さて、GRデジタルについて今更「あーだこーだ」言うのも何だが、ここは私のブログだからガンガン書いていくのだ。
んでですね、このデジカメが発売された当時はまだカメラ好きでして、それなりに興味はあったのですが、正直それほど「欲しい」カメラじゃなかっただす。
一番の理由は価格かなぁ、これは家庭を持つ普通のサラリーマンとは別世界のデジカメでしたよね。新品は無理でも中古のデジイチが買えますから。一台目なら高級コンパクトよりデジイチに目が行くよね。
あと個人的には某(またも登場)有名クラカメ評論家様が、このデジカメを痛くお気に入りだったのだ。別にそれは結構なことなんだけど、その誉め方が抽象的というか哲学的で、そういった難しい思想を語られるのが大嫌いな私は「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ってなもんで、このデジカメへ偏見を抱いてしまったのだ。
ちなみにシグマ様の出されたDP1も素敵なデジカメだったんだけど、これも大先生がお気に入りと言うので色眼鏡で見てしまったんだよねぇ。
そんで発売から6年の歳月を経て初めて自分のカメラとしてGRを手に取るのだ。うーん、実に新鮮味に欠けるのだ。「ざけんな!こら!」と怒号が飛び交いそうだけど、これは事実だ。
そう、まるで既に使い込んで手に馴染んだような感覚なんよね。違和感が「まーったくありませーん」。初めて手にしたときから長い間連れ添ってきた道具の感触を味合わせてくれる、うーん降参です。参りました。
良い道具の条件って性能や機能は勿論だけど、一番大事なのは「手に馴染む」ことでしょ。包丁人が良い包丁を使うのはブランドじゃなくて、それが使って「しっくりくるから」だよね。
とにかくそのサイズと重量のさじ加減が銀塩に馴染んでた世代には絶妙だと思うのだ。私はアドアマでもないただのカメラ好き親父だけど、そんな親父でも「こりゃ馴染む」と感じさせてくれるんだから凄いですよ。
発売当時、垢抜けなくて田舎臭いデザインも、田舎臭いデザインのデジカメが絶滅してしまった現在ではかえって新鮮(笑)。また当時いまひとつ高級感に欠けるマグネシウム外装も渋くて気に入ったぞ(好みは時代と共に変わるのだ、わはは)
初めて触ったときは値段というフィルターがかかっていたから、「高級コンパクトってどんなの?」という下世話な興味が先立ってしまい、この感覚が解らなかったのね、情けないわね。
次に操作性ですが、これがまた実に「良い」んだなぁ。まずダイレクトに露出補正ができるのが嬉しい。メニューから呼び出すのは論外だけど、多くのデジカメは多機能すぎるんで補正ボタンを押して十字キーに露出補正を割り当てる必要がある。しかしGRは単焦点なのでズームレバーに露出補正が割り振られているのだ。
次にアジャストダイヤルの存在。使い方は面倒だから略します(気になる人は自分で調べてね)。とにかくこいつがメッポウ使い勝手が良い。
ハイエンドはCoolPIxから入ったせいもあって、とにかく操作性が極悪というか、説明書を持ち歩かないと操作できないくらい難しかった。
キャノンのG3やG2もニコンほどではないにしても、やはり頻繁に使っていないと忘れてしまうのだ。GRはアジャストダイヤルを「押す」という操作だけ忘れなければ、まず迷うことはない(逆に言うと、この操作を知らないと永遠に快適な操作はできない)。
「あれもこれもできます」と言われても、操作できなきゃ宝の持ち腐れ。トラクターが欲しいという現地に超多機能な重機を送っても、現地人が誰も使えない開発援助の現状と同じなのだ。「本当に必要な最低限の操作を使いやすく提供しました」という方が親切なのだ。

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