2005年 韓国KBSドラマ 『このろくでなしの愛』 第2話
チョン・ジフン (ピ) ・・・カン・ボック役
幼い頃両親を交通事故で亡くし、兄と二人孤児院で育った・・・
小さい頃は悪さの限りを尽くした・・・
ある日仲間との小競り合いで、倉庫に火を付け、その火からボックを助け出してくれたダジョンの顔にやけどを負わせてしまった。
シン・ミナ ・・・チャ・ウンソク役
物忘れは痴呆級だが、タレントと俳優をしている・・・
彼女に欲は無いが周囲が金の為に騒ぎ立てる。
ただ、彼女は貧乏な父親に小さな店を持たせてあげればそれで良かったのだが・・・
キム・サラン ・・・ハン・ダジョン役
美しい顔に似合わず、言葉使いも荒くお金に執着する・・・
言葉遣いは、ボックと一緒に孤児院で育ったせいだろうか。
けちけち貯めたお金は顔のやけど跡を直す、整形手術費用に・・・
そして、美しく生まれ変わってボックの奥さんになる為の大事な金だ。
イ・ギウ ・・・キム・ジュンソン役
韓国国内有数の財閥の跡継ぎ・・・
幼い頃から、あらゆる金と人材をつぎ込んで教育され、知識・マナー・立ち回り等ほぼパーフェクトに仕立て上げられた。
チョン・ジフン(ピ)
― ― ―
日を改めて、兄の部屋を二人っきりで訪れたボック・・・
始めは硬い雰囲気の二人だったが、徐々に打ち解け始めていた・・・
兄は、一度でいいからボックに“兄”と呼んでくれと頼む・・・
シャイなボックは、『死んだら言ってやる』と冗談をいう・・・
兄ミングは『そうか、じゃ早く死ななきゃな』とこれまた冗談で切り返す・・・
・・・とその時だった、近くのビルに設置された液晶スクリーンに、ウンスクがジュンソンと婚約するとニュースが流れた・・・
それを見た兄ミングは、夢遊病者のようにそのスクリーンに向かって歩き出した。
『待ってくれ』と言うように右手を突き出しながら・・・
そして、廃人のように突き進む兄の足元が無くなり、ミングの姿が見えなくなった。
一瞬何が起こったか判らないボックだったが、目が覚めたかのように夢中で叫ぶ
『ヒョン!』 『ヒョン!』(兄ちゃん)と・・・
地上10メートルのビルの屋上に、むなしい声が響く・・・
― ― ―
ウンスクは、その時ちょうど近くをタクシーで通りかかった・・・
タクシーの運転手の声が響く・・・
『お客さん見ましたか! 人がビルの上から飛び降りましたよ!』
ウンスクの心は、それどころではなかった・・・
どうして、ジュンソンが一方的に無茶な発表をしてしまったのか?
ちらっと、その方向を見るのが精一杯だった。
救急車で病院に運び込まれる兄・・・
廊下でじっとその結果を待つボック・・・
手術が終わり、医師が出てきた・・・
ボックに対して、手術の結果を報告する。
命は取り留めたが、意識を失っている・・・
いつ意識が回復するかわからない・・・
或いはずっとこのままかも・・・
しかし、ボックには手術の経過など、どうでも良かった。
『なぜ!兄貴は飛び降りたのか!!』
『なぜ!死のうとしたのか!!』
・・・と、怒鳴り出し医師を困らせる。
兄の家に戻った、ボックは自暴自棄のあまり兄の家の荷物をひっくり返して寝てしまう・・・
ちょうどその時、ダジョンがボックの友達に案内されて兄の家を訪問する。
兄の緊急事態を知らず、兄さんに気にいられようと身なりをしきりに気にしながら・・・
家の中を見て異常に気づいたダジョンだったが、ボックは寝ていると思って部屋の片づけを始める。
そして、友達と二人で兄ミングがウンソクの元恋人だったこと・・・
何かが原因で、愛しながら別れ別れになっていたこと・・・
そのウンソクが、先日ジュンソン側から婚姻の発表があったこと等を話す・・・
しかし、寝ていたと思ったボックは薄目を開けてじっとその言葉に聞き入っていた。
イ・ギウ
一方、ジュンソンの実家では深刻な顔をした家族が、朝食の為に寄り集まっていた。
ジュンソクが、父親の権威の為にウンソクと婚約の決意をしたと父親を説得する。
父親は苦笑いで返すしかなかった。
朝食が終わりジュンソンが帰ろうとした時、ウンソクが実家に駆けつける。
何とか、婚姻を解消してもらおうと必死で説得するが、またもやジュンソンの高飛車で高慢な態度に振り切られる。
しかも、ウンソクの実家にすぐ挨拶に行くと・・・
ウンソク家では、ジュンソンの挨拶を受けて、玉の腰の出来事に後妻の母親が大喜び・・
父親も煮え切らない態度ながら、母親に同調する。
母親を嫌っている弟妹達は、母親のやることはどうでも良かった。
ジュンソンの『娘さんには、恋人はいませんか?』という問いかけに、母親は『いるはずは有りません』と答える。
ちょうどその時、ウンソクが飛び込んできて『私の彼氏はミングよ!』と、絶叫する!!
母親は慌てて『なに寝ぼけた事を言ってるの・・』『今日の彼女は変なんです』と慌てて静止する。
シン・ミナ
ミングの事が聞き入れられず、ウンソクは庭で廃人のように座り込む・・・
彼とよく唄った、あの歌を思い出しながら・・・
♪青い空 たくさんの雲が
ゆっくりながれていく
牛が遠くで泣いている
モーモーモーと・・・
母さんの懐かしい顔が
いつになく恋しい・・・
ボックも兄の部屋で、同じ歌を思い出しながらウンソクの写るスクリーンを睨みつける。
『ストーカーかよ!』と、つぶやきながら・・・
ボックは兄ミングの横たわる病院で必死に兄に話しかける・・・
『冗談はやめて起きてくれ・・』と・・・
しかし、そばにいた医師に止められる『彼のような状態を植物人間というのです、意識も何もありません、反応もしません』
ボックはそれでも、ウンスクの写真を振りかざし話かける。
ボックがあきらめて部屋を去った後・・・
今まで何にも反応しなかったミングの顔が“動いたような気がした・・・”
ボックの部屋の外でダジョンが泣き叫ぶ!
兄さんがあんなことになって、ボックがかわいそうだと・・・
ボックが、起きてきて口笛を吹きながら、サンドバックを叩く・・・
そばにいた叔母さんも友達も、『ほらかわいそうじゃないだろ、口笛を吹きながらあんなに元気にしている・・』
しかし、ダジョンだけは彼をじっと見つめ・・・
泣いてるよ・・・ボックはすごく血の涙を流してるよ・・・
と、つぶやく・・・
キム・サラン
病院からボックに電話が掛かる、不思議な事が有ると・・・
病院にミングの写真を持って駆けつけたボックに医師が語る。
医学では解明できませんと・・・
ミングの写真を顔の前にかざすと、植物状態の兄ミングが反応して動き出すのだった。
医師がもう一度繰り返す“医学では解明できません・・”
ウンソクはジュンソンとの、あまりに迷惑なごり押しが気に掛かるあまり、映画の撮影がうまくいかない。
NGを連発させて、監督はおかんむりだ。
しかも、移動中の渋滞で停止した車の中から、ミングらしい人影を見つけて追いかけるという異常行動も・・・
彼の人影を追って道路の中央帯に立っている彼女のすぐ前をボックの単車がかすめるように走っていく。
彼の行く先はウンソクの実家・・・
その実家では、後妻の母親が得意げにメディアの応対や撮影に応じている。
父親を押しのけながら・・・
と、その時玄関のチャイムが鳴る。
母親が誰かと訪ねるとミングだと言う・・・
今出て来られては、大変な事になると思った母親は誰にも言わず、一人門の所に急ぐ。
帽子を目深に被ったボックを、ミングと勘違いした母親は説得に汗を流す。
ウンソクの幸せを考えてやってくれと・・・
あんたとうちの娘では身分が違いすぎるんだと・・・
どうやら、ミングがウンソクと距離を取ったのは、この母親の陰謀と説得によるものらしい事がうかがえる。
どうしようもない母親だと感じたボックは、そそくさとその家を去る。
ジュンソンはミングにガードマンをつけることを決意した。
ジムに練習に来なくなった、ボックに電話が掛かる。
練習にでて来いと・・・
しかし、かたくなに相手にしなかったボックの耳に、或る言葉が入った・・・
練習相手は“ミングのガードマン”要請者だと・・・
ボックはジムに駆けつけるが早いか、その相手とのトレーニングを始める。
しかし、それはトレーニングというものではなかった。
相手を半殺しに打ちのめしたボックは、『あばら骨の骨折の治療費は後で払う』と言い残しその場を去る。
ウンソクはジュンソンとの約束を破り、映画館へ映画を観に行った。
その時、その映画館の上映が途中で止まった・・・
ステージにボックが現われる・・・
『邪魔だ、どけ!』という怒号をものともせず!
『にいちゃん 見ているか?』とつぶやきながら、ステージの中央に立つ・・・

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