2006/11/22

和装花嫁造りとその歴史  着物の着付関係(和服)

今日は、結婚式の前撮り…写真撮影がある。ここ最近にしては、数少ない和式の結婚式にこだわった新郎新婦で、花嫁は白無垢姿、色打ち掛け姿の他に、写真撮影だけであるが、黒引きと呼ばれる黒地の紋付裾文様の振袖(私の祖母が着用した着物)も着て頂く事となっている。ここで少し、婚礼衣裳と鬘(カツラ)等の歴史について書こうと思う。

クリックすると元のサイズで表示します 祖母が着用した黒振袖。
最近では、黒引きとして黒地の振袖を着られる方もある。
(11月22日撮影)

婚礼の白無垢衣装の始まりは、平安時代と言われていて、花嫁衣裳に純白の衣装が使用されるようになった。古来日本では、白は太陽の光の色(実際白に見えるのは全ての色を反射している為)と考えられ、神聖な色と言われて来た。また、純潔の色ともされ、全て白で他の色を一点たりとも使用しないことから無垢=けがれ、汚れがない…として、その嫁ぎ先の家風に染まるという意味があるとも言われている。しかしながら当時は、まだ一部の身分の高い人達の仕来たりであった。室町時代になり、足利幕府が礼道教育を始め、小笠原流、伊勢流などの礼道が確立し、婚礼の法式などが生まれた。これによって婚礼の衣裳も定められた。当時、幸菱文様(さいわいびしもんよう=小花で型どった菱形の幾何学的な文様)の表着に白い打掛が着用されるようになり、これが「白無垢」と言われる打ち掛けで、今日にも伝わっている。

クリックすると元のサイズで表示します 和装花嫁は古式ゆかしく上半身の姿が最も美しい。
メイク、鬘、着付の胸元…技術を要するが光栄な仕事だと思う。


また、鬘に被せる綿帽子と角隠しの由来は、室町時代、外出の際に婦人は、小袖を頭から被くようになっていた為、この風習が婚礼の仕来たりにも定められて白の小袖を被く事とされた説が有力である。次第に、江戸時代の綿帽子(わたぼうし)【真綿で作られた品】、練帽子(ねりぼうし)【練絹という精練した絹で作られた品】、幕末頃からの揚帽子(あげぼうし)【角隠し】へと変化して行ったとされる。この綿帽子にも角隠しにも、婚礼が済むまで新郎以外に顔を見せないという意味もあり、挙式が済むと外すとされている。また角隠しには「角を隠し従順になる」という意味があるとも言われているが、これは俗説だそうだ。

江戸時代後期になると、現代のような白一色ではなく、下着を紅梅色としたり、打掛の裏や下着の裏に紅絹(もみ)をつけて、吉事の証しと姿が流行した。当時は自宅で挙式される事が多く、婚礼を終えた宴会で「色直し」をし、今までの白無垢を脱ぎ、婿から贈られた色物(赤地)の衣服に着替えたという。しかし、まだまだ、打ち掛け花嫁姿は裕福な家庭の子女に限られていた。明治時代になり、一般的には、黒縮緬の紋付裾文様の振袖に白羽二重の下着を着て、角隠しを着けるという花嫁姿が定着するようになり、その振袖の袖を切り、袖を留めて、「留袖」とし、既婚の女性の第一礼装とした。この衣装は昭和の始めまで受け継がれたが、第二次大戦中は「贅沢」とされ、物資の不足も影響して、新郎は国民服に戦闘帽、新婦は上っ張りにもんぺ、防空頭巾携帯という衣服での挙式も行われたという。

ウェディングドレス姿は女性の憧れ…。 クリックすると元のサイズで表示します

戦後、日本の高度成長に伴って神前結婚式が主流となり、自宅結婚式は減少した。祝宴を料亭やホテル、専門式場等で行なうケースが増え、それに伴って洋式の宴会も徐々に進出した。また、キリスト教式や人前結婚式が増える等、結婚式のスタイルも多様になり、花嫁衣裳も和装、洋装ともに華やかさを増したが、今日では、和装・鬘離れは進み、洋装のみで挙式、披露宴を済ませる方も多くなった。この和装離れには、「鬘が似合わない、和装メイクは白塗りで不自然」という理由が原因と思われるが、実際に、鬘は新婦の頭の大きさの合わせてサイズを決め、お顔の輪郭、造りに合わせて結い上げれば、似合わない人はいないと思う。またメイクも近頃では、水化粧は施すが、肌に合わせてファンデーションの色を調合するので、白塗りにはならない。今後も、勿論、新郎新婦のご希望が第一だが、日本の伝統文化の大事な一つとして和装花嫁造りも、受け継いで行きたいと思っている。
クリックすると元のサイズで表示します 自然色の鬘…新婦に合わせて結う
…色打ち掛け用のかんざしに交換後。
鬘の結い上げ師さんは力を要する為男性が多い。


◎以下鬘の「文金高島田」について。
現在では花嫁の髪として知られているが、江戸時代には、一般の武家の 若い女性や遊女の一部に結われていた。江戸時代中期(18世紀)に結い 始められた文金風の男髷が、女髷へと移り、現在のような形に発展した。 針や楊枝(ようじ)などを髷に入れて高くしたので、針打ちとも呼ばれ た。高島田の中でも、特に髷(まげ)の根が高く、華やかな髪型である。(美容学習事典より)

恵雅さんに絵を書いて頂いた扇 クリックすると元のサイズで表示します 
新婦の好きな秋桜の絵と…花言葉(秩序と調和)が書かれている。(11月22日撮影)

◎恵雅さんのブログ「癒しの書と絵」 ⇒http://sky.ap.teacup.com/keiga/

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2006/11/22  11:50

 

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