2007/2/7

「幸せのちから」を観て…ウィル・スミスと息子、クリストファー  好きな映画と本(一部ネタバレあり)

舞台は、ベイエリアの景観が美しい坂道と霧の街、サンフランシスコ…。この映画は、実在の人物…クリス・ガードナーが挫折から栄光をつかむまでを描いた自伝小説…「The Pursuit of Happyness」に基づき、妻も家も失ったどん底の生活から、億万長者になる足がかりを得るまでの、苦悩と努力の半生を描いている。

「温かいベッドもママも失くしたあの日、幼かった僕と父は、まだ見ぬ幸せを求めて走り出した」
                            --クリストファーの言葉。
クリックすると元のサイズで表示します アメリカで発売された初版本…(表紙は本人)

映画は、ガードナーの半生を6つに区切り、テーマ付けされて進行して行く、
1、「バスに乗る」…市内を走るバスで移動し、骨密度を測る機械のセールスに歩く時期。
2、「馬鹿をやる」…セールスの途中、赤いフェラーリに乗った人物に職業を尋ね、証券マンを目指そうとするが、機械を預けたヒッピーに逃げられたり、散々な目に遭う。
3、「走る」…持ち去ったヒッピーを見つけて追い駆けたり、駐車禁止代が支払えず禁固刑を受け、証券会社の面接会場まで全力疾走する。
4、「見習い期間」…研修生として採用されるものの、正式採用はその20人中1人のみという競争率の高い中、一刻も無駄に過さず、勉強に励む。
5、「税金を払う」…機械も何とか売れ、モーテルでの生活も、滞納していた税金で口座を差し押さえられ、所持金21ドルとなってしまう。
6、「幸せ」…最後になってようやく幸せをつかむ…それは?。

不運続きも夢を失くさない主人公。 クリックすると元のサイズで表示します

映画の中で最も印象深いシーンは、ガードナー役のウィル・スミスと息子がバスを待っている時、持っていた「5¢コイン」の肖像、トマス・ジェファーソンが「独立宣言の中の言葉で「生命・自由・幸福の追求の権利」を唱えているが、どうして「幸福」だけでなく、「追求」を書き加えたのだろう…と考えるシーンだった。「幸福になれる権利」ではなく「追求する権利」…それは幸福が、人種差別、学歴社会の格差がある中で、追求しても決して得られないものである事を、トマス・ジェファーソンは知っていたのだろう…と、ガードナーは考えていた。全ての運から見放されたようなガードナーではあったが、5才のクリストファーの存在を心の支えとして、一心不乱で証券マンとなるべく努力を重ねて行く。

クリックすると元のサイズで表示します ウィルスミス(右)とクリストファー。

また、税金支払いの為に口座を抑えられ、モーテルを追われて、駅のトイレで眠るシーンは、ガードナーも涙にくれるが、観客の涙も誘っていた。ビザなしで不法滞在し、税金を支払わない人達もいるアメリカで、正直者が馬鹿を見るような印象だった。(しかし、納税したからこそ、会社を起せる権利も得られた)。そして、証券会社の研修生活を送りながらも、教会がホームレスの為に提供している宿泊施設の数少ないベット確保の為に、全財産のスーツケースを持って長蛇の列に並ぶ日々が続くのにも、胸が締め付けられるようだった。カードナーは、その与えられた狭い部屋で、消灯の後も、月の灯りや防犯灯の微かな灯りで勉学を重ねたが、このハングリー精神こそが、彼の「アメリカンドリーム」…商社マンとしての成功の実現に繋がったのだと感じた。

ガードナー本人(右)とウィルスミス。クリックすると元のサイズで表示します 

ところで、映画のストーリーはさて置き、まず、ガードナーを演じるウィル・スミスも、グラミー賞の受賞経験もある、大物ミュージシャンの華やかさを押し隠し、不運続きのしがない父親を見事に演じていたが、そのウィル・スミスの存在事態をも、影を薄くさせてしまうほどの演技力が光っていたのが、ウィル・スミスの実の息子…クリストファー(映画内でも同名)で、ウィル・スミスの縁故ではなく、オーディションを受けて選出されたという事を納得させられた。どんな逆境にあっても、ユーモアを忘れず、人との触れ合いを大切にして行ったガードナー親子…。やがてガードナーは、億万長者となり、自伝の出版、そして映画化と、時の人となった現在も、サンフランシスコの貧民街を頻繁に訪れ、ホームレス達と一緒に、自身も飢えを凌いだ慈善スープを飲むのだという。また、ガードナーはシカゴに本社を置く「カードナーリッチカンパニー(GRC)」の社長件、最高経営責任者を務めているが、売り上げの10%は地元の教育事業に寄付しているそうだ。因みにガードナーは会社設立後、証券マンを目指した契機となった赤のフェラーリも手に入れている。

 クリックすると元のサイズで表示します 美しいゴールデンゲートブリッジ。
写真は全てyahoo photoより


映画は、サンフランシスコの美しい景色と共に、無垢な志でどん底から這い上がって行くガードナーと、その父親のどんな姿にも敬意を失わない息子の姿が生き生きと描かれている。「夢を失くさず頑張ろう」と元気付けてくれる素晴しい映画だと思った。尚、原題の「The Pursuit of Happyness」の「Happyness」は、Happiness=幸せのスペルミスである。息子、クリストファーを預けるチャイナタウンの託児所に書かれていたのだが、あまり良い託児所ではないという事の象徴となっていた。しかし実際は、息子が1才半だった為、最初はその託児所にさえ入れて貰えなかったそうだ。

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2007/2/8  7:59

 

ガブリエレ・ムッチーノ監督、ウィル・スミス主演、「幸せのちから」です。

クリス・ガードナー(ウィル・スミス)は高額な医療機器のセールスマン。
日々病院巡りをしてセールスに励みますが、そもそもが高額で... 



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