2004/6/23

つぶやき NO.4  はるみのつぶやき

吉田春美、「在宅総合センターすこやか」でもつぶやく
 去る6月18日夕方、医療生協在宅総合センターにて、「障害者の自立について」というテーマで薄田、吉田二人で講演をすることとなった。すこやかのヘルパーさんを中心に約30名の方が集まってくれました。吉田さんの生い立ちから今日のような自立生活を目指すまでの経緯と思いを、「ごく普通に」という言葉をキーワードに話させて頂きました。障害者が移動すること、働くこと、生活すること、そして日々のヘルパーさんや看護師さんとのケアする側とされる側、看護する側とされる側、それぞれが「ごく普通に」ということの意味を「ごく普通に」理解してもらえたらと、そんな思いを込めたつもりでしたが、さあ、届いたでしょうか。

メッセージ(つる訪問看護ステーション看護師一同)
◇ 吉田さんも周囲も頑張っているなと思う。吉田さんの希望がどこまで叶えられるか、できる事できない事を相談しながらやって行こう。
◇ 吉田さんが在宅で頑張る。それを尊重して支えることが、他の重度の障害者が在宅で暮らして行く道すじを作っていく。
◇ 吉田さんの看護、生活を支えて行くのに精神的な負担もあり、より多くの人で分かち合う必要あり、吉田さんもスタッフにかなり気を使っているのでは?こからもなるべく良い状態で長いお付き合いをお願いします。

メッセージ(佐々木直美)
 私は、吉田さんが入院した当初から現在に至るまでを大まかに知っています。退院に向けて支援会議にも参加していましたが、まさか本当に退院出来るとは、その当時は思いもしませんでした。正直、退院が決ってからも果たしてどれくらい在宅での生活が送れるのだろうか、そう長くは続かないのではないだろうかとさえ思っていました。しかし、蓋を開けてみるともう4ヶ月です。病院ではなかなか一人の患者さんに時間をかけることが出来にくく、吉田さんにも十分な時間をとることが出来ずに、私自身も病棟で未消化な思いのまま退職することとなりました。でも今、訪問看護で再び吉田さんに関わることができ、嬉しく思うとともに、生き生きしている吉田さんを見て、在宅での生活がいかに心地よいものなのかを知りました。
「あれっ?今日は吉田さん不機嫌だな、どうしたの?」なんて、何度か吉田さん本人に言ったり、次の人に申し送ったりした方もいることでしよう。とにかく皆が気にかけてくれます。きっと殿様気分なのでは・・・?これからも在宅で一日でも長く生活していけるように健生病院、ヘルパー事業所、樫の木職員の皆さんと協力していきたいと思います。

台風接近、呼吸器の停電対策は大丈夫?
 台風接近のニュースと共に、訪問看護スタッフやヘルパーさんが何やら心配そうな表情で、「停電した時の対策は大丈夫ですか?」と、全然、大丈夫ではありません。急きょ、発電機と予備の燃料を手配することとなりました。結局、台風の影響は何もなく、発電機を使わずに済みましたが、危機管理はしっかりとしないといけませんね。これからも何かありましたら、チェックをお願いしますね。

 イ、医療ミスで良く聞く話に人工呼吸器のスイッチの入れ忘れとか、消毒液を入れたとか…。あんなもん、ミスじゃねー。単なる不注意としか思わん。ミスも不注意も同じ意味だったかな。どっちにしても、入れたつもりが入ってなかったとか、頭ん中ー他に飛んじょるけんじゃー、勉強しなおせぇー。と、ニュースを聴く度に思う。
 キカイ、キカイ、キカイ! と笑える自分をまた笑う。
 ロ、論より証拠。眉間にしわが寄った時は、不機嫌な証拠と思われている。必ず不機嫌ばかりではない。真剣に思いを伝えたい時かもしれないのに、そう思われたら、こまってしまって、僕の扉も閉まるかも。妥協点には今一歩。
 ハ、話を聞くとしたら、機関銃は苦手だな。2連発のライフル銃か、回転式拳銃が好き。たまにはバズーカ砲でドカンと一発も悪くない。聞こえるような聞こえないような豆鉄砲は好きになれない。
 ニ、2回の舌打ちを聴いたら迷う事なく文字盤を出して欲しい。口ぱく語を聞き分けたいのも分からんでもないが、舌の乱れ打ちもしたくない。
 ホ、訪問看護師の気持のゆとりを感じる。ホワイトボードやレスピレータチェック表のおまけの落書きをもっともっと増やそう。身体的健康状態も良好な証しと思う。
 ヘ、ヘルパーの名前も顔も覚えた。スケジュールも分かって来たと思ったら新顔のヘルパーが次から次にやって来る。もう名前も顔も真剣に覚えないことにした。気楽にいくぞー。
 ト、取り留めのない話のきっかけも忘れるくらいに友達と話していた頃もあった。でも、いつでも誰とでも話が出来たとは言えない。それは今も変わらない。気乗りしない時もある。この性格は変わりようもない。
 チ、チェックチェック、今朝も介護ノートを見て看護師の一言は同じかな。水分摂取量を模型の円形グラフでチェックされていた頃を思い出す。今も厳しく言われるが、味噌汁を計算に入れてないよ。あの頃は50tとか100tとか適当に加えていたなー。ヨーグルトやアイスクリームは?
 リ、理想に近い時に限って、「妥協してる?」と聞かれる。「妥協してる!」と笑って即答した時は85%満足している。食事に顔拭き歯磨きとアームとQちゃんも、はたまた浣腸もガス抜きも100%の満足はあり得ない。自分でやれたとしても同じ事。15%のマイナスは愛嬌に負けている。
 ヌル、ぬるめか熱めのどちらかと言えば、入る時ぬるめ、出る時に熱めの風呂が良い。温かいを文字盤では伝えにくいので、ぬくいに変える。牛乳をあたためても同じ。文字が重なると指すのに頭を使う。ワカルカナー?
 ヲ!、ワカラナイ。
 ワ、ワカメに昆布にヒジキ駄目。竹の子、椎茸、マメも駄目。嫌いで喰わない訳じゃない。みんな好き。ほうれん草を喰った翌日にワカメになって出て来た。人参と胡麻を喰ったらすぐバレル。いくら噛んでもすぐバレル。
 カ、家族がいたら2年くらいで退院していたかもしれない。でも、生きているかは不安になる。かつての6年間には看護師に何度となく命を救われた。そんな生死の境をさまよっていた頃から性格を知り尽している看護師や薄田さんのようなコーディネーターの存在がこれからも大きい。介護プランだけならコンピュータでもやれる。安心して生き生きした生活には人の好みも含めて人それぞれの前頭葉にしか現れないものまで判断する必要がある。それは口からの言葉よりも、前頭葉により近い目ん 玉や眉間のしわかもしれない。きっとそう思う。
 ヨ、喜んでいる時は、10年20年先の夢もある。苦しくなると、明日も不安になる。17日の夜中に訪看に来てもらった。おしっこは自力で出たけれど、バルーンカテーテルを持って来る予感が当った。宝くじは外れた。また何日かは排尿を気にせず気楽に行こうかな。一喜一憂の繰り返しだ。

編集後記(吉田)
 以上、はるみ之つぶやき「第4号」を終る。「第5号」は、頭にタの付く事のへ理屈から書く予定。はるみ之つぶやきを良く聞くと実は、みんなの呟き。これからも耳を澄ませてつぶやきのネタにしよう。
 はるみ之つぶやきを発行して本当に良かったと思う。介護を受ける立場から受動的ではなく、能動的にアピールしたい気持からである。それは支援会議メンバーを始め多くの支援者と共に創っている生活だから、もっともっと心のつながりを深めたい思いもある。
 最近の悲しい事件を聞く度に、インターネットや携帯電話で簡単に発信する事への抵抗感もあった。早ければ良いとは思わない。40年も昔、ガリ版印刷をしていた頃は、一字一句に思いを込めていた。読んでくれる人の身になって言葉や文字を大切にしていた。現代ではパソコンを抜きには進まないが、気持はガリ刷り一枚一枚を確認するように何回も読み返し、言葉を大切にして思いを込めて行きたい。
 僕に限らず誰もが自分から好んで障害者になりたくない。また、自分の意思で産まれたわけでもない。地球が誕生したのと変わらないくらいの偶然の命と思う。絶対と言えるのは、『死』しかない。それなら、偶然と絶対の通過点くらいは、自分の意思で我がままに生きたい。自殺や人殺しなど論外。その時その時の障害の悪化と出会い、泣いて来た。それは障害をしっかり受け止めて前に進む為の涙のエネルギーになったと思う。

編集後記(薄田)
 皆さん、薄田です。いつもお世話になります。皆さんもご存知と思いますが、吉田さんが毎日、頬っぺでカチカチと意思伝達装置を使って書いているんですが、私と比べると、まさにウサギとカメといった感じです。うかうかしてると、あっと言う間に一ヶ月、もうこんなに書いたのと驚かされてばかりです。毎日、目からは合同新聞の文字情報、耳からはNHKラジオの音声情報、長い入院生活で溜め込んでいた思いも込めて、一気に吐き出している感じですよね。これからも折りに触れて出かけて行っては、たくさんの方に思いを伝えて行くんだと思います。やっぱりハングリーなところがいいんでしょうね。闘い方といい、ヘルパーさんとのやり取りといい、まさに蝶のように舞い蜂のように刺すような素振りは、まさにボクサーですよ。はははっ。例えがまずかったらごめんなさいね。では、次号もご期待あれ。。。
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