ブログの活性化を図るため、
日替わりでテーマを決めて打つことにした。
(これだっていつまで持つ事やら)
月曜日・・・音ゲー関連
火曜日・・・本
水曜日・・・クラシック
木曜日・・・テレビ・映画
金曜日・・・JーPOP
で、今日は本の話。
先日、無性に読書がしたくなり、金欠のため文庫本を買うことにした。
本屋でうろうろすること30分、次の一文が目を引いた。
「どうして自殺してはいけないのか」
これは面白そうだと思い、さっそく購入。
それが、重松清の「舞姫通信」。
主人公の岸田宏海は私立の女子高に赴任したばかりの新米教師。
彼は5年前、双子の兄・陸男を飛び降り自殺で亡くしてしまった過去を背負って生きている。
彼が、勤める高校には、十数年前に飛び降り自殺で死んでしまった生徒”舞姫”が伝説として語り継がれ、
「舞姫通信」という、匿名の生徒が作成した通信が彼女の死後、配られるようになっていた。
自殺した陸男には佐智子という恋人がいた。
彼女は大手芸能プロダクションの社長の娘で、あらゆる芸能人をビッグにさせてきた。
彼女が次に手がけるのは、城真吾という、心中の末、生き残ってしまった17歳の青年。
彼が「どうして自殺してはいけないのか」とメディアに訴えることで、
佐智子は城真吾をスターに押し上げると共に、
陸男の自殺について考えたいと考えていた。
「舞姫通信」と自殺志願”城真吾”の存在は、
やがて宏海や佐智子の運命をも変えて行くことに・・・
・・・って、ちょっと説明が難しいんだけども、
「自殺」という重いテーマと「舞姫通信」っていう華やかなタイトルのギャップに
刹那的というか、はかなさを感じます。
で、物語は、主人公・宏海の目線で書かれている訳ですが、
最初、宏海は高校教師という仕事を望んで働き始めた訳ではないので(理由については省略)、
授業はそつなくできても、なかなか仕事に身が入らない生活をしています。
でも、自殺を巡っての様々な体験を通して、
徐々にその考え方が変わってきます。
特に、後半、仲の良い同僚教師が家庭事情により学校を辞めていくくだりは、
同じ学校教師として、非常に胸が熱くなる思いがしました。
で、本題、「どうして自殺してはいけないのか」という答えを
この物語からは導くことはできません。
この本は、自殺を肯定している訳ではなく、否定している訳でもない。
ただ、筆者の主張は十分に伝わってきます。
「人は死ねる。いつ。いつか。いつでも。
でも、僕は思う。君たちの「いつか」が、
ずっとずっと遠い日でありますように。」(本文より一部省略)
これが、この物語の主題になっているのかなぁと。
重い内容なので、強くお薦めはしませんが、
興味のある方は、一読してみてください。
ちなみに、一条は、なんでもそうなんだけど、
一つ気に入った作品に出会うと、その作者の書いた物を全部読みたくなる人なので、
今、同じ作者の「見張り塔からずっと」という作品を読んでます。
半分位読み終わったので、このペースだと、次回はこの作品になります。

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