2006/7/6

W杯、準決勝・ジダンとフィーゴ…ライバルの存在に思う事  サッカー&ワールドカップ・ドイツ大会

試合終了の瞬間、ジダンは、かすかに微笑んだ。チームメイトがジダンを取り囲んで祝福の輪が出来た。スタンドのファンからは、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が流れ「シズー」(ジダンの愛称)コールが起きた。そして流れて来た「オーシャンゼリゼ」の曲を聞きながら、ジダンは、元レアルの盟友でありライバルでもあった、ポルトガルチームのフィーゴの元へ向った。フィーゴとは、互いにキャプテンとして、試合開始前にも健闘を誓い合った。傍に行くと、フィーゴがジダンを抱き寄せ、何かを囁いている様子だった。ジダンはフイーゴの背中をポンポンと叩き、ユニフォームを交換すると、そのままフィーゴのユニフォームを着て、観客席の方角に向って歩き出した…それは正に威風堂々とした姿だった。
クリックすると元のサイズで表示します フィーゴのユニフォーム姿のジダンとドメスク監督。

準決勝のフランス対ホルトガル戦は、両雄譲らず0対0のまま、前半33分、フランスのFW、アンリが、自陣のペナルティエリアで、ポルトガルDFのカルバーリョに足をかけられて倒され、PKを得た。そして、ペナルティスポットに向ったのはジダン…。ポルトガルのGK、リカルドは準々決勝のイングランド戦で、大会新記録となるPKのセーブを3本成功させていた。それでも臆せずジダンは短い2歩の助走を取り、シュートを放った。リカルドも反応したが、ボールはゴール左へと突き刺さった。結果この得点が決勝点となった。ジダンにとってA代表107試合目のこの得点は、記念すべき30得点目になった。既にイエローカードを1枚持っているジダンは、もう1枚出されると次の試合に出られなくなる。しかし、そんな恐れなど微塵も感じさせず、攻撃だけでなく、守備に於いても体を張ってゴール前を守り抜いた。
互いに讃えあう、ジダンとフィーゴ。 クリックすると元のサイズで表示します 

振り返ると昨年初秋、代表引退をしていたジダンは、ビエラとマケレレから、復帰を要請され、DFのティラムと共に、「レ・ブルー」(フランス代表の愛称)のユニフォームに袖を通した。自分達を慕ってくれるチームメイトの気持と、フランスのW杯出場も危ぶまれるピンチに、復帰を決意したのだ。2人はこの大会を最後に現役引退を決意しているが、一試合一試合重ねて行くうちに、成長していくチームにあって、結局最後の試合までピッチに立つ事が可能となった。昨秋、ジダンが代表復帰すれば自分が控えになる可能性が高くとも、自分よりチームの事を優先し、ジダンに復帰を依頼した、ビエラとマケレレの心根も讃えたい。そしてこのポルトガル戦、MOM(マンオブザマッチ)に選ばれたのは、ジダンと共に復帰したティラムだった。特に後半、ポルトガルの猛攻を防ぎきった功績が評価されたのだ。ティラムは今大会中、W杯最多出場を更新し続けている。
クリックすると元のサイズで表示します ジダン不在中キャプテンを務めたビエラと、感涙にむせぶティラム。

ティラムは、チームの決勝進出決定と、自身がMOMに選ばれた喜びを「代表へ復帰して良かった。34才の私が、W杯を見てその美しさに感動している10才の子供のような気持になっている。決勝戦は今大会が始まる前からの目標だった。」とインタビューで語っていた。更に「決勝の舞台には、夢がある。だから逃したくなかった。もし逃していたら悪夢になっていた」とも語った。8年前の優勝に貢献した、試合運びのコンダクター、ジダン。そして、守備の番人、ティラム…。2人は既に4年前の屈辱を晴らし、決勝戦へと駒を進めた。そして2人の有終の美は、決勝戦の地、ベルリンで、その集大成として飾る事となった。

また、前記した2人と共に、8年前の優勝を経験しているGKのバルテスもここに来て、神がかりな守備を披露した。後半33分、FKを得たC・ロナウドは、不規則な回転をかけてゴール前に飛ばした。そのボールはゴール前で急降下する魔球のようだった。咄嗟にバルテスは、バレーボールのようなレシーブ体勢ではじき、つめていたフィーゴの強襲もバーの上に逃れた。蹴ったC・ロナウドも、ヘディングで反応したフィーゴも見事だったが、バルテスのセーブにも魅了された。しかし、このバルテスも代表入りはしていたものの、昨年2月の親善試合でモロッコの審判に唾を吐き、6ヵ月の出場停止処分になって居り、その間代わりにゴール前を守ったクペが、W杯予選4試合を1失点で切り抜け、国内の評価を高めてしまった。
試合終了後、歓喜のバルテスクリックすると元のサイズで表示します

その後はドイツの「レーマンとカーン」のように正GK争いを繰り広げて来たのだ。フランス国内のサッカー誌のアンケートで、支持率はクペが上回り、正GKにドメスク監督の指名後は、ミスをする度に酷評を受けて来た。だが、逆風を受ける事で強くなったバルテスは、経験に打ち出された落ち着いたセービングで、世界の頂点へ後1試合までと迫った。バルテスはクペから「一緒に頑張ってW杯で勝とう」と励まされて今大会に臨んだ。カーンの激励を受けたレーマンにも思ったが、互いに切磋琢磨して競い合ったライバルの励ましの言葉こそが、ファインプレーへと結びつく原動力になるのかもしれない。(photo by AP)

日刊スポーツの記事によると、上川氏広嶋氏共に3位決定戦の審判に決定したそうだ!
嬉しいです。審判については、また後日書きたいです。
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