2007/12/4

シンフォニーホールのコンサート…ヘンデルの「メサイア」  ボストンの思い出

12月1日、ボストン・シンフォニーホールで開催された、Handel and Haydn Society(へンデルアンドハイドン・ソサエティ)のコンサート「Messia (メサイア)」へ行った。ヘンデルのメサイアというと、 有名な「ハレルヤコーラス」のフレーズが浮かんで来る。私は高校時代、このコーラスにアルトのメンバーの1人として参加した事があり、懐かしさも手伝って期待に胸を膨らませていた。但しチケットを予約したのが前日で、何とか取れたものの、何処のシートなのかも分らず、とりあえず「25ドル」という価格から、オペラグラスは必須だろうと持って出かけた。シンフォニーホールへ着くと、フロントでチケットを受け取り、中に入った。1階とは聞いていたが、係りの人に案内されるまま進んでいくと、どんどん前に連れて行ってくれる。気がつくと最前列に案内されていて、オペラグラスが不必要な事態となった。
クリックすると元のサイズで表示します開演前…3F席から写したステージ。
最前列のシートに座る筆者
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ここで、もしこれがジャニーズ系のコンサートなら、アリーナ席だと大興奮する反面、間違いでは?と疑うのだろうが、シンフォニーホールに於いてこの最前列のシートは、7ランクあるうち、4番目の価格帯となっている。確かに立ち見でない限り、舞台の高さに遮られて奏者全員を観る事が出来ない。それでも、過去にコンサート等を最前列で聴いた経験が無かった私は、わくわくした。開演まで時間があった為、シンフォニーホールの散策?に出かけた。ホール1Fの壁にはホールの歴史についてや、ボストンシンフォニー交響楽団の人達の写真が掲げられており、その中に、1973年から2002年まで音楽監督 に就任していた小澤征爾氏の写真を見つけた。小澤氏は、歴代の名立たる指揮者中でも、クーセヴィツキー氏と並んで最も任期の長い指揮者となったが、その長い就任期間もさる事ながら、情緒的な表現様式でボストン市民を魅了した。ボストンで「有名な日本人は?」…と問えば、まず小澤征爾氏の名が上がる。
クリックすると元のサイズで表示します 9年間指揮者を勤めた小澤征爾氏

さて、演奏曲…ヘンデルの「メサイア」について少し書こうと思う。メサイアは、オラトリオ形式となっており、バロック音楽を代表する楽曲で、キリストの生涯を描いている。オラトリオとは、声楽(独唱・合唱)、オーケストラ、によって演奏される。歌詞にストーリー性がある点でオペラと雰囲気は似ているが、演技はなく、大道具、小道具、衣装なども用いない。 また「メサイア」には決まった配役も無く、第1部・降誕、第 2部・受難、第3部・復活と永世…から構成され、歌唱部分はソリストのソプラノ、アルト、テノール、バリトンの4人と、コーラスで構成されている。そして第2部の最後に流れるのが有名なハレルヤコーラス…神を讃えるこのコーラス部分は、観客が総立ちとなって聴く事が慣例となっている。この慣例は、1743年、ロンドンで初演奏の際、国王ジョージ2世が、コーラスの途中で感動のあまり起立し、観客も総立ちになったという逸話に由来するという。
クリックすると元のサイズで表示します お辞儀をする4人のソリストと、
指揮者のハーリー・クリストファー氏(中央)


休憩を入れて3時間のコンサートは、あっという間だった。バロック音楽を代表するかのようなチェンバロの調べが美しく響き渡り、ソリストの方達の熱唱を引き立てていた。更に、33名のコーラスの人達が歌うハレルヤコーラスは、予想以上に圧巻だった。私も思わず記憶が甦り、歌詞を口ずさんでいた。そしてラストの「アーメン」の大合唱も見事で、観客は再び総立ちとなり、彼方此方から「ブラボー!」の声が飛びかっていた。私は、身も心も洗われたような清清しい気持ちになって、耳に残った余韻を楽しみながら、キンと冷え込んだボストンの街中へと、シンフォニーホールを後にした。

★以下は「メサイア」に使用されたバロック音楽独自の楽器と、
コンサートマスターで、演奏も笑顔も素敵だったダニエル・ステップナー氏の写真。
クリックすると元のサイズで表示しますチェンバロ(ハープシコード)

バロックトランペット(2F席で演奏)クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示します開演前…笑顔のステップナー氏

音合わせするステップナー氏クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示しますコンサートマスターとして指揮をとる。

演奏者全員に一礼クリックすると元のサイズで表示します


※ダニエル・ステップナー(Daniel Stepner) ウィスコンシン州ミルウォーキー出身
幼少時から両親より音楽を学び、シカゴのヴァイオリニスト…サム・ストライクと、フランスの指揮者…ナディア・ブーランジェに師事した。イエール大学で、音楽論の学位を取得し、以降数々のクラッシック音楽演奏に参加したのち、現在はマサチューセッツ州内のハーバード大学やブランダイス大学で教鞭をとる傍ら、2004年より、ヘンデルアンドハイドン・ソサェティのコンサートマスターを務めている。
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