こんばんは。ただいまの時刻午前3:42分也。
明日も
仕事中居眠り必至のダメリーマン・イシイです。
先日、吉祥寺にて友人のバンド(仮に
『Gタミン』とでも
しておきましょうか・・・。)のライブを観に行き、翌日が
土曜日だというのにも関わらず仕事だったワタシはそそくさと
帰りの電車に乗り込みました。
席が空いていたのでそのまま座り、列車のドアがしまったと
思った途端、
ゴオオオン・・・、ゴオオオン・・・
という音が車内に響き渡りました。
音がする方を見てみると、なんと
フツーにコンビニとかでバイトでもしてそうな、一見おとなしそうな
女子が、
阿修羅のごとき表情で列車のドアに
長渕剛ばりの喧嘩キック
をお見舞いしているではありませんか・・・。
しかも1発2発どころかその倍以上。
要は
「開けろ!このクサレJR!!」
ってトコだったのでしょうが、無常にも列車は彼女をホームに
置き去りにし、走り出したのです。
すると彼女は、よっぽどその列車に乗らなければいけなかったのか、
動き出した列車に対してもまだ
蝶野正洋ばりのキック
を見舞い続けておりました・・・。
ボクはその『ゴオオオン・・・』という音に、ちょいと昔の出来事を
思い出しました。
それは、今から17〜18年前。ボクが
『平塚のガンタンク』

と呼ばれ、暴れまわっていた中学生だった時の話です・・・。
当時のボクはバンドとかにはまだ気が向いておらず、ひたすら
新日本プロレスに入団することばかりを考えておりました。
たまに間違ってケンカなんかしちゃいますと、フィニッシュホールドは
バックドロップとか
アキレス腱固めとかで勝利していた位です。
ソコにはそう、
”King of Sports”あの有名なライオンのマーク

を常に見据えているボクがいました・・・。
そんな行き場のない(?)パワーを持て余しておったボクに、当時の体育
教師は砲丸投げを教えてくれたのです・・・。
ボクの行ってた中学校には陸上部がなく、市内大会などが近づくと
足の速いヤツとかが集められ、即席の選抜陸上チームを結成させられて
おったのです。ボクはその中の
砲丸投げ担当構成員だったワケです。
その体育教師はボクが普段在籍していた柔道部(コレもプロレスラーに
なるための精進の場だと考えて入部)の顧問だったもんですから逆らえ
ません・・・。めんどくさかったけど構成員の座に甘んじてみました。
砲丸投げを習得するにあたり、その先生から注意されたコトが2つ
ありました。
1つは・・・
砲丸を野球のボールみたいな投げ方で投げてはいけない。
・・・これは単純に
「肩を壊すから」という理由からです。
もう1つは・・・
砲丸を人に向かって投げてはいけない。
・・・
・・・そんなコトいくら物事を知らない中学生のボーズでも分かります。
4キロだか5キロだかある鉄の玉を人に向かって投げて、もしそれが
当たってみたとして、その結果がどれだけの惨事に繋がるか・・・、
安易に想像がつきました。
・・・でもそこは教師、実際に頭部に砲丸が命中して
お亡くなりになった学生さん
の話などを延々とし、散々ボクらを脅しつけるのでした・・・。
・・・と、そんなとある放課後、ボクはその即席チームの連中と一緒に
グラウンドで砲丸投げの練習をしておりました。
「自分で投げた砲丸は自分で取りにいく」・・・当然のルールです。
10mくらいの距離に放たれた砲丸はコロコロと転がり、技術科室の
あるところのコンクリートの壁に「ゴチッ」といってぶつかり、
とまります。
ボクはそれを見届けてから、自分が投げた砲丸を取りにテクテクと
ダルそうに歩いていました。
・・・とそのときです。
ボクの背後から
「あぶないっっ!」という声とともに
ゴオオオオォォォンンン
という衝撃が後頭部に走りました・・・。
・・・先生から聞かされていた
事件の話を思い出しました。
それと同時に
「あぁ・・・。死ぬのか・・・。」とも思いました・・・。
人は死ぬ間際にそれまでの思い出が走馬灯のように甦るといいますが、
いつまで経ってもその走馬灯が来ません・・・。
「あぁ・・・、ボクみたいに
まだ若いと走馬灯はないんだ・・・」などと
ワケのわからない理屈を思い浮かべていました・・・。
でも、いつまで経ってもボクは死のうとしません・・・。数秒ごとに
ボクの頭の中は走馬灯どころか「?」のマークが駆け巡っています・・・。
すると、遥か50メートル位後ろから、
「カツミー!ごめーーん!!」
という野球部ワキタくんの声・・・。
・・・そうです。ボクが砲丸だと思っていた後頭部を直撃したもの、
それは
ワキタくんが練習中に放った打球だったのです・・・。
普段のボクだったら、ワキタくんの後頭部に砲丸をめりこませている
トコロですが、たった今、
命の尊さ
を知った中学生に、そんなコトができる由はありません。
「気をつけろよ〜!」
・・・若干笑みを浮かべながら、「A」の文字がはいった軟球を、ワキタくんに
向かって投げ返したのでした・・・。
・・・たかだか中央線のドアを蹴る音から、こんなホロ苦い青春の1ページ
(?)を思い出させてくれるなんて・・・。
あの女子に感謝しなければ・・・

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