2005/11/13

パレスチナの男子から、イスラエルの女子に臓器移植  日記(今日思うこと)

ヨルダンとイスラエルの国境にある死海は、普通の海水の約10倍、塩分含有量が35%と生物が住めない程、塩分濃度が高い事で、知られている。9月に閉幕した愛知万博では、ヨルダン館に設けられた死海の水で作ったプールに浮くアトラクションが大人気、連日長蛇の列が出来ていた。これでヨルダンまで行かなくても、死海の浮遊を体験出来たのだ。中東というと何となく、治安が悪いとか、中東戦争隣国のイメージが強く、観光には向かない気がするが、ヨルダンは、中東地区では有数の治安組織を持つとされ、「安全」をアピールし、首都アンマンには、大型高級ホテルも建設され、観光客を呼び込んで来ていた。
クリックすると元のサイズで表示します 白い建物が多く美しいアンマンの街

そのアンマンにある3軒の米国系高級ホテルが日本時間の10日未明、自爆テロの標的となった。これは、親米国である、ヨルダンの経済に、打撃を加える目的であろうと新聞記事は報じていた。ロイター通信によると、国際テロ組織アルカイダと連携する、ヨルダン人過激派、ザルカウィ容疑者率いる「イラク・アルカイダ機構」が、インターネット上で犯行を認めたという。「我々の最上のライオンたちがヨルダンで攻撃を仕掛けた」と宣言した。声明の信憑性は不明であるが、ザルカウィ容疑者は、ビンラディンに継ぐ、アルカイダ組織のNo2と言われ、イラクでのテロ黒幕とされて米軍などが行方を追っているのだそうだ。
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そんな暗くて、身の毛が弥立つような報道の中、今月3日、イスラエル兵に誤って射殺された12才のパレスチナ少年、アフメド・ハティブ君(12才)から、臓器移植を受けたパキスタン人、イスラム教ドルーズ派のサマ・ガドバンちゃん(12才)が、7日には意識を取り戻し、家族と話し始めているという…暗闇に一筋の光が照らされたようなニュースが届いた。アフメド君の臓器は、父、イスマイルさんの意思で、腎臓、肝臓、肺、心臓が摘出され、移植を待つイスラエル人、サマ・ガドバンちゃんら3人を含む、子供から大人までの6人へと、移植されていたのだ。
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イスマイルさんが、臓器提供を決意したのは、イスマイルさんの兄が肝臓移植のドナーを待ちながら24歳で亡くなっていたからであった。息子、アフメド君の文字通りの献身が「イスラエル人の中で、息子が生き続ける。イスラエル人とパレスチナ人の双方に平和を呼びかけるメッセージになればいい」とイスマイルさんは、悲しみを乗り越えて、話していたそうである。
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中東地区の話題からは、宗教争い、テロ、戦争という漠然とした暗いイメージがあっただけで、目を逸らしがちであった。また、報道も、大きな力が陰で動き、操作されている気がして、その信憑性には欠けると思う。しかし、この移植に関する報道を契機にして、複雑な問題が少しでも緩和され、人間同士としての暖かい思いやりの心が、湖に投げられた小石の波紋のように広がって行ってくれるように…と、願ってやまない。
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因みに、アンマンの自爆テロの首謀者とされる、ザルカウィ容疑者は医師の免許を持っているという。「人間の命のを救おう」と、志を立て、医術を学んだはずなのに…と、とても、残念に思った。同じ頃、イギリスでは、警察の権限強化を目指した「反テロ法案」が下院にて否決された。テロ犯には、憎悪を抱いても、力を力で持って制する事には、反対だという事だろう。聡いと感じた。小学校で習った「作用・反作用の原理」を、あくまでも、武力行使で!と、声を荒げる人達にも、思い出して欲しいと思ってしまった。
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