西本願寺の御影堂と阿弥陀堂が国宝に指定されることになった。
今までは重要文化財だったが、格上げされるというのだ。
西本願寺では今まで、飛雲閣とか唐門が国宝だったと思うが、今度は門徒や信徒が自由に出はいりして使っている本堂が国宝になる。
西本願寺は堀川通にあり、京都駅から近く、街の真ん中だ。
そんな町中にあるところが国宝になるわけで、なんか西本願寺は国宝だらけになる感じだ。
ただお西さんは京都にたくさんある観光寺ではなく、門徒のたくさんいる、普通に「使っている」お寺だ。
国宝になったことで、観光客が増えるのだろうか。
それとも今までのようにただ静かに門徒がお参りにやって来る普通のお寺のままになるのだろうか。
私も御影堂には行ったことがある。
中はお西独特のきんきらきんに荘厳されており、まつられている真っ黒けの親鸞像と奇妙な対象をなしている。
東本願寺ほど広くはないが、非常に広いお堂で、畳百何畳かというがらんとしたというか、だだっ広いところだ。
近年、親鸞聖人の750回忌で改修工事がされ、それが評価されたのだという。
これからは国宝の中でお参りをすることになるのか。
真宗は、ほかのお寺のように観覧料を取らず、無料だから、自由にお堂に出入りできる。
国宝に自由に入って自由に参ることになるのか。
ずいぶん太っ腹なことになるなあ。
それとも、これで少しは観光客が増えることになるだろうか。
それとともに、お西の近くにある、私の愛する本願寺伝道院が重要文化財になるということもニュースに出ていた。
あの変わり者の伊東忠太が設計した、すごく変わった建物である。
インドサラセン風というか、中東アラブ風というか、とにかく変わった建物なのだ。
私は今も医者から帰るとき、時間があれば伝道院の前へ行って眺めて来る。
カメラは壊れてしまっているので写せないけれど、見るだけ見て来る。
あれが重文になるとは、感慨もひとしおだ。
中へは入れず、使ってもいないみたいだが、外見を見るだけでも価値がある。
そのほか西本願寺ではもう少し重文指定の建物が追加されたみたいだ。
いやあ、しかしこれで京都にはいくつの国宝があることになったのだろうか。
300近かったと思うが、一つも国宝がない県もあるというのに、悪いねえ、京都ばかり。
いやあ、まいったなあ。国宝が多くて。
歩いて行けるんだもん。国宝まで。
そういえば三十三間堂へも歩いて行ける。
歩いて行けるところにいくつも国宝があるなんて、恵まれているなあ。
重要文化財だって、京都にはたくさんあるぞ。数えきれないくらいだ。
これだって、歩いて行けるところがたくさんある。
歩いていれば重文にぶつかるって感じかなあ。
ほんと、悪いねえ。京都ばっかり。
そういえば平安神宮も重文指定を受けたんではなかったっけ。
あとはあの東華菜館だ。
あれを早めに何らかの指定をしておいてほしい。
登録有形文化財でも、府指定でも何でもいい。
見事な建物なのだから、維持のためにもちょっと補助金でも出してあげて欲しい。
ともあれ堀川通の、街の真ん中の、自由に出はいり出来る、あまり例のない国宝に万歳しよう。
うちの家は真宗の大谷派なのだが、母の実家がお西なのである。
だから、全く無関係というわけではないのだから、
今度散歩ついでに行ってみるか。
それにしてもすまんねえ、京都ばっかり。
京都に住んでてよかった。

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