2006/7/5

W杯、準決勝…イタリア対ドイツ戦(親友中田選手に贈るゴール他)  サッカー&ワールドカップ・ドイツ大会

ドイツにとって魔の時間が、延長戦の終了間際にやって来た。後少し、後僅かの時間、守りきれば、PK戦に持ち込める。PK戦になったらドイツが有利だろう…。日本時間の5日未明、固唾を飲んでTV観戦をしていた私も、PK戦になるだろうと思っていた。ところがイタリアの思わぬラッキーボーイが、まず延長後半14分、1本目のシュートを決めた。ファビオ・グロッソ…イタリアの28才のディフェンダーだった。この選手は、決勝T、1回戦のオーストラリア戦で、トッティが決めたPKを得た選手だった。このPK判定には疑惑があった。スローVTRで観ると、オーストラリアのDFは、グロッソに触れていないようにも見え、グロッソのシュミレーションではないか?とドイツメディアは、「寄生虫」呼ばわりしていた。しかしそのバッシングを一蹴するかように、グロッソは、試合開始後119分、コーナーキックを浮けたピルロからのパスをドイツのGK、レーマンが止められないのは「もう、ここしかない!」という位置に打ち込んだ。
クリックすると元のサイズで表示します 決定打となったグロッソのシュート。

グロッソは、今大会、190cmという身長を生かした守備力を買われ、リッピ監督はデイフェンダー・左サイドバックとして起用した。所属していたクラブ、パレルモのポジションではMFだった。イタリア代表の中盤にはトッティやピルロを始めとするスター選手が揃い、出番がなかなかまわって来ない故の起用だった。日刊ゲンダイによると、イタリアの現地サッカー記者は、グロッソの事をこう語ったという。「とにかく、よく走るスタミナ満点の選手。若干、スピードには欠けるが、疲れから後半になると足が止まる選手が多い中、先発しても衰えが無い。監督の信頼も厚く、精神的なタフさがある」。来季からセリエAのビッククラブ、インテルへ、DFとしては破格のオファーでの移籍が決まっているそうだ。リッピ監督に見出されて、イタリアの頑強なDF『カテナチオ』(閂…かんぬき)に起用されたグロッソは、そのリッピ監督の目の前で、恩返しを果たした。
喜ぶグロッソ(中央)とデルピエロ(右) クリックすると元のサイズで表示します

また、121分、試合終了直前のロスタイムに追加点を入れた、デルピエロは、先日の引退表明で日本サッカー界を揺らした中田選手の、元同僚であり、親友でもあるそうだ。プロレス好きで親日家のデルピエロは、頻回に中田選手と食事会をしたほどの仲らしい。デルピエロ所属のユベントスは、同日、セリエAで発覚した不正疑惑に関連し、イタリアサッカー協会の規律委員会が、ユベントスの三部リーグへの降格を申請したばかりだ。監督のリアルマドリー移籍にも伴って、有力選手のユベントス離脱が噂されている。そんな中、デルピエロ自身は、「ユベントス残留」を表明しているという。イタリア代表としては、トッティらの台頭により控えに甘んじる事が多く、この日も途中出場で少ないチャンスを生かした。様々な思いを込めたこのゴールは、ドイツを去った親友・中田選手に届け…とばかりに放ったシュートだったに違いない。

一方、2大会連続の決勝進出を逃したドイツだったが、地元開催の責任を充分に果たすべく、今大会を盛り上げてくれていると思う。この試合も前後半、延長戦に渡って、バラックを中心に中盤を支配し、イタリアの多彩な攻撃の目を摘んで来た。大会前、不安視された若いDF陣も落ち着いたボール処理でゴール前を守った。そして何と言っても、守護神・レーマンの活躍が光った。試合中、決定的なイタリアのチャンスに、NHKのBS解説者が「また、レーマン、またレーマンに阻まれました」と何度も叫ぶシーンがあった。レーマンのプレーには、欧州チャンピオンズリーグで、所属チーム、アナーセルを準優勝へと導き、あのカーンを押しのけてレギュラーになった自信が漲っていた。今でも目を閉じるとレーマンの好守の数々は、その一つ一つのシーンが浮かぶ程に、目に焼きついている。
クリックすると元のサイズで表示します 奮闘空しく破れ、項垂れるレーマン。

今大会のドイツは試合をする毎に、チームとして、まとまって来たように思った。前評判はけっして高くなく、その内部事情は、複雑だった。この試合先発した2トップのポドルスキとクローゼは、共にポーランド出身。オドルコンらアフリカ出身の選手もいる。主将のバラックは、旧東ドイツ出身で、『多国籍軍』とも報じられ、主力となる旧西ドイツ選手らとの溝が埋まっていないとされていた。しかしドイツは、東西の力を結集して開催された今大会の成功を物語るような活躍だった。試合後、ピッチに倒れこむ選手達一人一人に声をかけて励ます、クリンスマン監督の姿が印象的だった。クリンスマン監督は、インタビューでこう答えた。「…前略。大会を通じて、情熱的で攻撃的なプレーを続けたチームを、誇りに思っている」。是非3位決定戦でも、進化し続けるドイツチームの姿を観たいと思っている。
1人1人の選手に声をかけるクリスマン監督クリックすると元のサイズで表示します

◎追記
この試合、第4、第5審判として登場した、日本の上川氏と広嶋氏の姿がTVの画像の中に映し出された。主審として笛は吹けなかったものの、とても名誉な事と感動した。日本のメディアでは、予め彼らの情報について、皆無だったのは残念だが、この経験を日本サッカー界に反映して欲しい…と願っている。
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