極めて重大な問題。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120130/plc12013003150001-n1.htm
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中国などの外国資本が在日米軍基地や自衛隊基地周辺の不動産所有を進めている。わが国の安全保障を脅かしかねない問題だ。政府は取引制限など、抜本対策に取り組む必要がある。
沖縄県の米空軍嘉手納基地近くに、シンガポールに本社を置く企業が不動産事務所を開設した。沖縄の米軍基地は3分の1が民有地で、日本政府から借地料が入るため金融商品としてネット販売されることも多い。地権者約3万9千人のうち、231人(平成21年度末)が国外在住者という。
北海道倶知安町の自衛隊駐屯地3キロ圏内にも、外資所有の林地が3件109ヘクタール見つかった。長崎県対馬市では19年、海上自衛隊施設の隣接地を韓国資本が買収しリゾートホテルを建てたケースがあった。北海道では使用目的などがよくわからないケースや、外資がダミー企業を使って実態を隠すような取引も指摘されている。
経済活動は原則自由といっても、見過ごせる問題ではない。
わが国の安全保障を担う施設が外国勢力に取り囲まれたのでは、普段の活動が筒抜けになってしまう恐れがあるほか、緊急時には対処への足かせにもなりかねない。
これまで外資の土地買収といえば、北海道など水源を抱える森林が主な舞台とされてきた。そして
政府は対応に消極的だった。このため北海道庁や自治体などが調査に乗り出し、少しずつ実態を解明してきた。土地売買の90日前に売り手側に届け出を課すなど、国の法令より踏み込んだ条例づくりも進めている。
政府もようやく昨年4月、すべての森林について所有権移転に際し、事後の届け出を義務づける法改正を行った。一定の前進とはいえるが、取引自体に歯止めをかける許可制とはなっていない。
森林だけではなく、国防施設や国境付近の離島、海岸などにも警戒が必要だ。国有地のネットオークション、外国政府への広大な国有地の売却など無警戒な取り扱いも見直さなくてはならない。
米国では包括通商法によって、大統領に対し国の安全保障を脅かすと判断される場合には、事後であっても土地取引を無効にできる権限を与えている。
日本もこうした例に学ぶべきだ。現行制度の欠陥を直視し、早急に国益を守るための法整備に着手しなければならない。