次々入って来る、新聞各社のインタビューだが、
小間切れの内容で、きちんとした全容が見えて来ない。
このスポニチのインタが、最終形態だろうか。
かなり踏み込んだ、重要な発言をしているので、
無視出来ないと思えた。
羽生結弦選手の、採点システムとの向き合い方の苦悩が伝わってくるので…、
抜粋して─
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スポニチ
スポニチ
一問一答1
(抜粋)
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2019/10/28/kiji/20191028s00079000315000c.html
羽生結弦と一問一答1 自己最高得点も「全然、伸びしろはあると思います」
――大会前に言った“自分にしかないもの”はどれくらい出せたか。
「自分の中でなんですけど、
ちょっとずつ高難度のジャンプに偏ってきたなという印象がちょっとあって。
自分自身もそうならなくてはいけないという感覚があって練習してきていて。
まあ、アクセルもそうですし。ルッツもそうなんですけど。
それにちょっと、うん。
ちょっとだけでもその流れを止めることができたのが
今回の試合だったんじゃないかなと自分の中で感じているので。
それが一番良かったかなと思っています。
自分の武器が認められたからこそ、
その流れにちょっとでも歯止めをかけることができたのかなという感じが
しているので。
それはたぶん、全スケーターの健康状態にも影響はあると思うんですよね。
もちろん、4回転ルッツが本当に難しいのかと言われたら、
やろうと思えばみんな跳べるのかもしれないですし。
それはもうタイプによりけりですし。
僕はどう頑張って練習しても下で回ることができないので。
昔からそういうジャンプじゃなかったので。
なかなか4回転ルッツに対しての
ルッツのジャンプじゃないのかもしれないですけど。
やっぱりそれぞれのスケーターにそれぞれの個性があって、
それがやっと評価されるような採点システムになったのに、
それがだんだん高難度のジャンプに傾倒していって、
PCSとの比率がだんだん合わなくなってきてるというのが、
現在の状況だと思うので。
それに対して、ジャンプでも表現できるよ、
というところを今回見せられたと思うんですよね。
それは非常に良かったと思ってます。
特に後半の4回転3回転。ト―ループ―フリップにですけど。
あれに関しても、しっかり音に合わせた状態で難しいことをやったので。
難しくてもジャンプでも表現できるというのは自分の武器だと思いますし、
それによって評価を得られるんだよというところを
ちょっとでも出せたんじゃないかなという感覚はあります。」
矢口亨@スポーツ報知写真部
https://twitter.com/yaguchi_hochi
つづき
――自分の試合に加え、競技の形をつくりだす、と。
「そういう訳でもないんですけどね。
ただ自分がやってきている道が本当に正しいのか正しくないのかっていう風に
迷ってはいたので。
言ってみればなんですけど、
ジャンプ跳ぶ前に凄い固まって静止状態から下で回りながら
ジャンプを跳ぶことが果たして正しいジャンプなのかどうかというのと。
例えば、ステップから跳んだジャンプだったり、
ジャンプ終わったあとにステップをやったりとか、
そういうものが果たして全部評価されきれているのか
ということとかに関して凄く疑問を持っていたんですね、ずっと。
今シーズン始まってから。
一番そこを重要視してきて、ずっとスケートやってきましたし、
そこが自分の武器だと思っていたので。
今回それをしっかり評価していただけたっていうのは、
この道でよかったんだなという自信になりましたし。
これからまたルッツとかアクセルとかやっていくにあたっても、
そういう道を進んだ上で難しいことをやらないといけないなという
確信になりました」
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*まず採点の傾向が、高難度ジャンプに偏って来たこと、
だから自分もその流れで挑戦したいと思ったこと、
けれども、その傾向に疑問を感じていたことが、伺われる。
そして今回の試合で、その流れを「ちょっとだけでも」
歯止めをかけられたと思ったこと。
彼の武器が認められたと。
「自分の道をいってきてよかった」
というようなインタもあったと思うが、
オータムで、羽生選手の今までの演技への取り組み方が、
すべて否定されたように思った(見ているこちら側も)
ことが根底にあるのではないだろうか。
オータムのあの採点は、選手にとって、酷(こく)すぎた。
「僕はどう頑張って練習しても下で回ることができないので。」
「4回転ルッツに対しての
ルッツのジャンプじゃないのかもしれないですけど。」
─「下で回る」…
これはまさしくプレロテのことでは?…
現状、プレロテが禁止されていない(容認されている)からこそ、
この発言
「4回転ルッツに対しての
ルッツのジャンプじゃないのかもしれない」
という言葉が出て来るのではないのだろうか?
持って回った言い方で、
「下で回る」のは本来のルッツジャンプなのか、と疑問を投げかけてる、
と感じた。
「それぞれのスケーターにそれぞれの個性があって、
それがやっと評価されるような採点システムになったのに、
それがだんだん高難度のジャンプに傾倒していって、
PCSとの比率がだんだん合わなくなってきてる」
これでも、まだ抑えた表現だと思う…。
「ジャンプ跳ぶ前に凄い固まって静止状態から下で回りながら
ジャンプを跳ぶことが果たして正しいジャンプなのか」
「下で回りながら」…
これが禁止されない(容認されている)から、
こうして選手が疑問を感じてしまうことになってしまうのだ。
正しいジャンプを飛ぶ選手が、プレロテの選手と、
同等に評価されてしまう現状に、
採点システムを批判するのではなく、
自分のやって来たことはこれで良かったのかと、迷い、戸惑う。
自らの道に、自信をなくしてしまう。
やるせなく、切ない…。
「ステップから跳んだジャンプだったり、
ジャンプ終わったあとにステップをやったりとか、
そういうものが果たして全部評価されきれているのか
ということとかに関して凄く疑問を持っていたんですね、ずっと。
今シーズン始まってから。
一番そこを重要視してきて、ずっとスケートやってきましたし、
そこが自分の武器だと思っていたので。」
この羽生選手の特徴を全否定されたら、
彼は何をやっていいのか、…
凄く疑問を持っていたと思う。
どれだけ苦しんだか、
このインタで痛々しいほど伝わってくるではないか…、
採点によって、選手は自分の相対的評価を知り、
自分の演技に生かす、それが選手の出来ること、
それをジャッジの(政治的?)裁量で判断されると、
このように選手は苦しまなくてはならない、
やり切れない…。
それでも彼は自分のスタイルで挑んだ。
トゥルソワに関して、
「回転に入るスピードが非常に早いなという風に思ってて、
それは自分に生かせるかといったら、
どっちかというと自分のタイプではないかもしれないんですけど。
ただそういう強さも、これから高難度をやっていくにあたって、
安定感をあげるためには必要だと思う」
トゥルソワをスペシャルなスケーターと言ってはいるが、
多分トゥルソワのクワドに関しても、
自分との違いが分かっているようだ。
トゥルソワの特徴は研究しているはず…。
だが、羽生選手は貪欲に彼女のやり方から学ぼうとするだろう。
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次にスポニチの一問一答2
「自分は羽生結弦なんだって言い聞かせながらまた練習したい」
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2019/10/28/kiji/20191028s00079000326000c.html
(抜粋)
「つなぎをだいぶ外そうかなという風に思っていたのと。
やっぱりジャンプの確率を上げるためにはスピード落として、
しっかり静止した状態から態勢を整えてから跳ぶという方が
明らかに確率上がりますし、力も使えるので。ジャンプ自体も高くなったり、
幅が出たりということもあったんだと思います。
ただそれをしようと思ったんですけど、
僕にはやっぱりその道ではないなということ感じながら、
このスケートカナダに来ていて。
実際、それをもう1回ぶつけてみようと思って、ぶつけた結果、
こういう結果になったので。
この自分の武器を生かしてやっていきたいなという風にまた思いました」
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(日刊フォトギャラリー)
https://www.nikkansports.com/sports/figure/hanyu/photogallery/
羽生選手をして、
「つなぎをだいぶ外そうかな」とまで、思わせた。
その方が確率が上がることも彼は分かっている。
けれども、
「ただそれをしようと思ったんですけど、
僕にはやっぱりその道ではないな」
・・・・・・・
彼には、彼の特徴、彼なりの培って来たジャンプがある。
「それをもう1回ぶつけてみようと思って、ぶつけた結果、
こういう結果になったので。
この自分の武器を生かしてやっていきたいなという風にまた思いました」
スケカナに来た時、
もう一回だけ、もう一度だけ、ぶつけてみたいと思い、乗り込んで来た。
自分のスタイルが受け入れられるかどうか。
自分のスタイルを変えず、挑む決意をした。
ここまで不退転の思いで、スケートカナダに来た…、
ここまでの思いをしていたと分かって、胸が痛む。
正しい評価を、
ジャッジには、
甘い評価でなくていい、誰にも甘くなく
誰にでもただ正しい評価をして欲しい。
大会によってばらつきがある、とどこかで言っていたような気もする。
今回、スケートカナダでは高い評価を得た。
が、別の大会で、また同じ評価をえられるとは限らないのではないかと。
というより、別の大会では、別の選手に評価が与えられるかもしれない。
これまでの曖昧なジャッジを見て来て、そんな気がするのだが、
…やり切れない。
だが、スケカナがグランプリシリーズのひとつの大会に過ぎなくとも、
記録は残る。
その記録は消せない。
ここで得た評価は、羽生結弦同様、これからの試合に何らかの影響、
または指針となることもあるかもしれないと期待して─
ただただ、羽生選手の演技の凄さ、素晴らしさを信じる。
それだけ。
今回のスケートカナダでの演技を見て、またその凄さを確信したから。

スポニチ
記載外の写真は主に報知・矢口亨
(我々はギャラリーに過ぎないけれど、
出来ることもある。
そう思っている。)
最後に英語でのインタ 貼っておこう
ISU…
どんな思いでこの動画を上げたのだろうか?
Skating ISU
Yuzuru Hanyu (JPN) | Interview | Skate Canada 2019 | #GPFigure
https://www.youtube.com/watch?v=2guVNCyGL1M&feature=youtu.be
スケートカナダはいつも良くなかったから、神経質になってました。
でもオッケー、今回はよく出来たよ。
勝てたし、良い気持ちにもなった。
でもすべてのジャンプ、ステップ、エレメント、もっとよく出来ると思う。
それが僕の道だから。
もっと練習するよ。
心からスケートを出来ると思う。
言葉ではうまく説明出来ない時もあるけれど、
スケーティングでなら、すべての言語を使える。
すべての人々にパフォーマンスを、
すべての国に、すべての人々に。
それは僕にとって特別な時。特別なもの。
前を向く彼に元気をもらう
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