だいぶ放置状態だったのだけれど、何事もなかったかのように書く。
NHKのSONGSという番組で、ホール&オーツ特集をしていて、懐かしくなってしまった。
DVDで彼らの画像は持っていないのでチャンスだと思い、録画した。
その昔、私はホール&オーツが大好きで、来日コンサートにも何度か行ったのだ。
もう30年前ということで、そんなに昔のことなのかとびっくりとショックとでくらくらしてしまった。
30年というと、まだ生まれていない人のほうが沢山いるじゃないか。
そう言えばその頃はまだレコードだったのだ。やっぱりものすごく昔なのだ。
そうだよ、サラエボ・オリンピックよりもっと前のことなんだもん。
でも改めて彼らのヒット曲をああして聞いてみると全然昔のような気がしない。
心は一気にあの頃に戻り、あの頃の曲を口ずさんでいる。
私が初めて彼らを知ったのは「リッチガール」がヒットした頃で、片割れがものすごいハンサムなデュオがいる、という噂を聞いたのがはじまり。
それまではアメリカのポップスは聞かなかった。イギリスの音楽ばかりを聞いていたのだが、ニューヨーク派であるホール&オーツは都会的なのだろうと思い、そしてダリル目当てで聞き始めた。
それから彼らのアルバムを買い漁ったものだ。
一番好きだったのが「ウェイト・フォー・ミー」のころで、自分的には「キッス・オン・マイ・リスト」くらいまでが一番盛り上がっていたのだった。
一般的には次の「プライベート・アイズ」のヒットでトップグループとなり、ヒットを連発してスーパーデュオとなっていったのだったが、その頃には私の熱はなぜか既に冷めつつあった。
レコードも持っているのがそのくらいまでだ。
スーパーグループになる前にも日本でも名前は知られていて、もう何度も来日公演をしていたので、私も何度も見に行った。
一番良かったのは「キッス・オン・マイ・リスト」の発売直後だっただろう。
長い歴史のあるグループなので、途中でヒット曲を矢継ぎ早に、惜しみなく演奏してゆくのに度肝を抜かれた。
「シーズ・ゴーン」「サラスマイル」「リッチガール」「ウェイト・フォー・ミー」……
「サラスマイル」はライブ用のアレンジで、すごく長く演奏していて素晴らしかった。
私の好きな「ウェイト・フォー・ミー」も素晴らしかった。
ああ、何もかもが皆なつかしい。
もうそんなに経ってしまったのだろうか。
ダリルは今63歳だとキャプションに書いてあった。
そうだよなあ。だって私だってウン歳だもん。
ホール&オーツというと、シンプルでちょっとおしゃれで爽やか、というイメージだったのだが、今の人は彼らをどう思うのだろうか。
あの頃はアメリカやイギリスの音楽が全盛で、日本の音楽はぱっとしなかった。
というより、私は今も昔も(例外があるが)日本の音楽を聞かない。
ずっと洋楽を聞いて育ったし洋楽を聞いて過ごして来た。
あの頃に比べたら今はJポップが当たり前のようになっているが、私はJポップがどうも苦手で聞かない。
年を取ると音楽すら聞かなくなるものだ。
そして年と共に聞く音楽も変わって来る。
あれから私も別のものを聞いたり、随分変わって来たのだろう。
でも、あの頃のあれらの音楽をもう一度聞くと、気持ちは一気にあの頃に戻ってしまう。
良かったなあ。
まさかホール&オーツがレコードだったなんてねえ。
そんなに昔だったのかあ。
手元に96年のライブという、ビデオが録画してあった。
DVDじゃない。ビデオだ。もう10年以上前だ。
でも、それでもホール&オーツにしたら新しい方だ。
時間の感覚がどうにも分からなくなってしまう。
でも彼らは今も活動しているという。素敵なことだ。
いや、ずっと活動していたらしい。立派だよね。(来日するのだとか)
彼らのベストアルバムが出るらしい。買ってみるのも悪くないかもしれない。
だってあんなにファンだったんだからねえ。
私の時間は今、昔に戻ったままだ。

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