2006/1/28

元ライブドア社長の堀江氏と、稲盛和夫氏の「成功への方程式」  株式

IT企業のはずだった、ライブドアの組織図を改めて見ると、傘下に並んだ子会社には、金融関連企業がずらりと並んでいる。新聞の経済面には、ライブドアグループの収益金の70%が、金融企業からだ。とも書かれている。それもただの金融業者ではなく、「ライブドアの最大の商品は自社株」でもあったようだ。捜査が進むに連れて、ひたすら自社株の値を吊り上げて、時価総額世界一の会社を目指した、その手段を選ばぬ姿が浮き彫りになって来ている。
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1年前、フジTVと争ったニッポン放送株に使った時間外取引も、「脱法行為」との批判の声に「ずるくても合法なら許される」と堀江氏が口にしたのは、記憶に新しい。知り合いに堀江氏の著書「稼ぐが勝ち」(光文社)を持っている人がいて、貸してもらった。その著書の中には「金をもっている奴が偉い」「人の心はお金で買える」「善悪は儲かるか、儲からないかで決まる」もう、お金の欲の話ばかりで、その考え方は、お金が全てというもので、金・金・金の文字が溢れていてお腹一杯になり、ゲップが出そうだった。結局、プロ野球界への参入しようとしたのも、お金儲け目的にしか過ぎなかったのだろう。
クリックすると元のサイズで表示します 『成功への情熱』稲盛和夫・著 発行:PHP研究所

2001年の2月の半ば頃だった。その前年10月、KDD、DDI、IDOの合併により KDDI(株)が、設立された。その名誉会長には、京セラ(株)を設立し、1997年から名誉会長を務められている、稲盛和夫氏が就任された。その設立パーティに列席し、稲盛氏の講演を聞いて来たという仕事先の工場長さんが『成功への情熱』という稲盛氏の著書を貸して下さった。その本の中には、稲盛式「成功の方程式」として…

      人生の結果=考え方×熱意×能力

…が書かれていた。この方程式は、足し算ではなく、掛け算だという所に、ポイントがある。この中の何が優れた数字であっても、掛け算では、1つが−になれば、全てが−になり、更に他が大きい程、−がどんどん大きくなってしまうのであった。当時の私は、そのバランスが大切だと、読んだものだった。その『成功への情熱』の本は、お返ししてしまい手元にはないが、今でも、何かでガツンと叩かれたような、衝撃的な印象を持った事を思い出す。
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その稲盛式方程式を、IT企業の風雲児とも、時代の寵児とも言われた堀江氏に当てはめてみた。堀江氏には、確かに能力もあった。熱意も充分だった。しかし、考え方が法を逸脱してまででは良くなかったのだと思った。方程式に従えば、その能力と熱意が膨大すぎたゆえの、大暴走であり、−が余りにも大きくなり過ぎたのではないかと、改めて稲盛氏の方程式が、起業し事業を続けていく者にとって、鋭い指針となる気がした。堀江氏の会社創設当時の社名は「オン・ザ・エッジ」だった。「エッジ」をジーニアス英和辞典で引くと、「刃、刃先」や「縁、へり、角」の意味の他に「(欲望の)激しさ、熱意」という意が見つけられた。偶然とはいえ、その軌跡を暗示していたようで皮肉なものだと思った。

クリックすると元のサイズで表示します高知競馬場で28、29日のレースに出走停止になった「ホリエモン」(オス4歳)…馬には罪がないが…

新生ライブドアは、『脱堀江』のイメージを鮮明に打ち出して経営を立て直す方針を打ち出しているという。ライブドア関連のサイトから「堀江」「ホリエモン」の文字が続々と“消去”されている。ポータルサイトからは「堀江貴文日記」「堀江貴文のお仕事Biog」など堀江氏に関るサイトへのリンクが削除されている。身内の“ホリエモン離れ”が加速する背景には、フジテレビとの関係がある。再建に向けてはフジとの提携問題が焦点となる。フジ側は違法行為に関ったとされる堀江氏ら旧経営陣が、経営から手を引いたことを評価し、支援策を検討しているのだ。法令順守と企業統治体制が確立した時点で具体的な支援策を打ち出すとしている。一方堀江氏は、東京拘置所で「資金繰りは大丈夫か」等と経営を気に掛けているという。拘置所内では、新聞も自身に関連する記事は、黒塗りされて読むことが出来ない。情報社会で時代を先取って来たはずの堀江氏。今では身内の『脱堀江』のニュースさえも知る事が出来ない。
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2006/1/25

『ライブドア』株の行方…「監理ポスト」の意とは?  株式

株には全く興味の無かった私が、最近新聞紙面の株の欄を開くようになった。自分に持ち株もないのに、見ているのも妙なものだが、ライブドアショックの余波を受けた他の株価がここに来て、安定して来たようで良かったと安堵している。さて、その株価欄の紙面の末尾に「監理」と書かれた部分があり、マザーズのページの「監理」の部分に『ライブドア』と『ライブドアマーケティング』が記されている。
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では、この「監理」と書かれた「監理ポスト」について質疑応答式に書いてみようと思う。尚、素人が調べたデータなので、詳しい方は間違いは勿論、説明不足の点等、ご指導願いたい。

<font>Q1 管理ポストとは?<font>

上場廃止の可能性を、投資家の人達に知らせる為区別してある。東証は今後、上場廃止基準に触れるかどうかの審査を行い、違反しているとみなされば、「監理ポスト」から、「整理ポスト」に移し、原則として1ヶ月後に上場廃止となる。それまでは、基本的に株の売買は通常通り行える。

<font>Q2 『ライブドア』と『ライブドアマーケティング』 両者株が何故、「監理ポスト」に置かれたか?<font>

ライブドアに対する強制捜査後に、東証は情報開示が不十分として、両者の株を21日付けで「開示注意銘柄」に指定した。しかし、堀江氏らの逮捕により、上場継続を認めると、公益や投資家の保護を定めた東証の「包括規定」に触れる恐れが発生した為、投資家に更に注意喚起する必要が出来た。堀江氏らの逮捕容疑である「偽計取引」や「風説の流布」については、明確な上場廃止基準が定められていない。その為、東証は捜査の進展に注意しながら、粉飾決済など他の明確な上場廃止基準に触れる行為が無かったかどうか、調査中である。

<font>Q3 過去に包括規定だけで、上場廃止になった例は?<font>

伊豆箱根鉄道など4件ある。包括規定は、その裁量の余地が大きいので、東証は客観的な証拠や事実を積み重ね、慎重に判断するのではと思われる。

<font>Q4 一部で既に報道されているが、ライブドアグループの粉飾決算が明白になった場合は?<font>

西武鉄道、カネボウなどの例のように、明確な上場廃止基準である、有価証券報告書の虚偽記載に当たり、上場廃止になる可能性が高い。

<font>Q5 『ライブドア』と『ライブドアマーケティング』 両者株が、「整理ポスト」に移った後に上場廃止になった場合の売買は可能か?<font>

「整理ポスト」でも売買は可能だが、まもなく市場で取引できなくなる不便さを嫌い、大きく値を下げるケースが殆ど。ライブドアの株主は22万人いて、上場廃止の影響は大きい。そして市場から資金調達できなかったライブドアが、グループ企業を身売りするなど、グループ解体をする可能性も出てくる。

<font>Q6 『ライブドア』と『ライブドアマーケティング』 両者株の上場を認めた東証に責任を問う事が出来るか?<font>

長友英資・東証常務曰く「上場会社が最初から誤魔化しを行った場合の解明は、なかなか難しい」と説明しているが、両社株を商品として並べた責任は免れない。仮に「包括規定」だけで両社株の上場廃止を認めた場合、ライブドアの株主が、東証に対して損害賠償を請求する事態も考えられる。

<font>Q7 『ライブドア』の株を持っていて、手放したいが?<font>

株価は下がる一方で、損が膨らんでいく帰来の為売りたい人が多い。現実に16日の強制捜査以降は売りが殺到していて、なかなか思うようには売れない状況が続いている。今日もライブドア株は137円で終え、売買高は4億2155万株となったが、システムダウンを防ぐ為、取引時間は午後1時半から3時までの90分間に制限された。明日は更に30分間、短縮される可能性もあるそうだ。

クリックすると元のサイズで表示します◎閑話休題
「ライブドア」株価の推移は、昨年12月20日、株式分割後の最高値794円から、700円前後で安定していたが、強制捜査後から下がり続け、売り手が殺到してなかなか買手がつかず、取引終了時に比例配分される現状が続いている。以上、株は人気次第で流動物とは解っているが、なかなか厳しい状況にあるようだ。堀江氏が社長の座を退き、ライブドアが買収したソフト会社「弥生」の社長、平松氏が新社長に就任し、急遽新体制を整えたが、社会や株式市場の信用を取り戻す事への道程は、かなり険しそうだ。

○引用参考  中日新聞

クリックすると元のサイズで表示します◎<font>☆補足<font>
昨日、25日は、株価の下落に「買い」も殺到したという。株式市場の「寵児」も今や買収の標的となりつつあるようだ。筆頭株主の堀江氏は、取締役も辞任したと報じられた。堀江氏は、1億8千万株を所得していた為、16日からの9日間で千億円を超える資産を失った事になるそうだ。1年前は、ニッポン放送株の買収合戦を演じていたのだから、その流動性の大きさに鳥肌が立つほどの、恐怖感さえ感じてしまった。
<font>
◎1日前の投稿にコメント頂いた「毎日父さん」様が、ライブドアの宮内氏と耐震偽装事件の姉歯氏を対比して書かれています。以下にご紹介させて頂きます。
http://diary.jp.aol.com/applet/xwbsua/20060126/archive
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2006/1/24

ライブドア王国崩壊か?…ゲーテの「ファウスト」との共通点…1  株式

昨夜(23日)から、各TV局、新聞各社(一部地区では、昨夜号外も出たらしい)が報じるライブドア、取締役(元)社長の堀江氏を含む4人の取締役の逮捕劇。警察特捜部の発表によると堀江氏は、子会社「ライブドアマーケティング」の株価をつり上げ、多額の売却益を得る目的で、2004年10月、既に実質支配する投資ファンドが出版会社「マネーライフ」を買収していたにもかかわらず、買収による相乗効果があるかのように虚偽の買収計画を発表した。更に同年11月、マーケティング社が赤字だったにも関らず、架空の売り上げを計上させ、黒字に粉飾した決算短信を公表した。…このような容疑が持たれている。
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フジTVは既に契約解除と保有株を売却する決定し、更にライブドアを控訴する準備をしているようだ。そしてライブドアと提携している不動産販売・開発会社のダイナシティや、出版の幻冬舎等も、提携解消を検討している事を明らかにした。インターネット等で調べると、米誌ワシントンポストは、『日本で起きた最大の金融不祥事の一つ』と位置づけ、ニューヨークタイムズは、『皆が走っている高速道路で、その路肩を走り抜けたやり口』とその経営法を批判し、結局は『路肩から泥地に落ちた』と報じた。また、イギリスのファイナンシャルタイムズでは、『貧乏から金持ちになった(堀江社長の)物語は、多くの起業家に希望を与えたようだが、結局は神話だった』と論じていた。(一部、日本経済新聞引用)

クリックすると元のサイズで表示します ライブドアが本社を構える六本木ヒルズの森タワー。

このように、日本経済界をも揺るがした堀江氏であるが、朝から新聞各紙を読み比べながら、堀江氏を連想していると、私の中に、思い浮かんだ一つの物語があった。それは18世紀から19世紀初頭にかけ、ドイツの戯曲作家であって、小説家・科学者・哲学者でもあり、そして政治家としても活躍したゲーテが、58年の歳月を掛けて書き下ろした戯曲、「ファウスト」の主人公、ヨハン・ファウストという人物の物語だった。私は高校の時、夏休みに、従姉から半強制的にその本を読まされた。かなりの長編なので途中で嫌になるかな…と自分では思っていたが、原作が傑作だったのか、森鴎外氏の訳が良かったのか、双方揃い踏みだったのか、当時の私には解らなかったが、面白くて夢中で読み進んだ。
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その主人公「ファウスト」像としては、16世紀、ドイツに実在したと言われる同名の学者を描いていた。医師の資格を持ち、占星術を用い、錬金術師とも詐欺師とも言われた。読んでいるうちに、ノンフィクションを匂わせて、フィクションの部分も含むのでは?と感じたのは、ファウストが、悪魔と契約して魔術を操り、詐欺行為を繰り返したという内容だった。しかし残されている史実に基づくと、当時は、魔女狩りの全盛期であり、新旧両キリスト教は双方ともに「悪い魔法使いの実例」を探していた時代であったのだ。このファウストの同郷で、彼の事を「うさん臭い」…と思っていたルターは「ファウストは、悪魔と義兄弟の約束をしたのだ(悪魔との契約した)」と言って彼の悪評を流したという記録も残っている。ゆえに、史実と神話的ロマンを織り込んだ戯曲ファウスト」は、ゲーテが書いた「戯曲の最高傑作」とも言われ、その物語は演劇にとどまらず、オペラから人形劇に至るまで脚本化され、後世に受け継がれて、現在に至っている所以だと感じている。
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2006/1/24

ライブドア王国崩壊か?ゲーテの「ファウスト」との共通点…2  株式

物語の中の第1部で主人公のファウストは、前記したように、悪魔と契約し、偉大な魔力を手にした後、ギリシア神話の英雄達をこの世に呼び出して、トロイ戦争の発端になった美女ヘレーネを手に入れる。しかし絶世の美女や、有り余る富と、永遠の命までを手にするが、巨万の富も、女性の美しさも、永遠の時間から比べると一瞬のもので泡沫にしか過ぎなかった。ファウスト自身の心に残ったのは、年をとらないがゆえの永遠の苦しみだけで決して幸せではなかった。しかし、その事に気付かず、欲を出しすぎたファウストは、悪魔との契約が切れても、命を長らえたいと申し出るが、魂を地獄へ落とされてしまうのであった。そして第2部では、ファウストが、富や名声、権力では人は本当の幸福は得られないと気付き、本当の幸福とは何なのかと考え始め、1人の美女に導かれて心の安らぎの天国ヘと登っていくのである。物語は、このように綴られているが、この中からは、ゲーテの哲学的「幸福論」を読み取る事が出来る。私は堀江氏の報道を見聞きしながら、このファウスト博士の事を思い出していた。

クリックすると元のサイズで表示しますファウスト」や「若きウェルテルの悩み」を書いた文豪ゲーテ

さて話を戻して、現在のライブドアは、昨年のニッポン放送買収合戦で和解し、フジテレビから1470億円の資金を得た事もあり、2005年9月末現在の連結決算で948億円の現金・預金を保有している。この数字は「資産だけでもかなり魅力的」であり、その傘下にはネット通販大手のセシールや中古車大手のライブドアオート、ライブドア証券など競争力のある企業を複数抱えており、「2000億円以下ならば、買収に手を挙げる企業も出てくる可能性がある」と報じられている。既に外資系の大手ネット企業が同社に関心を寄せているとの情報も出回って居り、大幅に下がった株価を狙って本体ごと買収するという話も浮上しているという。堀江氏の指揮の下、M&Aを繰り返し、時価総額世界一の企業を目指し、株式の上場6年足らずで、44の子会社と5つの関連会社を抱え込んだライブドア王国…。堀江氏の逮捕劇によって一転し、買収される側に回るという皮肉な運命を辿るのだろうか…。
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尚、ゲーテの「ファウスト」は、戯曲としては、ファウストが心の天国に行くというハッピイエンドに終わっている。「お金で人の心も、幸せさえも買える、手に入らないものはない」。と豪語した堀江氏は、今、社長の地位を失い、権力の象徴としてきたお金さえも失いつつある事態になってしまった。堀江氏が、ファウストが辿り着いた「ファウストの幸福感」のように「心から幸せだ」と感じられる時を、迎えられる日が訪れるのだろうか…? ライブドアショックの激震が、今日になっても激しく揺れ続ける中、そんな事を思った。   
◎ライブドア元社長の名前は、逮捕されたが文中では堀江氏と記している。
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2006/1/21

ライブドアショック…その会社組織について思うこと  株式

ここ数日、新聞紙面上も、TVのニュースも、競うようにしてライブドアショックについて報道している。果ては世界各地のメディアも取上げるほどで、それだけ日本の経済界に対する影響が大きいのだろう。私は、勿論、投資するお金もないので、株や相場などには、手を出す事ができない。そして株に関しては、縁遠いとかなり勉強不足なのだろう。株や相場に明るくない私が書くのも、おこがましいが、堀江社長率いるライブドアを、小さいながらも会社を持っている身として、組織的に分析し、少し考えて見たいと思った。
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ライブドアは、企業の合併、買収(M&A)を繰り返し、巨大な雪だるまのようにその資産を増やしていった。合法的を豪語し「ニッポン放送買収騒動」で社会を驚かせた。昨年は、買収した子会社は、その忠誠を誓うブレーン達に任せ、衆議院選挙にも出馬し、落選するも大物政治家を相手に好戦した。馬主になった馬も、初勝利を上げ、堀江社長自身は、バラエティ番組等に登場し芸能活動にも勤しんでいた。余りにも、動くお金が巨大すぎて、私には実態が掴めない感じだったが、言葉どおり順風満帆であるかに見えていた。

佐々木俊尚氏著の「ライブドア資本論」によると、ライブドアを実務部隊として支えてきたのは、宮内氏、岡本氏、熊谷氏であるそうだ。そのうち、税理士出身の宮内氏が、M&Aでは、中心的な役割を果たし、その「錬金術」を担ったとされている。岡本氏は、ライブドアの前身「オン・ザ・エッジ」の頃からの堀江社長の仲間で、元リクルートの社員、全ての営業部門を任されていたと言われている。そして熊谷氏は証券会社出身で、ニッポン放送を巡るフジテレビとの攻防で、和解を勧めた核となって動いた。堀江氏は決してワンマンではなく、彼ら3人の率先部隊が動き、堀江氏は最終確認をしてゴーサインを出す。社長は広告塔、実務は信頼できるブレーンが動く…正に組織としては、非の打ち所がないように思えた。

また一般社員には、徹底した成果主義、ノルマ体制が執られていた。毎日勤務日報を書かせ、内容を公開する、ゆえに遊んではいられない。交際費は一切支給なし、文房具1つを買うにも見積もりが必要だった。3ヵ月に一度、査定をし、認められれば給料は上がるが、認められなければ最低賃金しか貰えない。本物の実力主義の会社のように見えた。しかし、社員の平均在籍期間は1年3ヵ月、大卒の初任給18万円の何倍も取る社員も居る代わりに、辞めていく社員も後を絶たなかった。勝ち組だけの会社組織、一見は強く頼もしい出来る社員ばかりを集めて邁進しているかに見えた。しかし「好事魔多し」…見えない所で何かが崩れ始めていたようだ。
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スポーツのチームでも、私のような零細企業でも言える事であるが、出来る人間ばかり集めて競争させると、何かそこに歪のようなものが発生する気がする。現実にライブドア内では、金融機関出身の者が何人も居て、新たなビジネスを求めて互いが競い合っていたようだ。それが投資部門の暴走に繋がったのではないか、と専門家は見ている。同じIT関連業界の「ヤフー」は、インターネットの入り口となる巨大なWebサイト(ポータルサイト)を持ち、「楽天」はネットショップでの収益を核として来たが、ライブドアにはそれがない。本業よりマネーゲームに傾注し過ぎた感は否定できない。

20日付けの中日新聞の記事によると、科学ジャーナリストの那野比古氏は「企業開発に資金を投入して、他の会社との差別化もしていない。本業を育てようとする迫力に欠いた。余りにトントン拍子で会社が膨張した為、人材育成がついていなかった。大企業など、法令順守に厳しい所の出身者が居なかった事も仇になったのではないか」と書いている。ライブドア社員の平均年齢31才。「お金があれば人の心だって買える」を豪語していた堀江社長だが、蜜月にしていた政治家達も、ここに来ての態度は冷ややかだ。「お金の切れ目が縁の切れ目」堀江社長が、今一番身に沁みて感じている言葉かもしれない。

19日、ニコンに続き、コニカ・ミノルタがカメラ・フィルム事業から撤退を決めた。同じ業界だが、次期日本経団連会長に内定している、キャノンの社長、御手洗冨士夫氏は、バブルが崩壊した後、不採算事業の整理に奔走し苦労されていた。その傍ら、人材を育てる事にも力を注いだという。逆境時でも「企業は人なり」という言葉を大切にされたのだった。同じ意で「人材」を材料の「材」でなく「財産」の「財」とし「人財」と書くべきとは、私も経営者として座右の銘としている。
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西洋の諺に『艱難汝(なんなんなんじ)を玉にす』という言葉がある、これは「逆境は人を賢くする」という意である。このブログでも以前取りあげた、樋口廣太郎氏の「逆境こそチャンス」という言葉も然りだろう。窮地を自力で切り抜けてきた企業は、玉は玉でも、泡玉や風船玉のように簡単には弾けない強くて輝く玉となる。ライブドアは、今日も株の売りが続き会社の存亡さえ危惧されている。この時どう動くか…?関連会社、そして時代の寵児として、政界にも持て囃された堀江社長の今後の動向にも注目していたい。

☆ 当ブログ内の記事から、関連記事。
○ 前例がない。だからやる」樋口廣太郎氏の言葉
http://diary.jp.aol.com/applet/hotarudesu/20051106/archive
○ 日本人初の宇宙旅行
元ライブドア取締役、現在投資家の榎本大輔氏について
http://diary.jp.aol.com/applet/hotarudesu/20051104/archive

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