2005/10/31

紅葉の色(その不思議と仕組み)  日記(今日思うこと)

ボストンから、雪が舞ったと便りが届いた。街路樹のメープルリーフは、もう散ってしまったのだろうか?ボストン郊外のニューハンプシャーやバーモントの紅葉は、とても綺麗と聞いているが、私はボストン市内の街路樹の紅葉を見ているだけでも、かなり綺麗だと思った。不思議なもので、雑草等は特に日本と同じ又は、よく似た種類が分布している。道を歩いていると、日本国内にいるのと錯覚する程だ。ただ1つ違う景色が、メイプルリーフの街路樹である。日本のもみじと、樹自体、幹などは全く違うのだが、晩夏によく見ると、竹とんぼのような種子をつけていて、それは日本のもみじと同じような形をしている。日本でも明日から冷え込むそうだ。山々は緯度に沿って一気に色づいて来るだろう。
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今日はまず、紅葉の仕組みについて、素人ながら少し書いてみる事にする。その仕組みとは、光と葉の中の葉緑素による、光合成が深く関っている。まず、葉緑素が、太陽光で合成し、糖分(でんぷん)を作る。そして葉から茎(枝)へと流れているのだが、気温の低下と共に、その動きは鈍くなる。そして、葉の葉柄の付根の部分に、離層と呼ばれるコルク層が形成され、葉と茎の間で水や養分の流れが妨げられる。流れなくなった糖分は、葉に蓄積され、更に太陽光が当たる事により、赤い色素である「アントシアニン」が形成される。この赤は、日中が晴天な程、糖分が多産され、夜間冷え込むと糖分の流れを止め色素沈着するので、晴れた日で寒暖の差が激しい程、鮮やかになるのである。この時、葉の緑を司る葉緑素は、分解されてしまっている。
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また、黄色になる葉は、葉緑素が分解されて緑色が消えると、その葉が持っていた「カロチノイド」という黄色い色素が、目立って来る。この色素は、元々葉の中にあるのだが、葉緑素の緑が多い時は、目立たないだけなのだ。このように植物の種類により、その過程には個性があり、紫、赤、橙、黄というように様々な色が形成されるのである。
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そして、紅葉を美しいと思うのは、その緑と赤が、色彩的に補色にあたり、引き立てあう色だからである。補色とは反対色と言われ、絵の具を用いて混ぜ合わせると、お互いの色味を打ち消してしまい、淀んだグレーになってしまう色である。詳しい理由は、色にもそれぞれ波長があり、光を反射したり吸収していたりするからであるが、自然の中の営みとは、本当に摩訶不思議である。補色とは、美術でも習った「マンセル色相環」という図を見ると、反対側にある色でよく分かるのだが、その図を見なくても、ある色を30秒以上凝視すると、その残像として必ずとして補色が残る。例えば、赤色を凝視し、白い壁の1点に目を移した時、必ず緑の残像が残っている。この「色残像」とは、同じ色ばかりを見ていると網膜が疲れて、反対色が浮かんでくると言う現象である。また色は私達の日常に溢れていて、普段何も考えずに色に囲まれて生活しているが、様々な場所、分野で補色を使い、工夫されている事が多く、とても興味深い。

例えば
○相乗効果としての工夫
グリーンのサラダにトマトや赤ピーマンを乗せる事により、緑は、より緑に、赤は、より赤く、鮮やかさを増し、美味しそうに見せている。

○残像を消去する工夫
TV等でも見るが、手術室の内装や着衣を緑や青緑にして、血の色の残像である緑色をリセットする。
(50年以上前は、白だった為、多くの医師が壁や白衣を見て、緑の沁みが見えると報告していた)

○残像を現出する工夫
牛乳パックの青いラインは、青の補色であるクリーム色が残像として残る為、心理的に「濃い牛乳」をイメージ付ける。

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このように、色の事を考え、調べ始めると、夜も寝られなくなる程、面白くて難しい。でも、時に日常の中で意識すると、色によって、楽しめたり、反対に錯覚させられたりしている事も多く、部屋の中や街に出かけて、発見するのも、とても楽しい。。
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因みに、知り合いの弁護士さんの紹介で、何を間違ったか、私が講師になり、高校生を集めて勉強会をした事があった。その時、落ち葉を拾ってきて紅葉の話をした。その中に、たまたまアニメの絵が上手い子がいて、補色の面白さに興味を持ち、水彩画、油絵を描くようになった。その才能は素晴らしく、何とか大臣賞を取ったりした。もしも、彼が絵で食べて行くようになったら、少しは恩を売れるかな…と皮算用をしていたら、彼は、絵を描くのはあくまでも趣味で、弁護士になると猛勉強をし、今年の春、国立大学の法学部に合格してしまった。取らぬ狸とは、正に私の事であった。

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