子どもの高校入学金を支払うため、今日お昼に近所の郵便局に学資保険の生存保険金を受取る手続きに行きました。
その手続き自体はすぐに終わったのですが、ふと後ろの掲示板を見ると「ロビー展開催中」の文字が・・・。
それは、某書道教室の生徒さんの作品展でした。
絵手紙風のものあり、カレンダーに好きな詩歌を記したものありで、興味深く見て回りました。
その中にひとつ、「ピン!」とくるものがありました。
思いもかけない人と出会い
思いもかけない人の手を握り
一期一会の喜びと
一期一会の悲しみをする
まさしくこれは私にぴったりの詩だ、と思って色紙を目を凝らしてみると隅に「真民の詩 幸子記す」とある。
お恥ずかしいのですが、その「真民」という方を私は知りませんでした。
で、ずっと気になっていましたので帰宅してすぐに調べましたところ、「坂村真民」さんという詩人の作品であること、昨年暮れ(12月11日)に享年97歳でお亡くなりになられていたことを知りました。
氏のHPを拝見させていただいて先程の詩には続きがあること、「念ずれば花開く」の詩も氏の作品であることを知りました。
素晴らしい詩歌を、いくつか繰り返し読んでみて、涙で目を洗ったような感覚になりました。
そして、「一期一会」 この言葉もあらためて調べてみました。
「茶会に臨む際は、その機会を一生に一度のものと心得て、主客と共に互いに誠意を尽くせ」という茶会の心得ですが、「一期」と「一会」ももっと辿っていくと「一期」は仏教用語で人が生まれてから死ぬまでの間を表し、「一会」は主に法要など一つの集まりや会合を表す言葉だそうで、どちらも仏教に関係の深い言葉で、とても興味深いものでした。
あらためて前掲の詩歌全篇を以下に示しておきます。
一期一会
思いもかけない人と出会い
思いもかけない人の手を握り
一期一会の喜びと
一期一会の悲しみをする
時には人ではなく
木であったり
石であったりもする
そして時には人よりも
木や石の方が
もの言わぬだけに
無限の感動を覚え
涙のにじむことがある
無常といい
永遠といい
命のやりとりのせつない尊さよ
詩:坂村真民
教職を退いてから詩歌作りに傾注していかれた「坂村真民」さんという詩人をもっと知りたくて、先ほど某書店に昨年暮れに発刊された
「坂村真民一日一言―人生の詩、一念の言葉 」(単行本) を注文しました。
今日たまたま郵便局に行ったこと、ふと後ろを振り返ったこと、その中にこの詩歌を記した作品を目にしたこと、まさに「ご縁」としか言いようがありません。
HPに、昨年暮れからの悲報に接した方々による書き込みをずいぶん拝見しましたが、心を癒されていた愛読者がいかに多かったかを知り、残念な気持ちでいっぱいになりました。

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