に三回…」まさに「海賊フック船長の宝探し」。メニュー構造を完璧に覚えていなければ不可能だ。
だけどデジイチには液晶モニターよりよく見えるファインダーがある。さらに主要設定は単独ボタンに振り分けられている。
またミドルクラス以上では設定状況を表示するもうひとつの液晶があるのだ。さらに主要項目はファインダー内にも表示される。だからメイン液晶が割れていてもほとんどの操作が可能なのだ。
当然、液晶がないと無理無理なものもある。現像パラメーターや仕上がり設定(特に30Dはこれも売りだ)などだ。しかし私はこの手の操作をほとんどやらない無精者だった。わははは。
早速テスト開始。1台はミラーが傾いてるのでチェック以前の状態だった。残りは2台。まずは比較的液晶の損傷が少ない方を試す。電源OK、AFもOK、しかしAVモードで30秒を示し実際シャッター切ったらバルブ状態になった。明らかに露出系に異常を来しているみたいね。
残るはラスト1台…これが当たり。撮った絵を10Dで確認すると「ばっちり」。お買い上げぇ。
既に10Dがあるのに30Dをお迎えした理由は別に8メガピクセルが目的じゃないのだ。
一つ目は20Dから採用されキヤノンが無敵と言われた「高感度でのノイズレス画質」。当時の雑誌ではとにかく好評だった記憶がある。私の散歩写真は自宅を出るのが遅いので「黄昏スナップ」が多いのだ。一度は暗所に強いと言われる20D以降のモデルを試してみたかった。
二つ目は「EF-Sレンズが使える」。キスデジクラスに供給され最近ではかない安く出回るようになったズームを使うにはどうしても20D以降じゃないと駄目だんだよね。
そして最後が秒5駒。実は一番の理由がこれ。しかも27枚まで可能。私の場合いま一番デジイチが活躍するのはスポーツなんです。「マシンガンショットで偶然撮れるベストな1枚」が信条の私には外せません。望遠ズームが何時手に入るかは未定なんですが。
まぁ本当のところは5000円という値段に陥落したんだけどさ。(^_^;)
手に入れて進化を感じたのはバッテリー周り。10Dでは残量がほとんどなかったのが30Dでは倍以上の残量表示になった。本当だとしたら明らかに電源管理が良くなっているようだ。

しっかし、デジイチ登場の頃は液晶を割るなんて考えられなかった。当時は中古車並の値段だったカメラだ。普通の人は大切に扱う。それが今では当たり前のようにジャンク棚に並んでいる。
つまり、デジイチはもはや「高級デジカメ」じゃなくて、コンパクトデジカメと同じように扱われているってことですね。これもまた諸行無常のデジカメ界なのだ。
そんでキスデジに供給されたEF-S 18-55mmの中古を探しに行った私は更に「デジカメ諸行無常」の現実を目の当たりにしたのだ(以下次号)。

9
2009/2/8

子供の合唱発表会があるというので会場に向かう。出番までまだ時間があるという事で近くのレンタルスペースを覗いてみるのだ。
そしたらDimageA2のジャンクがあった、1500円。うーん、気になるなぁ。でもメインスイッチらしきところが何故かプラスネジで止められてる。今回はパスしとこう。
そんで同じ棚を見るとサイバーショットP5があった。タグを見たら「380円」…店長に話を聞いたら充電器がなくて確認できないからジャンク扱いだという。
バッテリー室をあけると一応充電地が入っている。インフォリチウムCタイプだ。確かに今のところスイッチ入れても反応ないから電池が干上がってるか壊れているかのどちらかだろう。
中古でもバッテリーは500円から1000円というのが相場だから、本体がだめでも電池だけで元が取れる。
しかし、その日私は発表会用にデジカメを持参していた。しかもそいつには昨晩充電済みのインフォリチウムCタイプが入っているのだ。
店員さんにテストして良いか確認したらOKの返事。早速電池を入れ替えスイッチオン…無事起動したのだ。お買い上げぇ。(^_^;)
Pシリーズは多分ソニーで最もヒットしたシリーズじゃないかしら。カメラなら何でも好きな私なら何モデルか持ってても不思議じゃないんだが、何故だか縁がなかったのだ。初めてのPなのだ。
理由の一つは大ヒットしただけに流通中古が多い。つまりいつでも手に入るのだ。もうひとつはとにかくモデルが多すぎて的を絞れない。各モデルの特長がよくわからない(まぁ似たようなものだと思うんですが)。
しかし最大の理由は「実はそれほど欲しいモデルじゃなかった」ということ。
Pシリーズヒットの理由が「スタイリッシュコンパクト」。確かにこのスタイルはFシリーズみたいなインパクトがないけど、やはりスティックスタイルや個性的で片方の角を丸めたところがソニーらしい(気がする)。
それでも巷で言われるほどスタイリッシュとは思えなかった。そう、実は私、このスタイルにそれほど魅力を感じないのです。むしろ「何故このデジカメの人気が高いのか解らん」というのが本音でした。
今見ても「やっぱりそれほど魅力を感じない」んだよねぇ。これって私の見立てセンスが悪いからかしら…なはは(^_^;)
スティックスタイルで天下を取ったPシリーズでしたが、このデザインには致命的な欠点があったのでした。それは横長ゆえに液晶の大型化が困難なこと。やって出来ないことはないんだが(実際、スティックタイプに2.5を載せたメーカーもあった)、全体のまとまりなどにかなりしわ寄せがくる。
Pが栄華を極めた時代はまだ液晶は、1.5から1.8が主流なので問題なかった。将来のライバルたりえる屈曲レンズを搭載した薄型デジカメのDimageXシリーズも液晶はまだ1.5型で既にブランドイメージを確立させたPシリーズの敵ではなかった。
しかし遂に最強の刺客が登場する。何とライバル他社ではなくソニー自身が差し向けたT1だ。DimageXと同じレンズの出ない薄型ボディに2.5型という当時デジイチですらあまり搭載していない大型液晶を載せていた。
当然、T1は大ヒットし、時代は薄型大画面時代に突入する。それにしても大ヒット商品であったPシリーズに自ら引導を渡すソニーの凄さだ。

実際、P5を手にして驚いたのが、「恐ろしくシンプルなデジカメ」だったということ。何しろ撮影モードは全自動とナイトモードだけという潔さ。うーん。
しかし、よく考えたら嫁様など全自動モード以外は使ったことない(そもそも使い方が解らない)、そしてほとんどの人は全自動モード以外は使わないんだよね。ひょっとして、この簡単な(というか何も出来ない)操作性もヒットの隠れた要因かしら。
まぁそれほど思い入れがあるわけじゃないし380円は実においしい買い物だったことをプラカメ博士のRikkie氏に自慢しようとBlogを覗いたら何と博士は100円という犯罪的な価格で入手していた…脱帽です。

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