川本喜八郎氏が亡くなったという報道を、夕刊ではじめて知った。
85歳だったそうだから、思ったよりも高齢でおられたが、何というか、残念というか無念な気持ちでいっぱいだ。
川本氏といえば言う間でもなく、NHK人形劇三国志のあの人形たちを造形した人として私の記憶にはくっきりと刻まれていて、それだけは忘れることが出来ない。
豪華版の人形劇三国志の写真集をわざわざ取り寄せたことも忘れられない。
展覧会にも行ったし、フィギュアも持っている。
三国志の人形が大好きだったのだ。
激しいデフォルメや奇抜さなどはなく、基本に忠実な人形ではあるけれど、品があって、芸術性が高かった。
もともと人形アニメーションの作家であって、有名な作品も多かった(「死者の書」など)が、見たいと思いつつ、今まで見てこなかった。
確か、長野県に展示館が建てられていたと思う。
そこも行きたいと思ったりしていたが、遠いので行けないだろうなあと諦めていた。
確か「太陽」の別冊で、川本喜八郎というタイトルの彼の人形の本が発売されていたのだが、それも欲しいと思いつつ、高額なので躊躇っていた自分が情けない。
人形好きとして、彼の人形は見逃せない、無視出来ない、非常に高度な魅力に溢れた人形だった。
過去形でこうして語ることがやるせない、悲しい。
ご冥福を。

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