カシオのデジタルカメラが登場して20年。当時は写真の足元にも及ばない仕上だったのが、もはや世の中デジカメ一色。
しかもモデルサイクルの早さも凄まじく、お陰で私のような「カメラなら何でも大好き」というお馬鹿さんにとっては激安な中古デジカメがホイホイ増殖すると言う嬉しいような「いーかげんにしなさい」状況なのだ。
ここではそんな過去の名機(迷機?)をバシバシ紹介しようと思うのだ。
2015/6/21

久しぶりに新宿に行く用事が出来たので、ついでにカメラ屋も巡礼することにした。といっても昔のように東口も西口も絨毯爆撃するような気力はない。どっちかというとDiskUnion巡礼のついでに東口のアルプス山脈とミヤマ岳を覗くという軟弱巡礼だ。
DiskUnionで何枚かCDをゲットすればカメラの方は「見るだけ〜」になるのだが、その日は目ぼしいCDを見つけられなかった。「折角、新宿まで来て手ぶらとはいかがなものか!」と憤る私‥大馬鹿者である。
んで、近場のミヤマ岳に入山。ここはニコン科の高山植物が自生していることで有名なのだ。
中古棚を眺めてたらCoolpixS30がある。キッズデジカメなんだが、単三使用の防水カメラで、どことなくピカイチカリブを思い出させてくれる。6千円が高いか安いか解らないが、ムーミンみたいなデザインも優秀で、ひとつ傍に置きたくなった。
ところが視線を横に移すと、同じ値段でAW100というモデルがあった。こちらもピカイチカリブ系列だけど、大人向けというか、オリンパスやペンタックスが出してきたタフネスコンデジに対抗して出してきたモデルだ。
安い理由は本体とバッテリーのみだから。ミヤマ山荘は基本「元箱セット」なのだ。しかし普段から墓場屋や廃棄物産展ばかり見てる私には本体だけがスタンダードなのだ。
バッテリーはP300と同じ、だったらP300で充電できるじゃん。ニコノスと髣髴とさせるオレンジのフロントパネルが素敵‥と、お求めしたのだ。
しかし帰りの電車では大いに反省した。「S30と同じ値段で買えてラッキー」なだけではないか。単に手ぶらで帰りたくなかったという物欲奴隷なだけではないか。しかしAW100をいじってて改めてコンデジの進化に驚いた世間知らずの私なのだ。
AW100には頭というかトップには出っ張りがある。そう、手持ちのデジカメではP6000以来のGPSコンデジとなる。
といってもGPSには否定的な私なのだ。だって画像に位置情報データが入っても普段の散歩写真になーんにもメリットないし、何より衛星を掴むのに時間が掛かりすぎて使い物にならなかった。
しかし技術は進歩していたのだ。このデジカメはニコンのホームページから「A-GPSデータ」なるものをダウンロードすることで高速化が図れるというのだ。
試しにデータを入れて起動する。はっ早い。コールドスタートにも拘らす1分かからず衛星を捕捉した。P6000の待てど暮らせど捕捉しないGPSとはレベルが違う。
何でもこのデータは有効期限が1週間で、必要な時は都度ホームページからダウンロードするようだ。これを面倒と感じるユーザーもいるだろうが、P6000時代を知ってる私にはダウンロードでこれだけ早くなるなら全然苦にならない。

しかしもっと驚いたのはモニター表示だ。何とAW100は地図データを内蔵しているのだ。画像は縮尺1cm8.3Kmだが、最大で50mまで拡大できる。デジカメだけじゃなくてGPSマシンとして運用も可能だった。すんげぇ。
地図データはスマホのアプリと比べれば貧弱でランドマークデータは少ない。当たり前だがナビ機能もない。
そんでもこの手のタフネスデジカメを求めるユーザー、特に山岳ユーザーには頼もしい機能だと思う。山でGPSを使う時は近くのコンビニ情報など必要ない(そもそもコンビニなどないし)からだ。
トレッキングをする人はカメラにも拘る。大体がデジカメを携帯する。そして荒れた天候ではこのデジカメの持つ耐水(10m)、耐衝撃(1.5m)、耐寒(-10℃)性能が役に立つ。
今はどうなのか解らないが、当時は地図データ内蔵GPSデジカメはこれ以外に1機種だけだったようだ。さすがタフネスデジカメでは後発だけに良いとこ突いてる。
そしてAW100にはGPSログ機能もある。つまりトレッキングしながら写真を撮ると、後で地図ソフトに取り込めば、トレッキングルートと途中で撮影した画像を保存できる。自転車のツーリングにも活用できそうだ。試してはいないがレビューによるとバッテリーの持ちも一般的なコンデジより少し劣るくらいで実用上GPSを使いたくてもバッテリーが持たないから使えないという状況にはなりにくいようだ。
外観ではバッテリー室のロック解除がダイヤル式になっておりデザイン上でもアクセントになってて格好良い。操作でも小さい爪状のレバースライドより使い勝手が良い。また、GPSの捕捉を向上させるためにストラップは両吊式を採用している。これだと首から下げた時アンテナが常に上を向くのだ。オールドファンにはスタイル的にも宜しい。
自分的には普段のランニングには嵩張るので携帯できないけど、LSDやトレラン時にこのデジカメが面白そうな感じだ。

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