2006/2/28

トリノオリンピック閉会式を観ながら…  トリノオリンピック・パラリンピックに思うこと

トリノオリンピックが閉幕した。閉会式は、帰宅した慌しさの後、うかつにも眠ってしまいライブでは観られず、録画で観たが、金メダルを取った荒川選手は、アイスダンスの木戸選手に肩車されての入場だった。まさに大輪に咲く薔薇のような華やかさだった。しかし、野に咲くスミレの花のように楚々とはしているが、心を暖かくしてくれる笑顔も、そこにあった。カーリング女子の選手達の姿だった。前にも書いたが、カーリングは、髪の毛をカールするように石を投げる事から名付けられたといい、英国スコットランドが発祥の地である。凍った湖や池で楽しんだのが始まりで、あの「バベルの塔」や「大きい魚は小さい魚を食べる絵」(←この絵はボストン郊外の捕鯨博物館で観た)等で有名な16世紀の画家、ピーテル・ブリューゲルも、その作品「雪中の狩人」の中にも、カーリングに興ずる子供達の姿が描かれている。
クリックすると元のサイズで表示します 木戸選手の肩車で入場した荒川選手。

カーリングについては、日本に於いて馴染みも薄い為か誤報道も多く、長野オリンピックで初めてオリンピック競技となった…と報道しているメディアも多い。私もある方に教えて頂いて調べてみたが、何と、フランスのシャモニーで開催された1924年の第一回冬季大会で、競技が行われたという歴史を持っていた。伝統を誇り、経験がものをいうスポーツらしく欧米勢はベテラン揃いの強豪ばかりだった。「氷上のチェス」と呼ばれる程の戦略性と、布石を打ち、相手のストーンも利用するという緻密な計画が必要な頭脳ゲーム的な競技だという事を、日本国民に知らしめてくれた選手達だった。

ブリューゲルの絵に登場するカーリングを愉しむ景色クリックすると元のサイズで表示します

彼女達は、メダルこそ逃したが、昨年の世界チャンピオンのイギリス、強豪カナダを倒し、今回金メダルをとったスウェーデンを苦しめた。試合の後、小野寺選手は、零れる涙を拭う事もせず「多くの人に観てもらえた。それが金メダル以上の価値かもしれない」と話していた。正にその通りだと頷いてしまった。このトリノ大会…連日、眠い目をこすりながら観戦していて、前半は、手に汗を握った後、溜息をつく事が多かったが、彼女達の戦いぶりは、実に爽やかだった。日本ではマイナーなこのカーリングというスポーツに、間違いなくスポットを当てた「チーム青森」の選手達の笑顔だった。

涙も笑顔も、その戦いぶりも爽やかだったカーリング選手達。
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今回のトリノオリンピックも、テロ防止の為に、9000万ユーロ(約217億円)が投じられ、厳重な警備体制の中、進行された。幸い懸念されたテロもなく、ドーピングも少ないオリンピックだと、絶賛するメディアもあるが、実はその裏で商業化が加速し、聖火リレーの3分の1がスポンサー関係者という事実もある。その反発で、聖火リレーへの妨害も続いたそうだ。フィギュア会場を見ても、不思議に思ったが、その人気チケットも、スポンサー関係に優先配分された挙句、会場に現れず空席も目立つという現象も起きたようだ。オリンピック後の観光都市を目指すトリノ市としては、インフラ整備費を含め、予算不足が露出し、必然的にスポンサー頼りとなり、商業化に歯止めはかけられなかったという。

クリックすると元のサイズで表示します 閉会式・花火の競演

スポーツは、大会を開催する側も、プレイする側にも膨大なお金がかかってしまう。例えば、ようやくスポットを浴びたカーリングもストーンなど揃えると、百万単位になってしまい、とても個人では揃えられない。しかし、氷の上を歩く為のシューズは3万円弱。もし国や地方自治体が動いて会場と道具さえ整えれば、ウィンタースポーツの中では、老若男女を問わず、比較的お値打ちに楽しめる気がする。実際に東京都内では、明治神宮スケートリンクと、東大和市スケート リンクでカーリングスクールを実施しているそうで、現時点で公開されているスクールについては、既に締め切りの人気だそうだ。バンクーバーには間に合わなくても、更にその次へと長い目で見て、良い選手達が育ち、野に咲いた花のような「チーム青森」の選手達のトリノでの活躍が、語り継がれる事を願いたい。明日は、トリノオリンピックの解説者やその報道について…また、残念だった選手達にも触れながら思った事を書きたいと思っている。
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2006/2/27

スピンさんのフィギュア、観戦レポートより  トリノオリンピック・パラリンピックに思うこと

金メダルに輝いた、荒川静香選手の演技を生で観て来られた、スパイラルさんの従妹さんのスピンさんが、トリノのパラベラ競技場でのレポートを、コメント欄に下さいました。光栄でした。その内容がコメント欄では、勿体無いと思い、敬意を表して、記事の方に載せさせて頂きます。

クリックすると元のサイズで表示します 荒川選手・金メダル授与後の輝く笑顔

★フリー観戦後のメダルセレモニーと現地の新聞・TVのレポートより。


メダルセレモニーで静香さんが口ずさんでいた「君が代」は長野オリンピックの時に小沢征爾さんがフィギュア競技用に作ったそうです。長野では静香さんも良くなくて、小沢の君が代を聴けなかったけど、その静香さんのおかげで聴けた8年越しの「君が代」に感激しちゃいました。

一夜明けて、イタリアの新聞は殆んどが一面に静香さんの写真が出ていてビックリ! やっぱり、フィギュアはオリンピックの華なんだなぁと実感。テレビでも繰り返し静香さんのイナバウアーのシーンなんかが放映されていて、解説者がこんな事を言っていました。

「日本は最強の浅田真央を日本に残したまま、今日のエキシビジョン4人中2人を送り出す」

ムカッ!「好きで真央ちゃんを残してるんじゃないわよッ! アンタのとこのチンクワンタがダメッて言ったのッ」とつっこみを入れる私。でもね、安藤美姫さんが何度も失敗を繰り返した時に、励ましの拍手が起こったのは日本人の観客からじゃなくてイタリアの人たちからでした。

イタリアって国は、空港で給油する燃料が無くなって飛行機が何日か立ち往生するくらい、いい加減な所が多いけど、泥棒さんも多いけど、とっても優しい国ですよ。(燃料が無くなったのは「誰かが注文すると思っていて、残量を管理する人が決まってなかったからですって! オゥ、マンマミィヤ)

では、ほたるさん、また。 Ciao ciao

クリックすると元のサイズで表示します 煌く光の中、3回転を跳んだ荒川選手

★エキシビション観戦レポートより

この世界最高峰のアイスショーは、ゴールドメダリストに対して、最高の祝福と敬意とはらって始まりました。ホスト国のイタリアの選手では、やっぱりカロリーナが一番人気で、隣のイタリアおばさんが「あんた良く見なさい、かわいいでしょ」って感じで私をたたきます。

「あの娘は私のダンナのママの△□×▼・・・」
スピンの語学力では早口言葉は聞き取れません。

そして、ついに静香さんがエレガントに登場、拍手と歓声が一段と大きくなります。メダルセレモニーの時は少し戸惑いとはにかみの表情だったけど、この日は女王の風格と気品に満ちています。美しく、しなやかなスケーティングでフィニッシュ、アンコールにもすぐに応えてくれて見事なY字スパイラルから手を離し、そのままキープ!美しいっ!
余韻にふけっていると、イタリアおばさんのダンナが登場「素晴らしいッ!なんて美しいんだ。 かあさんの若い頃はもっとキレイだったけど□×△*※◎・・」似たもの夫婦でした。

次にジャージの上下っぽい衣装のタチアナ・マキシムペアのアンコールに、ストラディバリウスを携えたマートン登場。ニノ・ロータ「ロミオ&ジュリエット」で舞ったタチアナペアを前座にして、いよいよキングオブスケーターが現れました。曲はプッチーニの「トスカ」、マートンの変幻自在なヴァイオリンで舞うプルシェンコはまるでアドリブでスケーティングしてるみたい。似たもの夫婦も黙って見入る圧倒のステップでした。
バイオリンのマートン氏とプルシェンコ選手クリックすると元のサイズで表示します

そしてフィナーレ。イナバウアーで居並ぶメダリストの前を滑っていく静香さんにウットリ。
帰り際に、イタリアおばさんが「あなたと一緒に観れて良かったわ。シズカにおめでとうって伝えてね?」だって! え〜っ、知らないってば!
とどめは、おばさんのダンナが「今度、母さんの手料理食べに来てね、Ciao!」って、アンタんちはどこなのよぉぉ!
"VIVA ITALIA"でしょ? 

ほたるさんも是非イタリアに来てみてね!

Ciao ciao

クリックすると元のサイズで表示します フィナーレで手を振る選手達
荒川選手、村主選手、井上選手とボールドウィン選手の姿も見られる


スピンさん、そしてスパイラルさん、本当にありがとうございました。頂いたコメントには、お返事しています。ご判読下さい。by Hotaru.
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2006/2/26

☆コメントを残してくださる方へのお願い…  日記(今日思うこと)

コメントを残して下さる皆様へ…

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大変、お手数をおかけ致しますが、出来るだけ、
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どうぞ宜しくお願い致します。

勿論、ブログを御持ちの方で、URLを記載済みの方、
既に当方宛てに、メールを下さっている方は、現行通りで構いません。
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誹謗中傷、及び、当方の投稿記事の内容とは、関係ないと、
判断させて頂いた場合、ご本人のご承諾を得ずに、
削除させて頂く事もございますので、
悪しからずご容赦下さい。

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2006/2/26

フィギュア・エキシビションを観て  トリノオリンピック・パラリンピックに思うこと

華やか過ぎる程のスポットライトの元、オリンピックチャンピオンとして、荒川静香選手のエキシビションプログラムが始まった。金メダリストは忙しく睡眠時間が無くなり、演技の前には目が回りそうだったそうだが、ひとたび、リンクに上がると、フリーの演技時より一層輝いていた。仕事柄、結婚式にも携わっていて感じる事だが、やはり人を輝かせるのは、何よりも、多くの人の祝福の言葉だと思った。

クリックすると元のサイズで表示します 拍手が沸き起こったイナバウアー

また、井上玲奈選手・ボールドウィン選手のペアも、6位のペアが辞退した為、出演でき、楽しい演技と豊かな技術を見せてくれた。そして、スルツカヤ選手、病気を克服し続け、今も薬の副作用に悩みながら臨んだトリノ…。スルツカヤ選手に唯一無かったオリンピックの金メダル、その為に歩んできた4年間、しかし、本来の実力を発揮しきれなかった。私は、スルツカヤ選手が、本番では一度も転倒した経験がないらしいと聞き、ショックが尾を引くのではないかと、懸念した。だがリンクに立ったスルツカヤ選手は、零れるような笑顔を見せてくれた。その潔く明るい姿にも感動した。
クリックすると元のサイズで表示します 笑顔が爽やかで素敵だったスルツカヤ選手

やがて、ゴールドメダリストのステージとなり、荒川選手の出番となった。全日本選手権の時と同じプログラム、「ユー・レイズミー・アップ」。綺麗なヴォーカル曲に乗った大好きなプログラムだ。疲れから、ジャンプは一回に抑えたそうだが、ゆとりを持った優雅な滑走で、トリノの氷上に、滑らかな曲線を描いてくれた。フリーの時より長い時間の華麗なイナバウアー。更に、金メダリストだけに許されたアンコールでは、Y字バランスからの手を離すという、荒川選手独自のスパイラル。そして、フィナーレでは、再びイナバウアーの演技で登場した。魅せてくれた。鳥肌が立った。素晴らしかった。
アンコール時、手を離す独自のスパイラル クリックすると元のサイズで表示します

荒川選手には、今後も金メダリストとしての、忙しい毎日が続くだろう。マスコミの取材攻撃にも遭い、TV出演も多くなると思う。体に留意して欲しいと願うとともに、私は、この美しい残像のままに、メダルを手にした時の、奢る事無い謙虚な気持ちを忘れないで欲しいと思った。オリンピックという夢舞台で、女子フィギュア界の頂点に立った人として、その陰で涙を流した多くの選手達の想いも忘れないで…と願っている。
クリックすると元のサイズで表示します Edvin Martonの生演奏で滑ったプルシェンコ選手(連続ジャンプ4回転・3回転・2回転を披露してくれた)。
エキシビション・グランドフィナーレ クリックすると元のサイズで表示します
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2006/2/24

荒川選手・金メダル・おめでとう!  トリノオリンピック・パラリンピックに思うこと

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 荒川静香選手、冬季オリンピック・フィギュアスケート
     アジア人初の金メダル!

      おめでとうございます。


美しいという事=強いという事…改めて感じさせて頂いた。
荒川選手は、直前の滑走だったコーエン選手の演技は観なかったという。
他の人を意識しないで、自分のペースで滑った…
氷温が高いのか?全ての選手の滑走が、なんとなく重く感じた。
案の定、男子同様、ジャンプでの転倒や、ステップで躓く選手が続出した。

そんな中「トリノのリンクでは、平常心で演技出来た」
…と答えた荒川選手…それは、厳しい練習を重ねてこそ可能になった言葉だと思った。

24日、金メダリストとしての、エキシビションの演技…
大好きなイナバウアーの演技が観られると思うと、
嬉しくて今夜もまた、眠られない。

◎ヤフー・女子シングル決勝の得点票
http://torino.yahoo.co.jp/scores/event/figure/fsw010100.html
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2006/2/23

女子フィギュア・フリーの演技を前に思うこと  トリノオリンピック・パラリンピックに思うこと

トリノのリンクに立った、荒川選手は、とても美しく輝いていた。仕事柄、安藤選手・村主選手にも感じたが、メイクが全日本選手権の時と違いナチュラルメイクで、綺麗だった。長野オリンピックに出た頃「私って、無愛想なんです」と言っていた荒川選手、最初のジャンプは、3回転×3回転から。3回転×2回転に変更したものの、次の3回転ジャンプを成功すると、その後は始終笑顔を絶やさない演技だった。荒川選手は、2004年の世界選手権を最後に引退も考えていたという。無欲で臨んだその試合で優勝してしまったが、第一線を退き、念願だったアイスショーに出演した。しかし周囲の期待に辞める事もできず、流れに身を任せていた。モチベーションが保てなくなった荒川選手は、練習にも身が入らず、怪我もしてしまい、当然結果はついて来なかった。
クリックすると元のサイズで表示します一際輝いていたフィニッシュのポーズ。
クリックすると元のサイズで表示しますその後、競技生活を支援してくれた祖父が他界し、供養の為にと出場したNHK杯では優勝したが、やはり気持はフィギュアスケートから逃げていた。その結果、昨年の世界選手権では、9位となってしまった。しかし、この世界選手権が荒川選手を目覚めさせた。彼女が優勝した前年度の世界選手権で9位だったスルツカヤ選手が、原因不明の血管障害を克服し復活した姿を観て「後1年だけ、スケートだけにのめり込もう」と誓いを立てた。新採点法にも、苦しみながら取り組んだ結果、今回のSPでは、ステップ以外の要素点で全てレベル4を獲得した。特にスパイラルのレベル4の要素点+ジャッジの加減点1.29は、その得点の如く素晴らしかった。しかし、手に汗を握って観ていた私には、荒川選手の本来の滑らかさを少々欠いていたように見えた。フリーでは、加減点を更に上げてくれると信じている。
トリノのリンクに美しく舞った荒川選手クリックすると元のサイズで表示します
クリックすると元のサイズで表示します因みに女子SPは、2分50秒以内で、連続ジャンプ、ダブルアクセルと3回転のジャンプ、片足を腰よりも高く上げたポーズでのスパイラルの前向きと後ろ向き、コンビネーションスピン、ステップなど8つの要素をこなすというルールになっていて、失敗してもやり直しは許されない。高得点は60点が目安となるそうだ。そして、23日に行われるフリーでは、女子の場合4分間。@少なくとも1回の、アクセルジャンプを組み入れる事、A同じ種類の3回転又は、4回転ジャンプを取り込むのは2回まで。Bコンビネーションジャンプ、ジャンプシークエンスは、3度まで。そしてジャンプ合計は全部で7回まで等の規制はあるものの、それぞれの選手各選手が得意な要素を取り込む為、選手の特徴が最も表れる。得点の比重はSPよりも大きく、高得点の目安は、120点前後だという。
クリックすると元のサイズで表示します キス&クライで…SPの得点が出た瞬間の、安藤選手・村主選手・荒川選手。

荒川選手のフリーでの滑走順は、コーエン選手の後の21番目。SPの後のインタビューでも、「過信する事無く、マイペースで滑りたい」と答えていた。トゥーランドットの曲に乗り、予定のプログラムを最小限のミスに抑えれば、メダルは確実だと思う。フリーの4分間が短く感じられ、そして「もう1度観たい…と思われる演技をしたい」と言う荒川選手の言葉どおりの演技が出来るよう、祈っていたい。また、SPを殆どノーミスで滑り終え、4位につけた村主選手、体力が持つか少し心配だが、大技がない分、演技力でカバーし、ソルトレーク5位の経験を生かして滑って欲しい。安藤選手は、SPでミスして出遅れた分、フリーではプレッシャーが少なく4回転に挑めると思う。夢舞台は整った。全ての選手が失敗の少ないハイレベルな戦いでのメダルこそが、荒川選手の望むメダルだと私は信じている。さて、今夜は早く休んで、フィギュアフリーの時間に備え、私も体力を温存しようと思っている。

◎ヤフーHPによるSPの各選手得点表
http://torino.yahoo.co.jp/scores/event/figure/fsw010102.html

◎当ブログ内の関連記事

荒川選手、新採点基準への挑戦
http://diary.jp.aol.com/applet/hotarudesu/20060117/archive

コーエン選手、ツルスカヤ選手等、外国強豪選手について
http://diary.jp.aol.com/applet/hotarudesu/20060214/archive

開会式と、メダルを獲得した伊藤みどりさん・荒川選手について
http://diary.jp.aol.com/applet/hotarudesu/20060213/archive

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2006/2/22

カーリング女子・その涙と笑みの戦いぶりを観終えて…  トリノオリンピック・パラリンピックに思うこと

クリックすると元のサイズで表示しますオリンピックも終盤に入った。結局、出先でも毎日のようにTVに噛り付いてしまっているが、ここ数日、私の胸を熱くしてくれた競技、カーリングとその選手達について、書いてみようと思った。カーリングの起源は、5世紀の初期にスコットランドで始まったと言われている。ストーンがくるくると回転する(カール)しながら氷の上を滑っていくことから名付けられた。そしてこのスコットランドから北米大陸に移り住んだ人々がカナダにカーリングを広めた。カナダでは、子供が生まれると75日目の朝に「カーリング初め」といって石を触らせ、 7歳の誕生日には親戚中からカーリング用具一式を送る習慣がある。別名、氷上のチェスと呼ばれている程の思考を必要とする為、 小学校から大学までカーリングは必修になり、小さな村でも、教会とカーリング場は作られているという程、国民的スポーツになっているそうである。
クリックすると元のサイズで表示しますカーリング日本代表「チーム青森」左から、小野寺・林・本橋・目黒・寺田選手。
ところが、日本では、青森、長野オリンピック時に作られた軽井沢、そして今回、トリノへ出場した「チーム青森」のスキップ(主将)小野寺選手の故郷、北海道の常呂町にしかない。結局地方自治体の動きを待てず、長野で公開競技としてのスタート時、監督を務められ、現在カーリングの解説者として活躍されている小林宏氏(川崎市在住)が、山梨県山中湖村に自費、約1億3000万円を投じて、全シーズンを通してプレイ出来るカーリング場を造られた。これくらい、日本でカーリングを嗜むには、余りにも環境が整っていないのだ。何時だったか、カーリングのストーン製作シーンをTVで放映していて観た事があるが、その水を吸収しにくい花崗岩出来ているストーン(20キロ)は、因みにセット(8x2の16個)で、160万円するらしい。
クリックすると元のサイズで表示します 日本チームが勝ったカーリング発祥の地の強豪イギリスチーム。

カーリングに関らず、ウィンタースポーツには、お金がかかるのが当前のようにされているが、日本ではまだ馴染みのないこのスポーツには、なかなかスポンサーもついて居らず、小野寺選手も、ソルトレークオリンピックの後は、就職活動にも苦労したそうだ。そこで青森市が市民の生涯学習の一環として専用カーリング場を造るという話を聞き、ソルトレーク時の同僚の林選手と2人で、地元常呂町を離れ青森市の嘱託職員として、スポーツ会館の受付をしながら、このトリノを目指して来た。そんなひたむきにカーリングを愛し続ける彼女達を見ていた青森県、青森市、地元商工会が先頭に立ち、街頭募金で1000万円の遠征費用を集めてくれたからこそ、カナダでのチームの強化合宿も可能になり、今回のトリノ出場への運びとなったそうだ。
ブラシでスウィープする選手 クリックすると元のサイズで表示します
(イタリア戦)

さて「チーム青森」の戦いぶりは、前半の試合は落としたものの、試合をする毎に強くなって行ったような試合展開だった。結果は4勝5敗だったが、その4勝のうち、強豪のカナダ、そして2005年世界選手権1位のイギリスを破った2勝は日本をアピール出来て大きい2勝だった。今季限りで、引退をほのめかしていた、小野寺、林両選手も、最終戦スイスに対し、残り2エンドを残してギブアップの握手を求めた後の悔しそうな表情から、次のバンクーバーを目指してくれる気がした。このようにカーリングの試合をTV観戦していて、思った事は、まず単純にTVで観ている私には、カメラが真上からストーンの配置を写していてラインが判り易い感じがするが、選手達にとっては、ラインを読むのも容易ではないという事だった。そして、選手達がそのラインを読んだりしている間、相手チームは、決して邪魔をしたりしないで、むしろ、相手のベストを尽くしたプレーが出来るよう、静かに見守っている事だった。 カーリングもゴルフと同様、ゲームの主な目的は、競技者の相対的な技量を決定する事であるが、ゲーム中のプレイヤーの精神には、素晴らしいスポーツマンシップ、思いやり、高潔な態度を強く求めているスポーツだと感じた。このようなスポーツマン精神は、人格形成にも役立つ気がして、カナダが国を挙げて子供達にプレイさせるのも、解ったような気がした。

クリックすると元のサイズで表示します 勝利の瞬間、抱きつく選手達(右から小野寺選手・林選手・本橋選手)

さて、小野寺選手をモデルにしたカーリングの実話映画「シムソンズ」も、2月18日に公開され、出足好調だという。この映画や、トリノでの「チーム青森」の活躍ぶりを観た多くの子供を育てている立場にある方達や若者が、カーリングに興味を示してくれて、競技人口が増える事を祈りたい。そして、この人気ぶりを一過性とするのではなく、援助してくれるスポンサーも現れて欲しいが、実は、長野オリンピック以来、不利なルール改正に泣いてきた日本が、今後国を挙げて力を入れても良いスポーツではないか…と思っている。

○競技紹介アニメーション
http://torino.yahoo.co.jp/guide/event/curling/

○映画「シムソンズ」公式サイト
http://www.sim-sons.com/
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2006/2/18

フィギュアスケート…新採点法とシングル女子へのメダルの重圧  トリノオリンピック・パラリンピックに思うこと

トリノの現地時間、16日、フィギュアスケート男子シングルフリー決勝が行われ、ロシアのプルシェンコが、得点258.33と自己パーソナルベストであり史上最高点を更新する圧倒的強さで、金メダルを手にした。プルシェンコが殆どノーミスで演技を終えたのに比べ、後の選手は、ジャンプなどミスが目立った。ジャンプで転倒するとマイナス1点が加点されたり、ステップやスパイラルなど各エレメンツにも加点される新採点システムでは、旧採点システムに比べ、ミスのない演技をした選手がかなり有利と言える。この新採点システムについては、今までの投稿の際、コメント欄で、とてもご丁寧にご指導頂いたりしたが(是非コメント欄も読んで下さい)その違いや長所と短所を、まとめてみたいと思った。
クリックすると元のサイズで表示します 浅田選手のトリプルアクセル(コンビ)連続写真 (右⇒左へ) ・クリックで拡大

まず、旧採点システムと新採点システムの明らかな違いは、旧採点システムが、各選手の演技を観た上で「技術点」と「芸術点」のそれぞれに「6.0」点を満点とした点数を出し、更にそれまでに滑った選手に対して、順位をつけるという、『相対的』なシステムであったのに対し、新採点システムでは、演技中に各エレメンツの一つ一つをジャッジ達が評価し、芸術点を出す為、その選手の滑走順位に関係なく、演技に対して『絶対的』に数値化出来るようになった事だ。旧採点システムでは、SPで順位を下げてしまうと、フリーでは、早い順番での滑走となる為、に素晴らしい演技をしても、印象も薄れがちで、最終成績に反映されにくい…という難点があった。反面新システムでは、最終順位もSPとフリーの得点の合計となるので、各選手本人のその大会での2つの演技の総合的評価が反映され、公平性は強くなったと言えよう。

では、その新採点システムの旧採点システムに対する長所を列挙してみよう。
★絶対的な評価
先にも述べたが、各選手の絶対的な評価が出される為、滑走順に左右されにくい。大会毎に出場選手のレベルがバラバラであっても、得点を見れば、その選手がどの位の演技をしたかが、理解できる。
★大逆転も可能に…
選手の実力が均衡した大会では、SPの順位が下がってしまっても、得点差が小さければ、フリーで一気に順位を上げる事が可能。例えば2005年の「スケートカナダ」でも男子シングルのエマニュエル・サンデュ(カナダ)は、SPで6位からフリーで1位になり大逆転優勝している。
★プロトコルで復習できる。
演技後には、「国際スケート連盟」などのサイトに「プロトコル」と呼ばれているジャッジの採点表が掲載される。それを見れば、各選手がどのジャンプを跳んだのか?スピンやステップは、どの程度と認定されたのか、知る事が出来る。選手達はこれを見て、強化する部分を見直したり、ファンは各エレメンツのレベルを確認したり、演技後もなかなか楽しく振り返る事も出来、マニアックな時間を過ごす事ができる。

では、反対に、短所を挙げると…
★ジャンプの二重減点があり、高難易度ジャンプへの挑戦が厳しくなった。
予定していた回転数より、4分の1以上少ないまま着氷してしまうと、そのジャンプは予定よりも1回転少ないジャンプと認定されてしまい、また、そのジャンプの着氷が乱れると、各ジャッジからマイナスの評価を受けてしまう。例えば4回転トゥループを3回転と4分の3以下で着氷してしまうと、そのジャンプの基礎点は「3回転トゥループ」とされ、更にその点数からマイナスされてしまう。この為、勝つ為には不確実な難しいジャンプを跳ぶより、クリーンに着氷出来るジャンプを選ぶ選手も少なくない。
★選手のオリジナリティが薄まる傾向
各エレメンツに、この演技とこの演技を入れたらレベル幾つかと、細かく設定されている事もあり、スピンやステップなど各選手のオリジナリティの出し易いエレメンツでも、加点されるエレメンツを選択する為、少々似通ったエレメンツで構成している事が多くなった。


また新採点システムでは、演技が絶対的に評価される為「パーソナルベスト」という新しい概念が生まれる事となった。世界のトップクラスの選手や、応援する選手のパーソナルベストを記憶して置けば、観戦も楽しみが増える。これによってプルシェンコのように「史上最高点」更新という認識も生まれる事になった。以下、フィギュア女子の国際大会に於ける史上最高点と、日本人各選手のパーソナルベスト。

イリーナ・スルツカヤ  198.06点  史上最高点
▼日本人選手
浅田真央         189.62
荒川静香         182.19
村主章枝         182.08
安藤美姫         172.34
恩田美栄         166.80
中野友加里        161.82


尚、旧技術点は、総要素点(TES)と呼ばれ各エレメンツに得点が決められており、旧芸術点は、総構成点(PCS)と呼ばれて、1,Skating Skills (スケート技術)2,Transitions (要素のつなぎ) 3,Perfomance/Execution (演技力) 4,Choreogrphy(振付け) 5,Interpretation(曲の解釈)という5つの視点から10点満点で採点される。詳しくは、HP『フィギュアスケート資料室」をご参考に。
http://www.geocities.jp/judging_system/

今一歩メダルに届かない日本選手団、女子フィギュア選手にかかる重圧は、益々大きくなった。私としては、今だ浅田真央選手がいてくれたら…という気持ちが抜けきれないが、各選手がベストの演技を出し切れるよう、応援しようと思っている。浅田真央選手のトリプルアクセルの連続写真が手に入ったので、最初に添付して置いた。まったくもって、未練がましいが…。
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2006/2/17

しばらく、自宅を離れ……  日記(今日思うこと)

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いつも、拙宅に来て頂き、誠にありがとうございます。
今日17日から、一週間程、岡山、神戸、大阪方面へ出張を兼ねて、旅行に出ます。
PCは持参しますので、出来る限りUPしますが、毎日は出来ないと思います。

今まで、UPがない際には、心配してメールを下さった方々、ありがとうございました。
とても暖かい御心遣い、大変嬉しく、本当に感謝しています。
今回は、念願だった温泉にも行き、英気を養って来ます。
今後共、どうぞ宜しくお願い致します。クリックすると元のサイズで表示します



 オリンピックも、中盤に入りました。残りの種目、頑張れ!日本!  

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2006/2/16

フィギュア選手のプログラム楽曲と振付師  トリノオリンピック・パラリンピックに思うこと

女子フィギュアの荒川静香選手が、年明けのオリンピック合宿終了後に、フリーの曲をショパンの「幻想即興曲」から、2004年世界選手権で優勝時の使用したイタリアオペラの傑作「トゥーランドット」に変更した事は、周知の通りだが、今度は、SPの曲を、フリーで使用していた「幻想即興曲」を編曲したものに変更し、14日、国際スケート連盟に届けたそうだ。今季SPに使用していたピアノ曲は、前半の旋律が単調で表現に苦しんだ為、盛り上がりのあるショパンの重厚な音楽にしたようだ。フリー変更した「トゥーランドット」は、トリノオリンピック開会式で、3大テノールの1人、パバロッティが歌った事もあり、荒川選手も「この運命的な偶然を追い風にしたい」と話しているという。
クリックすると元のサイズで表示します 荒川選手独自のY字から手を放すスパイラル。
クリックすると元のサイズで表示します さて、このように選手達が滑走する為の音楽は、ジャッジが意味を把握しきれないからと、ボーカルが入っている曲は禁じているが、後は決められた時間内に編集できれば、特に決まりは無く、クラッシック、映画のサントラ盤、ミュージカル、ジャズや、ロック等、様々なジャンルから選ばれて使用されている。その選曲は、コーチ任せにする選手もいれば、自分で選ぶ選手もいるようだ。フィギュアスケート界では、人気の曲、その年の流行の曲というものがあり、現在はマキシムや、クラッシック音楽を現代風にアレンジするアーティストの人気が高いようだ。その為、一試合の中で「マキシム」の曲が何度も流れるという事も多く、定番としては、ラフマニノフ、プッチーニのオペラ、カルメンやロミオとジュリエット等があり、毎年沢山の選手が使用するそうである。
イナバウアーが編み出した同名の技 クリックすると元のサイズで表示します
クリックすると元のサイズで表示します 実業之日本社発行、「日本フィギュアスケート」のアンケートよると、現役日本人選手のプログラムで好きな選手と曲の組み合わせとして、1位を獲得したのも、2003年から2004年にかけてフリーに使用された、荒川選手の「トゥーランドット」で、「トゥーランドット姫は、正に、はまり役。技術と芸術の融合を感じた」「よく使われる曲だが、荒川選手が滑るとこうなるのかと感動した」「イナバウアーに鳥肌が立った」という意見があった。振り付けは、アレクセイ・ヤグディン(ロシア)が金メダルを獲得したソルトレークオリンピックのプログラム等、多くのメダリストの曲を担当した振付師であり、また荒川選手にとって現在のコーチでもあるニコライ・モロゾフ氏である。
クリックすると元のサイズで表示します2位以下の好きな選手とその曲の組み合わせは……、

☆2位…浅田真央選手 「くるみ割り人形」 ・振り付け/ローリー・ニコル
☆3位…高橋大輔選手 「ラフマニノフピアノ協奏曲2番」 ・振付け/ニコライ・モロゾフ
☆4位…太田由希奈選手 「トゥーランドット」・振り付け/トム・ディクソン
☆5位…村主章枝選手 「月光」・振り付け/ローリー・ニコル
☆6位…村主章枝選手 「ピンクパンサー」 ・振り付け/ローリー・ニコル
☆7位…本田武史選手 「アランフェス協奏曲」・振り付け/ローリー・ニコル
☆8位…高橋大輔選手 「ロクサーヌのタンゴ」・振り付け/ニコライ・モロゾフ
☆9位…中野友加里選手 「ムーランルージュ」・振り付け/マリーナ・ズエワ
☆10位…織田信成選手 「座頭市」 ・振付け/デイビット・ウイルソン


クリックすると元のサイズで表示します 全日本選手権エキシビション後、参加選手全員で円を組んで滑走するシーン。
クリックすると元のサイズで表示します また、ここに登場する2人の振付師について少し調べてみた。前記した荒川選手のコーチでもあり、振付師のニコライ・モロゾフ氏は、ロシア出身で、自身もアイスダンサーとして選手生活を送った。アメリカのサーシャ・コーエンなどトップ選手の振り付けを担当している。振り付けだけでなく、容姿にも気配りし、高橋大輔選手を強制的に美容院へ連れて行ったという逸話も残している。また、ローリー・ニコルさんは、アメリカで女子シングルのスケーターだった。アメリカのミッシェル・クワンの振付師としてその名前を上げた。選手たちにモダンバレエを習うよう薦め、単に振付師としてだけでなく、その考え方や価値観に大きな影響を及ぼしている。
クリックすると元のサイズで表示します 銀板に舞う選手達、流れる曲、振り付け、全てが一体になり芸術の域に達したその世界を楽しみたいと思う。16日の男子フリー。女子は、21日SP、23日のフリー。トリノのパラベラ競技場に、どんな曲が流れるか…それも楽しみの一つである。
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