2006/12/30

浅田真央選手、全日本初優勝!頬に光った真珠の涙…  フィギュアスケートと浅田真央選手

演技を終え、会場のファンの声援に答えている真央選手の目に涙が溢れた。今シーズン、フリーの冒頭で挑んで来た、ステップから入るトリプルアクセル…。なかなか決められず、苦しんだ。その苦しみから解き放たれた美しい真珠のような涙だった。ラファエル・アルトゥニアンコーチに「ナイス!グッド!」と讃えられながら向ったキッス&クライでも、その涙は止まらなかった。今日のトリプルアクセルは「あれこそがトリプルアクセル」と、アルトゥニアンコーチを唸らせた今季最高の出来…。トリプルアクセルの基礎点7・5点に、GEO得点+1・8が加えられた。真央選手は、涙が流れた瞬間、アスリートの表情から16才の少女に帰っていた。演技後のインタビューでは、「ずっとトリプルアクセルが決められなかった辛い思いが涙となって溢れた」と、答えた。真央選手は、今まで人前で涙をみせた事がなかったそうだ。
クリックすると元のサイズで表示します 表彰式の安藤、浅田、中野選手。

試合前、今季、パーフェクトな着氷が出来なかったトリプルアクセルについて、アルトゥニアンコーチは「踏み切る前のステップを省くように」と、提案したこともあったらしい。しかし、真央選手は、絶対首を縦に振らなかったという。「去年よりレベルアップしたかった」。そう自分に言い聞かせて高難度の技に挑み続けた。昨季、シニア初の参戦で手にしたGPファイナルの優勝で、世界中の女子フィギュアスケーターから、追われる立場となった。無欲で滑る事が出来なくなり、気付いた時には演技中の笑顔も消えていた。それでも、真央選手は諦めず果敢にこの難技に挑み続けた。他の演技も予定のダブルアクセル+トリプルループのコンビネーションジャンプが、ダブルになったりしたが、ほぼノーミスで滑り切り、最後の3連続ジャンプを決めた後、真央選手には珍しくガッツポーズが見られた。もう誰もライバルはいない…「克己」…自分に打ち勝って手に入れた、全日本選手権優勝と、世界選手権の出場権だった。
珍しくガッツポーズをみせた真央選手。この後涙が… クリックすると元のサイズで表示します

12月29日、名古屋は、この冬一番の寒気に見舞われ、朝から雪が舞っていた。一昨日まで11月上旬の気候という暖かさから一気に冷え込み、朝目が覚めたら、我が家周辺にも積雪があった。降り続く雪にお客様のご予約変更が相次いだ。そのお陰で放送の時間にTVの前に座る事が出来た。TVを観ていたら携帯メールが届いた。名古屋開催という事で、私の影響?でフィギュアスケートを観るようになり、レインボーアイスアリーナへ出向いていた友人からだった。「真央ちゃん、211・76で優勝!」。メールにはそう書かれていた。驚いた。そして真央選手は、どんな演技をしたのだろう…?と、胸が躍った。TV中継が生放送でない事に若干の不満を感じながら、TVで試合を観続けた。

また真央選手のすぐ後の演技だった村主選手は、GPシリーズからの連戦で、疲れがでたのか、ジャンプなど、小さなミスが目立った。そして次滑走の安藤美姫選手も、最終グループ滑走前の6分間の練習時、固い表情だったのが気になっていた。演技が始まり、次々とジャンフを成功させて行く姿に、私の杞憂だったかと思ったが、終盤のトリプルフリップで転倒し、手を着いた後のコンビネーションスピンで止まってしまった。右肩を押さえ痛そうだった。荒川さんの解説によると、昨日のSPで右肩を脱臼?してしまったらしい。病院へ行って治まったそうだが、ジャンプの転倒時に手を着いたせいなのか?その後のスピンの遠心力によって、また再発したのか?現時点で原因は、はっきり分らないがアクシデントが起こった。しかし痛みを堪えてステップを滑り切った。結果…2位。世界選手権出場権も手にする事が出来た。今季、安藤選手のステップは、腕を振り回すような振り付けになっていて、素人の私から観ても、腕の負担が多いような気がしていた。結局、安藤選手も疲れが蓄積していたのではないか?と思った。
クリックすると元のサイズで表示します世界選手権へ出場する選手達。
左から渡辺・木戸組、高橋、織田、浅田、安藤、中野選手。


今大会で3位に入り、世界選手権出場のもう1枚のチケットを手にしたのは、昨年オリンピックへは出られず、その涙をバネにして世界選手権5位に入賞した、中野選手だった。中野選手のフリーでは、トリプルアクセルに挑み転倒はあったものの、その後は立て直し、全てのシャンプを成功させて笑顔のシンデレラを演じた。TV画面で、世界選手権出場メンバーが紹介された時、最も嬉しそうに輝いていたのは、中野選手だったと思えた。世界選手権は、3月に東京で開催される。雪解けの季節に、銀板の上でまた再び、真央選手の輝く涙を観たいと思った。「世界選手権は、今日よりもいい演技をしたいです」。そう語った真央選手…。試合前の公約?通り、夢の200点を大きく更新した…。この点数は、国際試合ではなく、全員日本人ジャッジだった為、多少甘めの採点なのかもしれないが、表彰台の一番高い位置に立った真央選手の目線は、明らかに未来…世界選手権を超え、バンクーバーオリンピックへと向いている気がした。(写真…yahoo sportsより)
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2006/12/29

全日本フィギュア選手権、女子SPを観て…  フィギュアスケートと浅田真央選手

愛知県名古屋市、JR名古屋駅から南へ、東海道線で10分、車の場合は名古屋高速に乗って約15分走ると、右手に真円のドームが見えてくる。名古屋市総合体育館…別名、レインボーホールは、1987年、アメリカのNASAへ依頼し、アポロ計画に使用されたコンピュータープログラムを駆使して、600時間を費やして設計されたという。このドームは、パラレル・ラメーラドーム構造と呼ばれ残響約2秒といわれるその造りからコンサートなど、多目的に使用されている。観客最大1万人を動員でき、大相撲、バレーボールなどのスポーツの試合も行われる事から、名古屋市の「スポーツの殿堂」としての威容を誇る。
クリックすると元のサイズで表示します 名古屋市南区にあるレインボーホール。

そのレインボーホールに隣接されたアイスアリーナで、27日から第75回、全日本フィギュア選手権が開催されており、28日には、アイスダンスのオリジナルダンス、男子はフリー、女子のSPが行われた。フィギュアに造詣深いスパイラルさんのご解説によると、13年ぶり2度目の愛知県開催となったのだそうだ。女子SPは、地元開催という事もあってか、前日選手宣誓を務めた10番滑走の浅田真央選手が、ほぼノーミスの演技で滑り、自身のパーソナルベストを更新して首位に立った。今季の真央選手は、SPでは大きなミスをすることなく安定した演技を見せている。しかし、これまでの試合では、プログラムの冒頭に組み込まれたトリプルルッツでは、若干の軸の乱れが見られたりしたが、今日は完璧…高く美しいジャンプだった。その後のコンビネーションジャンプ、ダブルアクセルジャンプ…ジャンプは全てに於いて、高さがあり余裕のある着氷で美しかった。そして、スピン、スパイラルもほぼ完璧の演技…国際試合ではないので、認定はされないそうだが、2003年にサーシャ・コーエン選手(アメリカ)がマークしたSPでの世界最高点、71・12点をも上回った。
会心の演技で自己ベスト更新した真央選手 クリックすると元のサイズで表示します

真央選手の演技は、まるでこの日に標準を合わせて、トレーニングされて来たようだった。昨季は、苦手とされていたスローなテンポの曲、ショパンのノクターンも、解説者に「ショパンが真央選手の為に作った曲のようだ」と言わせる程に観ている者を惹き込付け、エレガントな自分の世界を創り上げていた。問題は、29日のフリー…。今季のフリーでは、追われる立場を意識したのか、初めのステップからのトリプルアクセルで躓くと、ミスが続く場面が多く見られた。真央選手本人も「頭が真っ白になってしまった」と振り返り、今日のSPの後では「(SPは)ジャンプの事を考えないのが良かったです。昔のように重圧を感じず楽しく滑りたいです」と語っていたという。今季の真央選手…、トリプルアクセルを武器にして、何も怖いものがないかのように、弾ける笑顔で大活躍した昨季に比べると、ジャンプのミスは目立ったが、明らかに進化していると思う。フリーでは、勿論ノーミスで滑って欲しいが、例えミスがあっても、惑うことなく自分に自信を持ち、自分のペースで滑りきって欲しいと願っている。
クリックすると元のサイズで表示します SP自己ベストを更新し2位につけた安藤選手。

一方、真央選手より4人先に演技した安藤美姫選手も、ほぼノーミスで滑り自己ベスト、66・74を更新して69・50を叩き出した。更に中野選手…。GPシリーズでは、得意のスピンでも、乱れが出るなど満足の行く演技を出来ていなかったが、今回は、目線にも心を配り、笑顔を絶やさない演技で、ほぼノーミス、彼女も自己ベストの59・52を更新し63・52として3位につけた。その後の4位には、ジャンプに高さが戻ってきた恩田選手、5位は、残念ながらジャンプの回転不足のミスが響き、得点を伸ばせなかった村主選手、そして6位には、試合前「真央と一緒に最終グループで滑るのが目標」と言っていた浅田舞選手が入った。TV画面に表示のずらりと列挙された、名誉ある最終グループでの滑走者名をよく見てみると、地元愛知県の選手が6名中5名…。地元の利を生かして「フィギュア王国愛知県」の強さを見せつけた結果となっている。また、スケート連盟のHPから、全選手の成績表を見てみると、失敗が少ないレベルの高い演技内容だったという事もよく分る。明日も地元の声援を追い風にした愛知県出身の選手は勿論、全ての選手が自己ベストを更新できるような試合になって欲しいと祈りたい。

また、SPのTV放映を観ていて、怪我から復帰した太田由希奈選手の所作の美しさが際立っていたと感じた。SPの結果は7位だったが、 太田選手はフリーの演技の練習に力を注いで来たという。3年ぶりの全日本選手権、レインボーアイスアリーナのリンクは、暖かく太田選手を迎え入れたに違いない。観ていて涙が溢れて来た。「おかえりなさい」…惜しみない拍手がそう言っているように思えた。そして女子SPの後に行われた男子のフリーでは、高橋選手の256・08と、自己ベストを大きく更新し、大会2連覇を果たした堂々たる演技にも感動した。屈辱を味わったオリンピックから10ヶ月…努力を重ねて来た高橋選手の事を「ガラスのエース」と呼ぶ者は、もう誰一人としていないだろう。(フィギュアの写真…Yahoo newsより)
※会場をレインボーホールと記していましたが、レインボーアイスアリーナ(夏季はプール)の間違いでした。ごめんなさい。只今、訂正致しました。12.30.AM10:50 by hotaru.


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2006/12/21

浅田真央選手の帰省と、荒川静香さん紅白ゲスト出場!  フィギュアスケートと浅田真央選手

昨日ようやくフィギュアグランプリファイナル、フリーの録画VTRを観る事が出来た。結果は判っていても、手に汗を握ってしまった。浅田真央選手は風邪気味、安藤選手も腹痛を伴う風邪だったとか…動きに切れがなく体調不良が明らかに判る。特に男子の高橋大輔選手は、よく最後まで滑りきれたなぁ…と思うほどで最後は倒れてしまわないのが不思議なくらいだった。このファイナルで特にアウェイでの試合の体調管理の難しさが浮き彫りになったと思いつつ、27日からと間近に迫った全日本選手権までの調整不足を懸念してしまった。そんな中、19日、中部国際空港へと真央選手が帰国した。名古屋に帰省するのは4ヵ月ぶり…自宅へ帰って家族や大好きなトイ・プードル、エアロとの寛いだ一時を過せる事は真央選手にとって何よりの活力となるだろう…と少しほっとした。そして安藤選手にとっても、地元名古屋での開催が少しでも追い風になれば…と祈っている。
クリックすると元のサイズで表示します 笑顔で中部国際空港に降り立った真央選手。

さて、今年も残す所あと10日となり、年の瀬を感じ始めた今日この頃であるが、20日付けで、31日恒例のNHK紅白歌合戦の特別ゲストとして、荒川静香さんが出演すると発表された。そして"今年の顔"として各界から選ばれる審査員には、映画「硫黄島からの手紙」に出演した俳優の渡辺謙さん、カーディナルスの田口壮選手も選ばれたという。毎年大晦日は、結果的に観てしまう紅白歌合戦…秋川雅史氏の歌う「千の風になって」も楽しみにしているが、荒川静香さんが振袖姿で出てくれないかな…と、歌以外の楽しみも増えた。荒川さんは、言わずと知れた…トリノオリンピックで唯一の金メダルを獲り、その演技の中の技の一つ「イナバウアー」が今年の流行語大賞選ばれるなど、老若男女を問わずフィギュアスケートの人気沸騰に貢献した。

荒川さんとフラワーガール達クリックすると元のサイズで表示します
フラワーガールのポニーテールは、万が一転んだ時のヘルメット代わり(スピンさんより)


また携帯の着うたサイト最大手、レーベルモバイルによると、ジャズ・クラシックサイトの年間ランキングで、荒川さんがフリーで使用した曲…ヴァネッサ・メイの「トゥーランドット」、そしてエキシビションの曲…ケルティック・ウーマン「ユー・レイズ・ミー・アップ」が1位、2位を独占したという。既に以上の2曲と昨季の選手達に使用された曲を集めた『トゥーランドット フィギュア・スケート・ミュージック』 は、2006年4月に発売されており、更に12月27日には、今シーズン選手達が使用している曲を集めた『チャルダッシュ』 が発売になるそうだ。『チャルダッシュ』には、浅田真央選手のフリー使用曲でアルバムのタイトルにもなっている同曲や、安藤美姫選手のSPの曲、「シェエラザード 〜千夜一夜物語」や村主章枝選手がフリー・プログラムで使用しているアディエマス「ソング・オブ・ザ・スピリット〜魂の歌」等が収録されている。早速このCDの予約をして、紅白歌合戦を観た後は、これらの曲を聴きながら、新年を迎えたいと思っている。

以下、アルバム収録曲と作曲家など。

※『トゥーランドット フィギュア・スケート・ミュージック』

1. プッチーニ:「トゥーランドット」のヴァイオリン・ファンタジー
2. ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66
3. ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲より 第18変奏
4. ニーノ・ロータ:ロミオとジュリエット
5. Traditional:黒い瞳
6. ジェシー・クック:マリオ・テイクス・ア・ウォーク
7. リスト:死の舞踏
8. ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第1楽章 (抜粋)
9. ジェシー・クック:カンシオン・トリステ
10. ジェシー・クック:トカ・オリージャ
11. プッチーニ:ある晴れた日に 「蝶々夫人」より
12. 坂本龍一:戦場のメリークリスマス
13. ニーノ・ロータ:ゴッドファーザー“愛のテーマ”
14. プッチーニ:星は光りぬ 「トスカ」より
15. チャイコフスキー:花のワルツ「くるみ割り人形」より

※『チャルダッシュ』

1. モンティ:チャルダッシュ
2. メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64 第1楽章:アレグロ・モルト・アパッショナート
3. リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード〜千夜一夜物語」作品35 第4楽章
4. リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード〜千夜一夜物語」作品35 第3楽章
5. ショパン:夜想曲第2番変ホ長調 作品9-2
6. チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35 第1楽章:アレグロ・モデラート
7. プロコフィエフ:バレエ音楽『シンデレラ』第1幕より第3曲「シンデレラ」
8. プロコフィエフ:バレエ音楽『シンデレラ』第1幕より第17曲「出発の中断」
9. トンツィ・フーリッツィ:クロディーヌ
10. チャイコフスキー:交響曲 第4番ヘ短調作品36第1楽章
             :アンダンテ・ソステヌート〜モデラート・コン・アニマ
11. チャイコフスキー:交響曲 第4番ヘ短調作品36第2楽章
             :アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ
12. カール・ジェンキンス:ソング・オブ・ザ・スピリット 〜魂の歌
13. ドリーブ:バレエ音楽『シルヴィア』第3曲「狩りの女神(ファランドール)」
14. ビゼー:ハバネラ 〜歌劇『カルメン』より
15. ショパン:ピアノ協奏曲 第2番
16. ラヴェル:ボレロ


◎レーベル・スペシャル・サイト
http://www.toshiba-emi.co.jp/st/compi/figure/
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2006/12/17

GPファイナル浅田真央選手2位…そのTV中継に思う事  フィギュアスケートと浅田真央選手

ロシア・サンクトペテルブルクで行われたGPファイナルは、17日深夜1時更新の時事通信によると、SP1位発進の浅田真央選手は、冒頭のステップから入るトリプルアクセルで転倒し、波に乗れないまま、コンビネーションジャンプも失敗して、172・52とフリーの得点では4位となり、SPとの合計で2位となった。また、SPで自己ベストを更新し2位発進した安藤美姫選手も精鋭を欠き、フリー演技では6位にとどまり、結果5位。そしてSP演技開始前、ホテルから乗ったバスが渋滞で遅れて充分なウォーミングアップで出来ず、SP5位となっていた村主章枝選手は、フリー演技で3位とし順位を4位に上げたそうだ。優勝はフリーで184・20を出した韓国の金ヨナ選手だった。一方男子は、高橋大輔選手が総合2位、織田信成選手が3位となり、日本男子としてはGPファイナル史上初めて、2人の選手が表彰台に上がったという。
クリックすると元のサイズで表示します SPでの真央選手…笑顔のスパイラル。

SPの録画を観た時点で、浅田真央選手は、SPのパーソナルベストこそ更新はならなかったものの、ほぼノーミスの演技でショパンのノクターンの曲に合わせ、優雅にそして軽やかに滑り終えた。NHK杯の時のように、このまま好調を保ち、フリーをノーミスで滑れる事が出来れば、女子として初の200点を越えるのも目前か?とも思われた。しかし、GPファイナルの滑走順はSPの成績とは逆に滑る事となっており、最終滑走者の重圧があったのか、大会2連覇を意識したのか?まだ、演技を観たわけではないが、初めのジャンプの出来如何で、その後のリズムが変ってしまうほど精神的な影響が出たのだろうか…?SPの時は、前に滑った「金選手の演技や得点は観ていなかった」と答えていたが、2連覇を意識して守りに入ってしまい脆さが出たのか…?などと色々考え込んでしまった。
綺麗な脚と落ち着いた表情 クリックすると元のサイズで表示します 

トリノオリンピックで金メダルを獲得した荒川さんも、滑走前は、ヘッドフォンを装着して観客の歓声もどよめきも遮断し、他の選手の演技も観ないまま、自分のペースで滑る事だけを考えてリンクに立ったと言っていた。今まで何度も書いて来たが、やはり自分との戦い…本番で自分の演技が出来るかが如何に難しいか…フィギュアスケートとは、本当に繊細な競技なのだと痛感させられた。真央選手も、安藤選手も今頃は、精神的なダメージを負っていると、ついつい心配してしまうが、反面私は、2人とも昨年とは違って、失敗を糧と出来るように成長していると信じている。真央選手は、エキシビションを滑り終えて帰国すると、10日も待たないうちに始まる全日本選手権…今度は3月に開催される世界選手権出場枠が、かかる試合が待っている。昨年の世界選手権で村主選手2位、中野選手4位と2人が健闘したお陰での出場枠「3」。気持ちを切り替え、今度こそ、SP、フリーともにベストの演技を揃えて夢の200点越えを果たして欲しいと思っている。

それにしても、サンクトペテルブルクと日本の時差は6時間…。実はTV朝日系列で、SPのTV放映中の日本時間PM8時には、既にフリーの演技は始まっていた。私は先程インターネットで全ての結果を知ったが、その映像を観るのは、ほぼ1日遅れの17日PM7時からとなるのだ。テレビ朝日の広報担当者は「生中継の可能な時間帯ですが、やはり視聴者には、1番いい時間に観て貰いたい。その翌日とはいえゴールデンタイムの放送にしました」と他社の記者にコメントしたそうだ。そして、更にTV朝日は、17日の放送が終るまで、自局のニュース番組でも、試合内容には一切触れないという。確かにゴールデンタイムと深夜帯ではCM料金が大きく異なるのは解らないでもないが、その方針からは、自局の身勝手さだけが際立って、視聴者を見下しているような傲慢さが見え隠れする。
クリックすると元のサイズで表示します 初優勝した金ヨナ選手のSPの演技。

SPの放映を観た限りでも、中継であるにも関らず、さも生放送かのような盛り上げ方をする司会者のコメントがあまりに白々しく、また素人の私から見ても勉強不足が見え見えで情けなかった。更に放送までに時間があるのであれば、ジャンプの得点に付けられるGEOとか、スピン・スパイラルの要素のレベルの詳細とかの表示も出来そうなものだが…という不満も残った。私はきっと、フリーの中継を、真央選手や安藤選手がミスをした事が判っていて辛くても、時間になったらTVの前に座るだろう。ささやかでもフィギュアスケート選手を応援する者として、私なりに心を痛めながら観入っている姿が自分でも想像出来てしまう。しかし、「浅田真央、2連覇なるか!?」とか「安藤、スケートアメリカの再来で逆転Vか!?」等と、その痛みを更に強めるような解説がされると思うと何だか気が重くなる。それに演技の前の外国人選手に(いつ撮ったかは知らないが)わざわざ日本語でPRさせるのも止めて欲しい。選手達は、タレントではないのだから「やらせ」っぽい演出はしないで欲しい…そんな事を思っている。

(写真と写真についてのコメント…ご提供はスピンさんより)

◎お詫び
昨夜は、当方のプロバイダーさんのセンター機器の障害が原因で、ホームページを全く開ける事が出来ず、また、16日は仕事で忙しくしていましたので、頂いたコメントへの返事が遅れています。ごめんなさい。明日以降、返事させて頂きますので、どうぞ宜しくお願い致します。
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2006/12/6

近郊のルミナイエと「安藤美姫対浅田真央」の記事について  フィギュアスケートと浅田真央選手

今日は、夕方友人が来てこの近くの年末の風物詩?イルミネーションで飾られた個人宅を観に行った。一昨日から急に冷え込んで来ているが、よく考えればもう12月、今までが暖か過ぎたのだ。その家は、昨年もブログに写真を載せさせて頂いたが、よく観ると少しずつ飾りを変えてあって、まるで間違い探しのように昨年との違いを見つけるのも、また楽しかった。この辺りでは何件か自体を飾り付け、私達を楽しませてくれる個人の家があるが、数年前までの私達のお気に入り一等賞の家は、飾り付けてある電飾などを盗難に遭い、その後やめられてしまった。玄関の門で、踊るサンタクロースが迎えてくれたそのお宅は、庭にも入る事ができ本当に感動した。心無い人の為にやめられる事となったのは、とても悲しく残念だ。(ルミナイエはルミナ家から名付けたらしい)
昨年よりトナカイも増えていた。 クリックすると元のサイズで表示します
クリックすると元のサイズで表示します

さて、先日のNHK杯で、GPシリーズもファイナル出場者が決定した。シングル出場の名誉ある12人の中、日本からは、男子、高橋大輔選手、織田信成選手、女子は、安藤美姫選手、浅田真央選手、村主章枝選手の5人が出場する。各大会で出した得点順ではなく、順位によるポイント制の為、世界選手権チャンピオンのアメリカ、キミー・マイズナー選手らは出場せず、実力から推測して、女子の優勝争いは日本の3人選手対、韓国の金ヨナ選手の対決…と言っても過言ではないようだ。

中日スポーツ誌は、本日の一面トップで「真央と安藤のエース対決」と題し、2人のシニア大会の4年前からの経緯を報じていた。その紙面によると、2002年の全日本選手権が初対決で、当時中学3年だった安藤選手は、12月にオランダで開催されたジュニアのGPファイナルで女子史上初の4回転サルコージャンプを成功させた。真央選手はまだ小学校6年生で、ジュニアより下のノービスクラスだったが、2人とも特別推薦で出場した。結果は、安藤選手は4回転ジャンプに失敗し5位となった。一方真央選手は、他の要素では未熟さを感じさせたものの、ジャンプでは、3回転の3連続ジャンプを女子では史上初に成功させ、7位と奮闘した。
GPファイナルに向け会見する4人。 クリックすると元のサイズで表示します

2003年の大会では、安藤選手が4回転サルコーを成功!他のジャンプも全て決め、初優勝し、世界選手権出場権も得た。中学生になった真央選手は、得意の3回転の連続ジャンプを失敗し、最後まで自分のペースで滑れず8位だった。そして2004年、SPでは1位に荒川選手、2位に村主選手に続いて安藤選手、真央選手の順だったが、荒川選手が故障でフリーを欠場してしまった。安藤選手は4回転を封印し、3回転×2回転×2回転の3連続ジャンプを成功し、転倒してしまった村主選手を逆転して大会2連覇を果たした。真央選手は、ジュニアのタイトルを総なめにしこの大会でも得意のトリプルアクセルを跳び2位となった。

そしてまだ記憶に新しい2005年、真央選手は初参戦のGPファイナルへ進出、SPでもノーミスの演技をして世界フィギュア界の女王、イリーナ・スルツカヤ選手を抑えて首位に立つと、フリーでも冒頭でトリプルアクセルを成功させ大差をつけて優勝、安藤選手は足の故障もあってか、演技に切れもなくフリーでは3度の転倒もあって4位に終った。そしてファイナルの僅か10日後に行われた日本選手権は、トリノオリンピックの選考会も兼ねており、真央選手のスケート年齢が満たない為のオリンピック出場権についての論議を呼んだ。結果は真央選手がSPのダブルアクセルをシングルにしてしまい、3位からスタート。しかしフリーではトリプルアクセルを2度入れるという初快挙を成し遂げ2位まで挽回した。優勝はGPファイナルに出ていない村主選手、3位に荒川選手となったた。安藤選手は6位だったが、過去1年間のポイント制で、村主選手、荒川選手とオリンピックへ出場した。
クリックすると元のサイズで表示します NHKの番組に振袖姿でゲスト出演した真央選手(TV画面を撮影)

今季に入って安藤選手と真央選手は、スケートアメリカで初対決した。オリンピックで結果惨敗に終った安藤選手が、この大会で見事に復活、SPでトップに立った真央選手が、フリーでジャンプに失敗し2位となり、フリーでも完璧な演技を見せた安藤選手がパーソナルベストを更新しGPシリーズ優勝を果たした。以上が、この4年の2人の経緯だが、このように書きながら試合の模様を振り返ると、2人の選手が全く違うタイプである事を感じた。ジャンプもシャープさを感じる安藤選手と、舞うように跳ぶ真央選手…。GPファイナルで「対決」するのは事実だが「敵は決して相手ではない」と、選手自身は思っていると感じた。メンタル面が大きく左右する競技、フィギュアスケートは、ゴルフの神様、ボビージョーンズの言葉「オールドマン・パー」…自分自身との戦いに通じるものがある気がした。

尚、私はこのGPファイナルで、男女とも表彰台の1番高い所に立った日本選手は、自動的に世界選手権への出場権が得られると思っていたが、日本スケート連盟の伊東強化部長の発表によると、あくまでも全日本選手権の上位選手で決定すると、「一発勝負」を明らかにした。14日から17日までロシアで開催されるGPファイナル、出場する選手達にとっては、27日開幕する全日本選手権まで、10日しかない。(フィギュアスケート経験者のスピンさんのお話だと、以前の全日本選手権は1月だったそうだ)。その上、今年はロシアから日本への長い移動時間と時差もあり、疲れが残らなければいいが…と懸念するが、杞憂に終って欲しいと願っている。
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2006/12/3

浅田真央選手、史上最高点でNHK杯初優勝、ファイナル進出決定 !  フィギュアスケートと浅田真央選手

浅田真央選手が、昨年のGPファイナル優勝から1年間、紆余曲折を経験し心身共に成長した演技を披露した。今大会での優勝以外、GPファイナル進出への道は無い…大きな大きなプレッシャーを背に受けて尚、自分らしい演技、一つ一つの要素を確実に決め、GPファイナル、ロシア行きのチケットを手に入れた。生放送で観戦していた私は、一瞬、前戦、スケートアメリカでのフリーでジャンプが抜けてしまった悪夢が過ぎった。あの時も、SPではほぼ完璧な演技をして首位に立っていた。今季公式試合では、一度も成功していない「ステップからのトリプルアクセル」…。本番の緊張感の中で跳ぶ事ができるだろうか?全ては始まりのアクセルジャンプにかかっている気がして、息を止め見入っていた。
クリックすると元のサイズで表示します 喜びの表情の真央選手。

しかし、真央選手は、同じ轍(てつ)は踏まなかった。今日のフリーでは衣装も黒地から一新、ハンガリーの民族舞踊曲「チャルダッシュ」に合わせた、「情熱の赤」を基調にした衣装で登場した。真央選手は、果敢に新技に挑んだ。ステップを踏んで跳んだ高いトリプルアクセル…着氷にやや乱れは出たものの、持ち堪えて成功させた。次はダブルアクセルとトリプルトゥループのコンビネーションジャンプを美しく決め、更にトリプルフリップ×トリプルトゥループも見事に決めた。今季、成長を見せたスピン、ステップもほぼ完璧に滑り、ダブルアクセル、トリプルルッツ、トリプルフリップの単独ジャンプも高さのある美しいジャンプで得点を重ね、そして終盤、トリプルルッツ×ダブルループ×ダブルループを決めると、零れんばかりの笑顔になった。そしてレイバックスピン、フライングシットスピンも軸がずれる事無く美しいままフィニッシュ。長野のスケートリンク、ビックハットはスタンディングオベーション、拍手の渦に包まれた。

得点は、技術点(要素点)=トータルエレメンツスコア(TES)が70・18と、とんでもない得点が飛び出し、5つの観点(スケーティングスキル・トランデッション/つなぎ・パフォーマンスエグゼキューション・振り付けと構成・音楽の表現力)でのプロクラムコンポーネンツ(PCS)も、全て7点台の59・84で、トータルセグマンスコア(TSS)は130・02点とパーソナルベストを更新した。そしてSPとの合計点199・52は、イリーナ・スルツカヤ選手(ロシア)の持つ198・06点を上回る女子国際大会の歴代最高点となった。今日の出来を見ていると、まだまだこの得点は更新していける可能性が高く、真央選手本人も、「今日、ちょっと上手に出来たので自信があります」とGPシリーズ2連覇への意気込みを語った。昨年から天才少女と騒がれ、負けられないというプレッシャーが大きく圧し掛かっていた。フィニッシュの瞬間、その重圧から解き放たれ、長いトンネルから出たような、一皮向けて大きく羽ばたく切っ掛けを掴んだような…ワンステップ上に駆け上がった真央選手の笑顔は、いつも以上にまぶしかった。
史上初、日本選手が表彰台を独占した。クリックすると元のサイズで表示します
                        写真…時事通信より

また、村主選手は、カールジェンキンスに依頼したという女性コーラス入りのファンタジアに乗って村主選手独自の世界を創り上げフリーの得点、117・39点で合計179・31点で2位となり、GPファイナル進出を決めた。一方、中野選手は、健闘して3位に入り、GPシリーズ初の日本選手、表彰台独占の1人となったが、ジャンプに迷いがあるように思えた。既に練習の時から不安げな表情が見て取れた。スタート直後のトリプルアクセルは決められず、ジャンプの失敗も目立ったが、SPの失敗を糧にし、今日のスピンには中野選手本来のスピードが帰って来ていた。フリーは、全ての選手の演技を観る事が出来たが、練習の成果を出し切った選手、まだ、途上中で自信のない演技の選手…様々だった。全ての選手がこの大会を糧に成長して欲しいと願い、それぞれの選手の演技の成功と失敗に一喜一憂しながら観ていた。フィギュアスケートは、見た目以上に強い精神力が必要なように思う。失敗をしても演技を投げず最後まで滑りきり、フィギュアスケート観戦を楽しませてくれた、他の選手達にも拍手を送りたいと思った。
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2006/12/2

GPシリーズ、最終戦NHK杯女子SPを観て…師走の日に思う  フィギュアスケートと浅田真央選手

今日は、夕方に突如依頼されて、中部国際空港(セントレア)へ、アメリカから帰国する人を迎えに行った。予定していた人の車が故障して使えなくなり、車を貸して貰えないか…と連絡が入った時、丁度手が空いていたので、私が出た方が早いと迎えに行く事にした。仕事をしていて生放送では観られなかったフィギュアスケートのグランプリシリーズ最終戦、NHK杯を録画予約して空港へと向った。気がつくと最早12月、セントレアは去年のブルーを基調としたライトアップから一転して、華やかな赤と金のイルミネーションに包まれていた。
クリックすると元のサイズで表示します セントレア入り口の大きなツリー。

帰宅して録画してあったNHK杯を観た。既に各メディアでは、残り2枠となったグランプリファイナル出場に向けて「浅田真央、背水の陣」などと報道し、真央選手にプレッシャーをかけている。結果は既にネットでは出ていると思いつつも、私自身の肝試しのようなつもり(私は何故か、自分で何かする時は度胸が据わるが、応援している選手とか他の人の場合は、体中が心臓のようになってしまう)で、結果を確認せずにTVの前に座った。浅田真央選手は4番滑走、リンクに現れた表情から、かなり緊張しているように見えた。ショートプログラム、ショパンのノクターンの曲が流れた。穏やかで心静まる曲…真央選手は最初のトリプルルッツが着氷で流れ、冷やっとしたが、(本人曰く)反って緊張が解れたようにトリプル×トリプルのコンビネーションジャンプが決まると笑顔がこぼれた。観ているだけで幸せな気分になれる「真央ちゃんスマイルの復活だった。
SP自己ベスト更新した真央選手。クリックすると元のサイズで表示します

真央選手は、SPの8つの要素…2分50秒以内で、3回転のジャンプ(若干流れたように見えた)、連続ジャンプ、ダブルアクセル、片足を腰よりも高く上げたポーズの前向きスパイラル、同じく後ろ向きスパイラル、コンビネーションスピン、ステップをほぼ完璧に滑り、SPの自己ベストを更新する69.50点でトップに立った。私の目にはスケートアメリカの時の滑りの方が、美しかったと感じたが、一つ一つの要素のレベルが上回っていたのだろうと思った。私は、真央選手が自分のペースで滑れた事に安堵するとともに、このまま明日もリラックスして滑って欲しいと願うばかりだった。続いて村主選手が登場した。GPシリーズも10回出場という経験も手伝ってか、堂々とした滑り、演技力は相変わらずで難しいと言われている曲「ボレロ」を滑りきった。しかし得点は意外に伸びず61.92点で2位につけた。

そして昨年のNHK杯の覇者、中野選手の滑走となった。昨年に比べると表情も豊かで女性らしさを増したと感じたが、真央選手同様、昨年のように「無欲」という訳には行かず、かなり緊張していたように見えた。すると得意のコンビネーションスピンに乱れが出て得点は、56.86点。それでも外国人選手を大きく引き離し、3位につけた。それにしても中野選手の演技終了間際のドーナツスピンの美しさは、彼女の代名詞と言っても良いほど美しく、TVカメラには天井からのアングルで写して欲しいと思った。

GPシリーズは、既に5試合を終え、各大会順位別につけられた1位=15点、2位=13点、3位=11点…と設定された得点の合計点から、28点の安藤美姫選手、ユリア・セバスチャン(ハンガリー)選手、26点の金ユナ(韓国)選手、そして24点でもロシア杯で優勝しているサラ・マイヤー(スイス)選手、が、ファイナル進出を決めており、残り2枠を24点のジョアニー・ロシェット(カナダ)、キミー・マイズナー(アメリカ)と真央選手、村主選手、中野選手の4人で競う事になっている。もしフリーの演技を終えて、真央選手が優勝すると26点で確定し、村主選手と中野選手は、2位以上で合計25点以上となり、出場が確定する。しかし仮に真央選手が2位になった場合、24点でロシェット選手とマイズナー選手と得点では並ぶ事になるが、その場合、各大会での順位が上の選手が出場となる為、カナダ大会で優勝しているロシェット選手有利となってしまう。

★詳しくは、テレビ朝日のサイト「フィギュアのミカタ」で…>http://www.tv-asahi.co.jp/figure2006/

採点より順位が重要というGPシリーズは、どの大会に出場するか?が大きく影響するようで、何となく公平性に欠ける気がするが、世界選手権の順位6位までは、地元の利を考慮してシードされ、残りはくじ引きで決まるそうだ(スピンさん談)。結果的に女子は、残り2枠をめぐって日本人選手が凌ぎを削る事になった。NHK杯は表彰台を3人で独占し、そして出来れば2人以上(本音は3人ともだが)、14日〜17日、ロシア・サンクトペテルブルクで開催されるGPファイナルに出場して欲しいと願いたい。とにかく真央選手には、この大会だけにこだわらず、笑顔で伸び伸びと滑って欲しいと思いながら、昨年、セントレアからGPシリーズ、フランス杯に向けてエコノミークラスの席に座って飛立った真央選手と、近くに乗り合わせた方の逸話を思い出し、歳月の流れを感じていた。
クリックすると元のサイズで表示します 赤とゴールド基調のイルミネーション
(離陸ロビー階にて)
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2006/10/31

スケートアメリカ…優勝は安藤美姫選手、浅田真央選手は3位。  フィギュアスケートと浅田真央選手

フィギュアスケートのGPシリーズ、初戦のスケートアメリカは、現地時間の28日、女子のフリー演技が行われた。SPの上位6名が最終滑走組に入る事に決められているが、その6人の中に、日本人選手が3人共入ったのを誇りに思いながらTV放映を観ていると、最終滑走組の6人が、6分間の練習に滑り出して来た。観客の視線は、前日SPで1位になっていた真央選手に集中していた。そんな熱い視線の中、真央選手が初の試みとして取り入れた、ステップからのトリプルアクセルを綺麗に決め、その度に拍手が起きていた。
クリックすると元のサイズで表示しますクリックすると元のサイズで表示します

真央選手…フリーの演技とエキシビションの演技

フリーの演技が始まろうとしていた。真央選手には、SPトップの気負いはなく、いつもの表情に思えた。またこのプログラムは、1週間前に行われたキャンベルズカッブでも滑っており、最初のトリプルアクセルで転倒したものの、その後は持ち直して参加者の中では115.36と、最高点を出していた。実は、このスケートアメリカのTV放映は、録画で放送していた為、私は既に結果を知っていた。それでも真央選手に限って…と、その後起こる事態を信じたくなかった。「チャルダッシュ」の曲が流れ真央選手の演技が始まった。冒頭に組み込まれていた、トリプルアクセル…。ステップを踏んで跳んだ瞬間、ふわりと抜けたようになり、1回転半になってしまった。数分前、見事に決めていたジャンプだった。期待に膨らんでいた会場の歓声が、溜息に変った。

真央選手は、その後この失敗を引きずるように、ジャンプにも精鋭を欠き、予定していた3回転×3回転や、3回転×2回転×2回転の連続ジャンプも跳ぶ事ができない上に、スピンもスピードを欠き、回転数が足りないままの姿勢やエッジのチェンジとなってしまい、目指していたレベル4どころか、レベル1に終わってしまった。真央選手に何が起こったのだろう?、滑走後のインタビューには、本人も「何故かは分らない、勢いがなかったです」と答えた。私はスケートを滑った経験もないが、フィギュアスケートで、SP、フリーと2つのプログラムをノーミスで揃える事の難しさを痛感し、高い技術だけでは可能ではない、精神的にも非常に繊細でデリケートな競技だと改めて感じた。
自己ベストを更新した安藤選手。 クリックすると元のサイズで表示します

一方、安藤選手は、トリノの苦い経験をバネにして、SPに続いてノーミスで演技を終えた。メディアによっては、「何故オリンピックの時に、この演技が出来なかったか?」と報じているものもあったが、反対にあの時の屈辱があったからこそ…だと大半の人々は思ったに違いない。あのトリノの時は、明らかな練習不足で試合に臨んだ安藤選手…彼女を4回転ジャンプに、こだわり続けさせ、さもチャレンジするだけでいいという気持ちにさせてしまったのは、日本のマスコミだったのではないか?と振り返る。スケート協会やスポンサーの都合による、オリンピック強化選手という立場が、安藤選手を追い込み自暴自棄にしていたとも取れた。マスコミは、チヤホヤと騒ぎ立て、そしてバッシングという形で叩き落す…。その渦中に巻き込まれ、一番翻弄させられたのは、安藤選手だったような気がしている。

今回のスケートアメリカについて、中日新聞の記者が短いコラムを書いていた。それは、日本の報道陣やカメラクルーが、取材対照選手のホテルの通路に陣取り、「出待ち」をしていた事に対しての外国人記者の疑問について…だった。つまり日本の報道関係者が番組制作の為に、浅田姉妹や安藤選手が姿を現すのを待ち構えていたらしいのだが、通路で待つような取材をするのは日本の報道陣だけで、実際に「君達は(通路に立ってまで)何をしているのか?」という質問さえあったらしい。所謂「出待ちしている」と答えると、首をかしげながら理解に苦しむような冷たい視線を向けて去って行ったという。更に地元の新聞にも「日本のメディアの人達は、落ち着きなく選手を追いかける」と書かれたらしい。
 クリックすると元のサイズで表示します  未来ある表彰台の3選手。

日本時間の29日深夜、フリーの公開練習の前にも、選手のインタビューが生放送で放映されていた。このGPシリーズを一連の物語にし、視聴率を上げたいTV局の気持ちは解らなくもないが、選手達の精神的影響を考えると、行き過ぎの帰来は捨てきれない。真央選手の本番での失敗との因果関係が有るとは言えないが、プレッシャーをかけて、追い込んで行くような質問攻撃はやめて頂きたいと思った。 更に欲を言えば、既に日本時間の昼前に終わって結果の出ている試合を「(浅田真央)逃げ切るか?(安藤美姫)逆転はなるか?」と、さも生中継のように演出をするのは、何とかならないかと思った。フィギュアの人気が上がり、TV放映して頂けるのは有り難いが、演出のやりすぎは白けさせる以外の何物でもない。スポーツ番組は、ドラマではない。ストーリーを作るのは、番組の制作側ではなく、選手達のはずであって欲しい。

それにしても、安藤選手の復活は見事だと思った。今大会で安藤選手の出した得点192.59は、国際試合でのSP、フリーの合計点で、スルツカヤ選手(露)の198.06、コーエン選手(米)の197.60に次ぐ歴代3位の成績だった。トリノでの失敗によって、マスコミが「4回転」と騒いでいた喧騒が過ぎ去り、新たな気持ちになって自分のペースで努力出来た賜物だと感じた。マスコミに対しては、真央選手に限らず、とにかく静かに、そして温かく見守って欲しい…と願っている。
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2006/10/29

浅田真央選手、GPシリーズ初戦…スケートアメリカ・SP1位発進!  フィギュアスケートと浅田真央選手

美しい…。煌びやかさがあった。「Brilliance」…。真央選手の演技を表現する、最も相応しい言葉は、なかなか見つからなかった。私は幼少時、クラックバレエを習っていて、パレエの講演は何度か観ていたのだが、初めてロシア、キーロフバレエを観た時の感動は、今も忘れられない。その時の感動が感動の涙と共に甦った。透き通るようなシルクスクリーンを背景に繰り広げられたキーロフバレエの世界…シルクスクリーンの舞台を氷に代えて、真央選手が美しく、しなやかに舞った。封印されていた玉手箱が開き、流された曲は、ショパンの「ノクターン」。優しいピアノの調べに乗せて…それは、競技のプログラムを観ている緊張感はなく、観る者をうっとりとさせてしまう…安らぎの世界へといざなってくれた。

クリックすると元のサイズで表示します 衣装も美しかった真央選手。

結果得点は、昨季、真央選手がGPファイナルで優勝した時の、SPパーソナルベストを更新した68.84点だった。溌剌、可愛い、明るい…昨季までの真央選手は、正確さと高さのあるジャンプには定評があり、スピンやスパイラルなど全ての要素でも片手によるビールマンスピンを始め、群を抜いた技術を持っていた。しかし、更に進化した真央選手は、優雅さを身につけた。真央選手は、演技後のインタビューで、自身の演技による成長の理由を「練習の環境が変り(名古屋、スポーツセンターのリンクから、ロサンゼルス郊外のLake Arrowheadのリンクへ)、毎日沢山の時間の練習に励んだ」と語った。コーチは、世界選手権の覇者であり、全米選手権8連覇の偉業を達成した…ミッシェル・クワンを育てた、ラファエル・アントゥニアン氏…。アントゥニアン氏は、真央選手の表現力を大きく成長させた。その研ぎ澄まされた表現力には、溜息が出るばかりだった。
ロス郊外、Lake Arrowheadのリンク クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示します 2006年全米選手権、上位3人。
キャンベルズカッブで日本勢は、この3人に勝った。
   ※写真ご提供:スピンさん

そして、2位につけたのは、昨季、世界選手権の女王、キミー・マイズナー選手ではなく、トリノオリンピックで辛苦を舐めた安藤美姫選手だった。安藤選手は、先日のキャンベルズカップの好調さを保ち、更に切れのある演技で、SPの自己ベストを更新した。SPの曲は「シェラザード」…。アラビアンナイトに登場する千夜一夜の語り部、シェラザード姫の姿を力強く演じていた。また、浅田舞選手は、シニアGPシリーズ初参戦の緊張感からか、ジャンプで両足着氷するなど、小さなミスはあったものの、独特の美しい演技で観客を魅了した。彼女達の演技を観ていて、日本チームのこの3選手が、キャンベルズカップで強豪3人(コーエン選手、マイズナー選手、ヒューズ選手)のアメリカチームに勝った実力は、本物であったと確信した。スケートアメリカは、今季個人戦、初試合なので、選手達はGPファイナル進出を目指し戦っているのだが、彼女達の素晴らしい演技から、私達は競技を超越した芸術作品を観るような、豊かな気持ちになる事が出来る。本日行われるフリーの演技…日本選手・3人の活躍が楽しみである

◎以下は、イタリアで一足早くSPを観戦した、
フィギュアスケート経験者…スピンさんのコメントから。フリーに向けて。

真央ちゃんのフリー曲“Czardas”はイタリアのヴィットーリオ・モンティ:Vittorio Montiが作曲したものなんだけど、スローな序盤からアップテンポしてって激しい"Friska"に移って行くの。疲れてくる後半のほうがアップテンポって大変。それから、プラクティスの映像を見るとステップから跳ぶジャンプって言っても真央ちゃんのは単純なステップじゃなくて、スリーターン+αみたいなステップシークエンスになってる感じ。これは真央ちゃんみたいにもともとジャンプまでの助走が短いスケーターじゃないと絶対に無理。あれで、良くジャンプのタイミングが取れるなぁ…。♡→ܫ←♡
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2006/10/27

浅田真央選手、GPシリーズ2連覇へ向けて…スケートアメリカ  フィギュアスケートと浅田真央選手

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズが、現地時間の26日、アイスダンスの既定演技を皮切りにスタートした。開幕戦のアメリカ、コネチカット州のハートフォードで行われている「スケートアメリカ」には、日本から、浅田舞・真央姉妹と、安藤美姫選手の3人が参戦している。このGPシリーズは、国際スケート連盟(ISU)が承認する国際大会で、前身は1995年にスタートした「チャンピオンシリーズ」。1996年からGPシリーズと名前を変え、大会は、アメリカ、カナダ、中国、フランス、ロシア、日本の6ヶ国で行われる。選手は2試合か1試合に出場するという条件の中で、優勝→12点、2位→9点、3位→7点、と、それぞれ大会の順位に応じて与えられた得点の上位ランキング6人の選手が、12月に開催されるGPファイナルに進み、チャンピオンを決める。今季ファイナルは、12月14日から17日にロシア・サンクトペテルブルクで開催されるそうだ。

クリックすると元のサイズで表示します キャンベルズカップで優勝した
女子日本チーム(舞、真央、安藤選手)


スケートアメリカでは、昨年のGPファイナルの覇者で2連覇を狙う浅田真央(16才)選手と、3月に開催された世界選手権、金メダリストのアメリカ、キミー・マイズナー選手(17才)が、いきなり激突!。現地26日のUSA・TODAYでは「10代のトップ選手が大ジャンプを跳ぶ」という見出しと共に、真央選手の写真を掲載し「トリノオリンピックにも、世界選手権にも若すぎて出られなかった」と紹介、注目を集めている。真央選手は、姉の舞選手と一緒に、今季から練習拠点を名古屋からアメリカに移し、ラファエル・アントゥニアンコーチの下で、新プログラムに取り組んで来た。先日開催された団体戦、キャンベルズ・カップではフリー演技を初披露、最高得点を出したものの、新しい試みであるステップからのトリプルアクセルで転倒し、スピンにもスピードと切れが見られなかった。真央選手は、試合後に「調整不足」と冷静に反省、今大会では「ノーミスの演技を目指す」と誓った。
豪華ショット(真央、マイズナー、舞選手) クリックすると元のサイズで表示します 

一方、このGPシリーズ、初デビューとなる舞選手は、芸能活動から引退してスケート一筋に賭けて来ており、キャンベルズカップでは、ジャンプに力強さが見え、スピン、スパイラル共に、華麗で正確な美しさがあった。また、安藤選手は、今季のテーマを「基本に戻る事」とし地道に練習を積んできた。結果、同大会で、ジャンプに切れが戻り、スピンにもスピードが増し、好調な仕上がりを見せていた。尚、安藤選手は、スケートアメリカの後、第4戦目のフランス大会にも出場し、昨年世界ジュニア選手権で、真央選手を破って優勝した韓国の金ユナ選手と相対する。さて、いよいよ名古屋出身のこの3選手が、3月に東京で開催される世界選手権に向けスタートを切る事となったのだが、今後の(女子)フィギュア界を担うであろう…10代の3選手が出場するスケートアメリカから目が離せない。

☆GP大会の日程と出場予定選手は以下の通り。

1、スケートアメリカ  10/26〜10/29  於:ハートフォード

男子  織田信成 (関大)、南里康晴(中村学園大)
女子  安藤美姫 (中京大)、浅田 舞(東海学園高)、浅田真央(中京高) 


2、スケートカナダ  11/2〜11/5  於:ビクトリア

男子  高橋大輔 (関大)
女子  村主章枝 (avex)、恩田美栄(東海学園大職員)


3、中国杯       11/9〜11/12  於:南京

男子  中庭健介(ハビオク)、柴田 嶺 (明大)
女子  中野友加里(早大)、沢田亜紀(京都外大西高)、浅田舞(東海学園高)


4、フランス杯     11/16〜11/19   於:パリ

男子  小塚祟彦(中京高)、南里康晴(中村学園大)
女子  安藤美姫 (中京大)


5、ロシア杯      11/23〜11/26  於:モスクワ

男子  柴田 嶺 (明大)
女子  恩田美栄(東海学園大職員)、沢田亜紀(京都外大西高)


6、NHK杯      11/30〜12/3  於:長野

男子  高橋大輔 (関大)、織田信成 (関大)、小塚祟彦(中京高)
女子  村主章枝 (avex)、中野友加里(早大)、浅田真央(中京高)
 

さて前記した得点の上位6人が、大会のクライマックス…ロシア、サンクトペテルブで開催される「GPファイナル」に出場するのだが、このファイナルに出場し、日本選手の中で表彰台へ上がった最上位の選手は、3月の世界選手権の選考会である、全日本選手権(於:名古屋)を待たずして、世界選手権の代表に事実上内定するという。
クリックすると元のサイズで表示します キャンベルズカップでの真央選手。

ところで、表情にあどけなさを残したまま、身長が162cmまで伸びた真央選手は、25日と26日に行われた公式練習で、フリーの曲「チャルダッシュ」に乗り、トリプルアクセルを3回とも成功させた。助走を長く取らず、細かいステップを刻んでから跳ぶ…このトリプルアクセルは、両片手でのビールマンスピンと共に、真央選手のオリジナル技である。28日のフリーでは、鮮やかに決めてくれるよう…祈っている。

◎本日のオマケ(スペシャル)
始球式を務めたマイズナー選手。 クリックすると元のサイズで表示します
(オリオールズ戦にて)

 ※ 掲載写真ご提供:スピンさん
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