2007/5/11

松坂大輔…背水投球から先発投手として安定感ある投球へ  Boston Red Sox・MLB

現地時間の9日、ボストン・レッドソックスの松坂大輔は、カナダ・トロントで行われたブルージェイズ戦に先発した。松坂は前回、ホームで行われたマリナーズ戦で、負け投手にこそならなかったものの、5回を投げて7失点、その試合までの3試合の合計が17失点と、何か自分のペースを掴めていない感じだった。そんな中「ヤンキースの井川慶がマイナーで調整する」というニュースも届き、もしブルージェイズ戦でも制球に乱れが出て、大きく失点する事があれば、先発ローテーションから外されるかもしれない?松坂にとって背水の登板となる気がしていた。
クリックすると元のサイズで表示します 冷静な投球で安定していた松坂。
(後ろ向きは、リードする捕手・バリテック)


皮肉な事にも、ブルージェイズの先発投手は、単身でアメリカに渡り、レッドソックスのマイナーからスタートして這い上がり、先日メジャー50勝を達成した…ゼッケンは同じ18番の大家友和…。地元のボストンで一球も投げていない頃から「DICE-Kが、アメリカンリーグ優勝、そしてワールドシリーズ制覇の為にやって来た」と騒がれ、ゼッケン18番のTシャツは売り切れ続出という前代未聞の熱狂振りだった松坂とは、対照的な相手投手だった。日本のメディアは、史上4回目、5年ぶりの日本人投手対決!と騒ぎ立てていたが、松坂にとっての戦いは大家とではなく、正に自分自身との戦いになるであろうと思いながら、私はTV観戦し始めた。

前回の登板後から「調整法を西武時代の自分のペースの戻す」と話していた松坂は、6日にはブルペンで、開幕後では最多、メジャーでは異例の109球を投げ込み、少しずつ自分が納得の行く球を投げられるようになっている…と今朝の中日新聞が報じていた。私は少し安堵したが、立ち上がりと今まで一番点を取られていた回…4回から5回にかけては、息を殺すように観てしまい、結局7回の投球を見届けるまで、心臓は鼓動を高めたままだった。

前回の登板時から思っていたが、メジャーリーグの先発ローテーション投手に、求められる条件と、松坂の日本で投げていたペースが、まだ合っていない気がしていた。メジャーの先発投手の条件とは、7イニングを投げ、110球以内、3失点で、この条件を「クオリティスタート」と呼んでいるという。メジャーでは、勝ち星を重ねる事も勿論大切だが、チームにとっては、この「クオリティスタート」を1年間続ける事が、先発投手の最高の仕事だと言われているのだ。よって野球をこよなく愛しているボストンのファン達は、松坂にノーヒット・ノーランの投球を求めている訳でないと言えよう。その証が、先のヤンキース戦で5失点しながら8回まで投げた松坂がベンチに下がる時、観客は、スタンディングオベーションと拍手で迎えた事に表れている。松坂はその時、自分への拍手だとは思わなかったらしい。
修正されたという投球フォーム。クリックすると元のサイズで表示します
 
この試合後の松坂は「まだ本調子ではない」と、NHKのインタビューを辞退したが、その後で「若干、投球フォームを修正して臨んだ。…中略…自分の納得の行くレベルではないが、ここ数試合よりは多少改善されていると思う」と語ったと言う。フランコナ監督も「今日(9日)の松坂の投球は観ていて楽しかった」と答えたそうで、信頼を回復して来ていると思った。松坂の変化は、私には、フォームの変化とかいう詳しい事までは分からなかったが、マウンドでも冷静で、投げ急ぐ感じが無かった。打線の援護もあって、その冷静さを保てたように感じた。

そして松坂は、験(ゲン)を担いだ訳ではないだろうが、口髭を伸ばしており少し容貌が変わっていた。全く根拠のない発想ではあるが、前日に投げ、開幕以来7試合負けなしで、投手だったべーブ・ルースの8試合連続勝利というレッドソックス記録を塗り替えようとしている、同じ年のジョシュ・ベケットにアドバイスされたのでは?とも思ってしまった。また、NHK解説の大島によると「トロントのマウンドの角度も合っているようだから、フェンウェイへ戻った時、この角度に調整するよう注文すれば良い」との事だった。メジャーのホームでの先発投手にはそんな特権も与えられているのか!と驚いたが、松坂は、これまでとにかくホームでの失点が多く、開幕前から期待が大きく、動員数を塗り替える程に詰めかけた、地元ファンのフラストレーションは蓄積している。だからこそ、今度はフェンウェイパークで、今回のような投球を見せて欲しいと願っている。
クリックすると元のサイズで表示します伸ばした髭も頼もしく見えた松坂。
(写真は、全てyahoo photoより引用)


◎箸休め
それにしても、松坂が投げる時は、必ずと言って良い程、ホームランを打つマニー・ラミレス。何時にも増して綺麗なスウィングだった。更に今回は、マリナーズ戦で失策して(松坂に)申し訳なさそうにしていたフリオ・ルーゴ、そしてビックパピーことデビット・オルティースらドミニカ勢がホームラン攻勢で松坂を後押した。私としては得点差が大きくついた為、岡島秀樹の登板…うつむき投法?が見られなくて残念だったが、松坂が登板を終えベンチに戻って、オルティースと拝み合っている姿を見た時には、嬉しくて思わず涙が出そうになった。(文中、敬称略)
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