2006/7/7

上川徹主審、決勝Tで笛…9日・ドイツ対ポルトガル3位決定戦  サッカー&ワールドカップ・ドイツ大会

国際サッカー連盟(FIFA)は6日、W杯ドイツ大会の3位決定戦のドイツ−ポルトガルの審判員を発表し、日本人審判員の上川徹氏が主審を、広嶋禎数氏が副審を担当する事にが決まった。上川氏は、日本人初の決勝トーナメントのレフリーとして、現地時間の8日、シュツットガルトのピッチに立つ。上川氏はW杯開催前から、決勝Tで笛を吹くのが夢だと熱く語っていた。先月28日、決勝Tで担当する可能性の無い帰国審判も発表になり、残った上川氏らは、自信を持って毎日の発表を待っていたが、回ってくるのは第4・第5審判だけだった。上川氏は、インタビューで「わくわくしながら待っている。いつでも準備してはいる」と話していたが、控え審判ばかりで、この先、出番はないかとも思っていた。思えば準決勝のイタリア対ドイツ戦での第4・第5審判の割り当ては、目の前の試合で敗れたチームが3位決定戦へと回るゆえ、そのチームを観察出来る絶好の機会だ…。あれはこの発表への序章だったのかもしれない。
クリックすると元のサイズで表示します イングランド対トリニダード・トバコ戦
開始前の上川氏と広嶋氏。


さて今大会の審判団は、ここまで62試合を消化して来たが、前回大会に比べるとレベルの向上が明確に伺えるようだ。細やかなミスはあったにしても、オフサイドやゴールシーンをめぐって物議を呼ぶ判定は少なかった。これには、FIFAが今大会から導入したレフリープロジェクトが功をなしていると思われる。当ブログ内で「もう1つのW杯…」として上川氏の記事でも書いたが、従来の選抜起用システムを大きく変更し、大会の1年半前から、研修と選考試験を行い、各種の大会で追跡調査も重ねた上で、各大陸から選抜された主審23名、副審46名の精鋭を採用した。日韓大会までは、200に近い加盟国から、広く主審と副審を招集し、一次リーグでは試合を均等に振り分けた為、力量の差が出来、判定にもばらつきが出た。日韓大会では36人いた主審も今大会では最終テストに合格した23人のみに絞り、少数精鋭とした。

また、同一国か、同大陸出身の主審1人と副審2人が1つのチームを編成したのも今大会初の試みだった。上川氏は、日本の広嶋氏と韓国の金氏と組み、予選リーグ2試合を担当した。複数の知らない審判と組むことによる気疲れや不安感が無くなり、意志の疎通が円滑になっていたという。上川氏は「お互いが補え合える」と言い、広嶋氏は「言葉も通じるし、普段から一緒にやっているので、あうんの呼吸が作れている」と話している。この主審と副審の会話にも、初の試みとして小型マイクとイヤホンを導入され、試合中の情報交換が可能となった。実際に上川氏らが担当したイングランド対トリニダード・トバコ戦で、FKの位置取りの確認をしている上川氏の背後でちょっとした選手間の小競り合いが起きた際、広嶋氏が無線を通して連絡、選手のヒートアップを未然に防いだ。
毅然とランパードにカードを切る上川氏クリックすると元のサイズで表示します

更に勝っているチームの露骨な時間稼ぎは、相手チームの苛立ちを煽り、一触即発の危険性が伴うとし、この遅延行為には厳重な処分が徹底された。この事によって怪我人が減少しただけでなく、試合のスピードアップにも繋がった。副審の広嶋氏の談話によると、サッカーで最も論争が起きるオフサイドの判定も、誤審が明らかに減ったという。年々向上して来た選手達の技術とスピードアップに伴って、オフサイドラインの突破も巧妙化して来た。審判(副審)の重圧も増してはいるが、審判の力量が上がって来ているのも事実だそうだ。

中日新聞の小杉記者は、優れた主審には「嗅覚も優れている」と書いている。優れたストライカーもボールが何処に出てくるか?を嗅ぎ分ける嗅覚があるというが、優れた主審も、選手がわざと倒れこんで相手の反則に見せかけるシュミレーションを見分け、これに伴う小競り合いを防いでいるというのだ。勿論ボールに近い位置でプレーを判定するには、次はどの選手にバスされるか?というような試合の流れを読む必要があるのだ。決勝Tの審判として残った12名の主審と、24名の副審達は、フランクフルトの郊外で、試合で想定されるシーンを再現して対処法を磨くテクニカルトレーニングを繰り返しているという。上川氏も広嶋氏も43才。45才定年制の審判では、最後のW杯となる。2人がジャッジするW杯最後の試合が、開催国ドイツとポルトガル戦だという事にも、大きな意味と敬意を感じる。
クリックすると元のサイズで表示します フランクフルト郊外で、トレーニングを積む上川氏。

ドイツ対ポルトガル戦。ポルトガル絡みでは、対オランダ戦で16枚のイエローと4枚のレッドカードが出された試合もあり、激しい試合になると予想される。また、イングランドのルーニーが一発退場になった件で、C・ロナウドが、ルーニーを挑発、退場後は「してやったり」とばかりにウィンクをした映像が流された為、フランス戦でも、C・ロナウドには大ブーイングが起きていた。上川チームが担当する3位決定戦では、地元ドイツ相手…。ブーイングは更に拍車がかかるだろう。異様な雰囲気の中のジャッジは、けっして容易ではない。しかしどんな罵声や中傷の声にも打ち消される事の無い、大きく響き渡る笛の音と、凛とした態度での試合コントロールを期待したい。この3位決定戦は「日本にとってW杯は終わった」というイメージを吹き飛ばすような、上川氏らの活躍ぶりが楽しみである。上川氏の吹くホイッスルが日本サッカー界の未来へと届くように…。

↓「主審を務める上川徹氏…もう1つのW杯の戦い」↓
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2006/7/8  20:52

 

日本の上川主審がホイッスルを吹くそうですね。
試合を判定する側としての日本の代表
フェアで迅速なレフェリングを期待しています。

ドイツ対ポルトガルの3位決定戦
ドイツはGKにはカーン登場
司令塔バラックは... 

2006/7/8  14:13

 

史上初めてだそうです、決勝トーナメントで日本人審判が主審を務めることが。

明日早朝、3位決定戦が開催国ドイツとポルトガルの間で争われます。
前回、02年の日韓大会でMVPになったものの、今大会控... 

2006/7/7  16:17

 

サッカーW杯の審判団が、5日フランクフルトにて報道陣の前で、試合に臨む抱負を述べた。昨年1年間の試合のインステプターによる審判テストと、3月末にフランクフルトで開催されたた体力テストをクリアし、栄え 



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