Nikon1 S1は見た目のチープさと高速AFというアンバランスさがお気に入りだったんだが、諸般の事情(というか、まぁその何だな。ははははは)で手放したのだ。
しかし手放して分かるあのコンパクト感が忘れられず、機会があればもう一度買い直そうかと思っていた。狙いはS2。中古で1万円を切るのはJだと1か2、Sだと2が手に入る。ニコワンに関してはAF性能や画像処理エンジンが同時代モデルなら下位機種も上位機種と同じものを採用しているからJ1やJ2よりS2の方が高性能なのだ。
JとSの最大の違いはメインダイヤルの有無なんだが、このメインダイヤルはJ5まで使わない機能ばっかり割り振られていて正直使い物にならなかった。だからS2で充分なのだ。んで、ニコンならミヤマ商会が品揃えが豊富なので不定期に巡回していたのだ。
したら、ある日J4が1万2千円で出ていた。よく見るとJ4の程度の良いものでも1万5千円。むーん、J4はそれまでのポップなスタイルがよっぽどニコ爺の不評をかったのか、エッジを立ててググっと格好良くなって欲しいんだよね。しかし2千円に拘るというか出し惜しむのが大佐の流儀なのだよ。
なので後ろ髪を引かれつつも店を後にしたのだ。
そして数週間後のある日、再びお店を覗くと、何とJ4が8千円になっているではないか。S2より安いじゃん。お店の人に理由を聞くと入荷のタイミングですって。元箱はレンズキットのもの。レンズだけ取ってボディは売る、よくあるパターンね。しかし私にはそんなことなど「どーでも良い」、値段が全てだ!お迎え決定。
改めて手に取ると、S1と違うメタルボディのヒンヤリ感が「クール(当たり前だ)」。シルバーカラーはメタル外装に実にお似合い。正面がヘアライン加工されているのも良い。フロントとトップが1枚加工されているのもこのクラスとしては上質。それまでのポップ路線から質感路線に変更されて物としての魅力が上がった。それでもコンデジ風情は失われておらず、内に秘めたパワーを見せていないのが良いのだ。
バッファ以外基本性能はほぼV3と同じ。AF追従で秒20駒というモンスターマシンだ。もっともバッファ容量は20駒。つまり1秒でお仕舞い。しかし1秒って意外と長い時間なのよね。上手く使えば実戦でも問題なし。
操作性で最も変わったのが、モニターにタッチセンサー機能が加わったこと。これで操作性は一気に向上した。単なるタッチ機能ならニコンは後発だと思うんだが、実によく練られていて階層を掘り下げることがほとんどないのが良い。操作性の悪さはニコンのお家芸だがJ4は別物だ。
もうひとつがタッチシャッター。正直この機能はスマホ向けというか、邪道だなぁと思っていたんだけど、高速ピントと相まってタッチと同時にシャッターが切れる。使えるタッチシャッターであった。これなら「あり」だ。
時代に擦り寄っているのがWifi内臓。もともとWifi機能はトップモデルにのみオプションされるもので当時のメディア容量の少なさをパソコンにデータを飛ばすことで補う目的だったんだが、今はメディア容量で不足を覚えることなどありえない。それでもこの機能を入れるのはスマホと連携したいからだ。撮った画像は即インスタグラムにアップしたい。スマホの手足としてしかコンデジに未来はないのかなぁ。
個人的に気に入っているのが動画機能の強化。スローや倍速撮影が加わった。スロー撮影は欲しい機能なのだ。4秒動画というSNS向け機能もあるがこれは私のセンスじゃ使いこなせない。
フィルター機能も強化されたが、これはオリンパスの足元に及ばない。ニコンは強力な画像処理ソフトを販売しているので、これで何でもできるしどちらかというとあまりフィルター機能には熱心でなかったが、これはマーケティング不足だ。ほとんどのユーザーは手間隙かけて画像を仕上げることなどしたくない、ワンタッチでできなきゃ使わないのだ。
しっかしさぁ、ニコワンにはまるきっかけになったS1はボディのみで5千円、購入後バッテリーと充電器が別途必要だったし、モニター内部に汚れが入っていたのだ。それが今回お迎えしたJ4はレンズキットのレンズなし状態で、元箱や付属品一式込みで8千円。当然ボディコンディションはズーっと良くて1ヶ月の保障つき。嬉しい反面なんだか複雑。

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