コーセー・チーム・チャレンジカップという新しい大会がアメリカで開かれた。
日本でやっていた国別対抗と似ているが、また違う何だかへんてこな大会だ。
北米、ヨーロッパ、アジアの三地域に分かれて一番を決める。
まずショートだけでも優勝が決まるのか。やっぱり変な大会だ。
ペア、ダンスの選手もいるのにテレビではやはり全然やらなくて、いなかった扱いになってる。
仕方ないか。
とにかく今シーズンの最後の戦い。
フィギュア人気が低下しているアメリカでこういう大会を開いて、再びアメリカでも人気が再燃してくれればいいけれども。
ヨーロッパからはメドベもラジオノワも、コリヤダも出ていたし、アジアからはテン、ボーヤンも出ていたし、そこそこトップ選手が出ている。
テレビで見ていて、まず男子で一番良かったのはジェイソン・ブラウン君だ。
彼は今期確か怪我とかで試合に出て来ていなかったが、治ったのだろうか。
4回転はない選手なのに、相変わらずとても素晴らしい滑りを見せてくれて、うっとりした。
動作の何もかもが美しい。
スパイラルを多用して、スピンも女子のようなレイバックをしたりして、こういう選手がやっぱり一人はいてもいいというか、いて欲しいと感じる演技だった。
でも何といっても、宇野選手が世界で初めて4回転フリップを決めたことで、話題の大会になった。
彼も4大陸、ワールドと台乗り出来ず、随分悔しい思いをしたのだろう。
その悔しい思いを涙を流すだけでなく、ちゃんと糧にして、次のステップに見事に生かした。
最後の最後でその思いを結実させた。
それはすごいことだと思うのだが、私はやっぱり宇野は駄目、どうしても無理。
多分それは、羽生のことがあるからだと思う。自分でも分かってるの。妬みだ。
だって、ちびだからどんなにアクセルを飛んでも、4回転を飛んでもちんまり見えてしまうし、フリップだって、ランディングも不格好だった。
それでも認定されたんだけれど、どう見たって不格好なものは不格好だ。
やっぱり宇野より、雄大なボーヤンのルッツの方が好きだ。
ボーヤンのルッツを見るたびに、良いもの見せてくれた、ありがとう、とお礼を言いたくなる。
ボーヤンの不思議タンゴもこれが見納めなんだね。
女子では、宮原選手が相変わらず安定演技で、シーズン最後まで崩れることなく、こんな半ばお遊び大会までちゃんと丁寧に演技する。
ラストダンスのファイヤーダンスもため息も、彼女らしいパーフェクト。良かった。
メドベデワのパーフェクトもすごいんだけれど。
ラジオノワのジュテームとジャックも見納めかあ。
入れ替わりの激しいロシア勢の中で踏ん張っている彼女は、結構好きなんだけど。
アメリカ女子は、ゴールドが超絶美人で、技術もあるから彼女が活躍すればアメリカのフィギュア人気も復活するのかな、と思っていたのだけど。
ただ、安定しないなあ、勿体ないなあ。
ワグナーは最終滑走で大声援を受けた時、まかせなさい、みたいな感じでリンクに行ったのが男前だった。
テーピングしてたけど頑張ってた。
あ、男子リッポンも素敵だった。
今期もいろいろあったなあ、これで終わりなんだなあ…なんて感慨にふける大会だった。
ヨーロッパチームのキャプテンは、84年サラエボのアイスダンス金メダリスト、トーヴィル・ディーンの、あのディーンさん。
まだまだお若くて何より。
アメリカのキャプテンはアルベールビルで伊藤みどりと金を争って勝ったクリスティ・ヤマグチ。
アジアチームはトリノの荒川か…。英語もっと上手な人にやって欲しかったかなあ。
この大会を見ながら、私はひたすら羽生さんを心配していた。
彼はもう、一年を通じて戦えない人になってしまったんだと思う。
http://www.amazon.co.jp/dp/4081022143/?tag=a8-affi-5852-22
スポルティーバという本は買ってないのだけれど、この本のレビューに書いてあった、ワールドを棄権しようかと思っていたとかの書き込みにショックを受けて・・・。
彼、もうピョンチャンまで持たないんじゃないかな…このままでは。
どんなに心が燃えていたって、心技体、その3つが揃っていないと無理なんだ。
体、足がもう多分ボロボロなんだろう。
宇野選手の活躍をまぶしく見ながら、そんなネガティブなことばかり考えてしまっているババアだった。

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