2007/3/25

世界フィギュア…安藤美姫優勝!と浅田真央の逆転劇に思う事  フィギュアスケートと浅田真央選手

世界選手権…オリンピックのない年にとっての最高峰の試合。各種目とも、各国最大3人(3組)しか出場出来ないという、出場する選手にとっては大変名誉な大会である。更にこの大会の選手の順位によって来季の出場枠(オリンピックがあればその枠も含む)が決まる為、国を背負うというプレッシャーも、大いにかかる大会だ。この大会の歴史は、1896年、ロシアのサンクトペテルブルグで第1回が開催され、100年以上の歴史を持つ。その回数は戦争等で一時中断がある為、今大会が97回大会となった。
クリックすると元のサイズで表示します 金メダル…安藤のスパイラル。
(3人のスパイラル写真のご提供はスピンさん。クリックで拡大します)


種目は、第1回目が男子シングルのみ、第11回から女子シングルが、第13回からペアが加わり、第43回からアイスダンスが加わって、現在の4種目体制になったという。ペアでは出場選手が少ない事から2000→2001年シーズンに予選が廃止されたが、この東京大会から男女シングルでも予選は廃止される事となった。よって少しのミスが勝敗を大きく分け、勝負の行方が予想つきにくくなり、更に緊張感溢れる大会になったと言えよう。

そんな流れの今大会で、まず高橋大輔が、日本男子シングル初の銀メダルを獲り、アイスダンスの渡辺・木戸組も自己最高15位を獲った。女子シングルも続けとばかりに、そのプレッシャーは、優勝候補と言われていた選手達に重く重く圧し掛かった。浅田真央は、フリー当日の公式練習では、昨日のSPの失敗を引きずったように、ジャンプの調子が上がっていなかったという。何といっても未だ16才…このまま押し潰されるのだろうか?と誰もが不安を抱いただろう。実際、FSの最終組の選手は、カロリーナ・コストナー、エメリー・ヒューズ共に3回転×3回転の大技に挑み転倒するミスが連鎖した。SPをパーフェクトな演技の史上最高点で終え、このまま他の選手を寄せ付けないか?!とも思われた金・ヨナでさえ、3回転ジャンプで2度も転倒してしまった。
銅メダルのキムのスパイラルクリックすると元のサイズで表示します

浅田は、今季本格的にシニア参戦する為、練習の拠点をアメリカに移し「真央は放って置くと、一日中でも練習している」と、アルトゥニアンコーチと、姉の浅田舞が声を揃えて言う程、練習に没頭し、1日7時間以上滑る事も珍しくなかったという。更に筋肉トレーニングやランニングも毎日欠かさず、この1年間は、フィギュア漬けの日々だった。その集大成のようなフリーの演技…。冒頭は、緊張で表情も堅く、3アクセルは僅かにエッジが着いて、両足着氷の判定となってしまったり、次の2アクセル×3トゥーループが、ダブルになって乱れたが、その後完全に建て直して、SPで失敗した3フリップ+3ループを決めると波に乗り、笑顔もこぼれた。そして最後の連続ジャンプ、3ルッツ+2ループ+2ループを決めると軽くガッツポーズ。ラストのフライングシットスピンでは、レベル4も獲得し、フリー史上最高点を叩き出した。
クリックすると元のサイズで表示します 銀メダル浅田の笑顔のスパイラル。

演技の後の大粒の涙は、インタビュールームまで行っても止まらなかった。SPの後、強気の発言をしてしまったので、「辛くて苦しかった」と、嗚咽を堪えながら答える姿に『有言実行』の責任感ある強さを持ち備えた少女なのだと感じた。そして、昨季、優勝確実!とまで言われて臨んだ世界Jr選手権で、金・ヨナに破れ2位となったあの時からこの世界選手権まで、紆余曲折しながら、駆け抜けて来た語り継がれるべき1年間の浅田真央の軌跡は、彼女のスケート人生に於いて、ほんのプロローグに過ぎない事を、今しみじみと感じ、今後も私達を楽しませ、励まし続けてくれる演技の為に、彼女は、その青春の全てを氷上に懸けてくれると確信した。
クリックすると元のサイズで表示します演技の後、ガッツポーズの浅田。
(Photo...時事通信より)


一方、トリノオリンピックの広告塔としてメディアから奉られた挙句、惨敗した途端に、どん底に突き落とされたような屈辱を味わった安藤美姫も、今季復活を懸けて滑り込んで来ていた。だがスケートアメリカで好調なスタートを切るも、怪我が多く苦しんだ。4回転サルコーに挑む為に履き替えた靴も足には合わず踵の痛みは続き、今大会直前にも痛み止めを打っていたという。フリーでは、4回転ジャンプを封印した事には、少し残念な気がしたが、終わってみれば浅田真央との差は僅か0・64。堅実策を指示したモロゾフコーチの作戦勝ちと言える。それにしても今季、SPの演技は全ての大会でほぼノーミス。トリノ前のマスコミの取材に「オリンピックが終わったら結婚する」と言っていた時の安藤とは別人となっていた。安藤には、世界女王としての品格を向こう1年間保ち続け、浅田真央とともに、日本フィギュア界をリードして行って欲しいと願っている。(敬称略)

※スピンさんから頂いた貴重な写真は、まだ何枚かありますが、改めて掲載させて頂きます。
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