僕がギターを弾き始めたのは中学二年生のころで、もう十年以上も前になる。たまたま同級生でギターを弾いてる人間が二人いて仲良くなった。というかその二人の影響で始めたんだけど、当時あの田舎の中学でギターを弾いてる奴なんて彼らくらいだったから、僕の場合確率的にはラッキーな出会いだったというべきだろう。それと同時に洋楽というものにもはまっていくことになる。
僕は何か興味の対象があると、そのルーツの方へと興味が移っていく性癖がある。それはだんだんとエスカレートして偏執狂的ルーツ崇拝となる。音楽に上も下もないんだけど、どうしても古い音楽の方を贔屓にしてしまう。もちろん私的にカッコイイかカッコ悪いかが判断基準であるのは間違いないけど、自分の好みはそちら側に傾いているようだ。
友達から最初に聞かせてもらったガンズを聞いたのがスタート地点となったわけだけど、そのままレッドツェッペリンに行ってしまったのがそもそも間違いだったのかも知れない。サザンもサイケデリックスも大好きだけど、もともと聴き始めたのは桑田圭祐も竹中尚人もエリッククラプトンが大好きだと言っていたのがその理由だし。
考えもなく書き始めたら収集がつかなくなりそうになってきたな・・・。もともと何を書こうと思ったかというと、「同時代性の欠如」についてだ。
別に大した論考にはならんのだけど、ちょっと書いておこう。
例えばブリティッシュインヴェンションを世代的に体験しているピーターバラカンのような人は(彼の音楽の趣味は非常に広くて深くて素敵だ)、ビートルズもストーンズもフーもヘンドリックス(あ、ブリティッシュじゃないや)もいっぺんに聴いているわけで、僕みたいにビートルズは中学生から聴いてるけど、ストーンズを聴き始めたのは22歳、なんてことはないだろう。またオールマンブラザーズバンドは知ってるけどレイナードスキナードは全く聴いたことがないとか。僕が高校生の頃でいったらニルヴァーナやスマパンやオアシスとかブラーだろうか。有名なバンドがいっぱい出てきていたし、もちろんそれなりによく聴いてはいた。でもやっぱり60〜70年代の音楽の方が僕には魅力的だった。
僕のもう一つの性癖は極度の飽き性と面倒くさがりということ。ギターを弾くということがよく十二年も続いたなとは思うけど、一度はまるととことんなんだよね。というか他にはまるものを見つけるのがめんどくさい、という噂もある。
そんなわけで、流行ででてくる似たようなバンドなんか聴いてらんなくなる。悪くいうとつまみ食い的に色々な音楽を聴き漁ってきたわけで、聴き方が浅いなんて言う人もいるかもしれないけど、そんなことはおかまいなし。ジャンルなんて言葉は意味を持たない。
偉そうなことを言いながら僕は非常にミーハーだ。雑誌なんかでよく書かれていると、つい信じてしまう。あれやこれやと聴きたくなってしまう。ただ単に欲張りなだけかもしれないけど、世界を全部知りたくなってしまう。まぁ、それでも聴いてピンとこないと見切りをつけるのも早い。一体何が言いたいんだ?うーむ、どんどん纏まらなくなってきたな。
面で捉えずに点で捉えているという表現が一番近いのかな。次元や位置関係には縛られず、点として独立しているモノ。同じ面内に属してるから好きだとか、同一線上になるから好きになるわけではない。良いなと思ったものがなんらかの共通点を持ってることはあるかもしれない。でもそれはただの後付の理由だ。だから僕が古くさいロックやソウルが好きだといってももその周辺を知っているわけではない。もちろんその時代の空気も知らない。だからあんまり信用しないでねって話だ。いや、ちょっと違うか。
今までの自分の聴き方に後ろめたいことでもあったかのような、言い訳じみた話になってきたけれど、未だタイムマシーンは発明されてないんだから、後悔してもしょうがない。あ、別に後悔はしてないんだけどね。
この文章を書きながら、何故いまごろこんなことを書こうと思い立ったのかに気が付いた。たぶん
マーティンスコセッシが制作した
「The Blues Project」
という作品のDVDを見ているからだ。あー、なんて単純なんだろう・・・。去年の夏に奮発して買った6枚組の豪華BOXセットのこの作品。ブルース録音開始100年を記念して制作されたドキュメンタリーあり、ドラマありのブルーズについてのDVDで、買ったものの全然見てなかったので最近になって見始めたわけですわ。ブルーズが好きな人間なら、心の内側のカサカサしている部分にバーボンを垂らされたみたいにヒリヒリとした酩酊を味わえるんじゃなかろうか・・。強引にオチをつけてみたけど、いかがなもんかな。
やれやれ一週間分くらい書いちゃったよ。こんな面倒くさいことを言ってる奴の文章なんか面倒くさいて読む気にならんだろう。でもまた書くだろうな、きっと。
では、オヤスミナサイ。

0