うむ。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140930/frn1409301341008-n1.htm
>「もしスコットランドが中国の一部だったら、(独立運動を主導したスコットランド行政府首相の)サモンド氏と彼の支持者たちは、とっくに投獄されていただろう」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)。
9月23日に中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市の中級人民法院(地裁)が国家分裂罪でウイグル族学者のイリハム・トフティ氏(44)に無期懲役などの有罪判決を下したことを受けて、欧米のメディアは「中国は自滅の道を進んでいる」と批判を強めている。
■融和訴えたイリハム氏
北京の中央民族大学で教鞭をとっていたイリハム氏は今年1月、公安当局に拘束された。イリハム氏はウイグルの分離独立論者ではなく、むしろ中国の圧倒的多数派である漢族とウイグル族の融和を訴えていた。
あごひげや断食、ウイグル語といった伝統文化の規制が、いっそうウイグル族の反発を招いている−。イリハム氏はこうした中国の抑圧政策を批判していたのだ。
「中国共産党は、こうした道義に基づいた穏健な批判の声こそが最も危険だと知っている。こうした声は世論を揺り動かすからだ」。ウォールストリート・ジャーナルはこう指摘する。公安当局から脅されても海外メディアの取材を受け続けたイリハム氏。「真実を話すのをやめるよりは、投獄を選ぶ」。こう話していたという。
■過激化への悪循環
「国を分裂させようとしたことは決してないし、いかなる分離独立主義者の活動にも参加していない」。公判でイリハム氏は一貫して無罪を主張した。弁護側の証人尋問は一切認められなかったが、結審時には自ら1時間半にわたって最終弁論に臨んだという。だが、結果は無期懲役と全財産没収という異例の厳しい判決だった。イリハム氏は判決後、立ち上がって何かを訴えようとしたが、警官に法廷から引きずり出された。
イリハム氏には妻と、5歳と8歳になる2人の息子がいる。妻は米紙インターナショナル・ニューヨークタイムズの取材に「何があっても彼が戻ってくるのを待っている。永遠に」と気丈に語った。しかし、イリハム氏の銀行口座は凍結され、一家の蓄えは無に帰した。「彼の家族の悲劇は始まったばかりだ」(弁護士)
こうした穏健派まで弾圧の対象とする中国政府のやり方は、一般のウイグル族をも過激化させる悪循環につながりかねない。
「海外の学者や外交官、人権団体の関係者たちは、イリハム氏に対するこうした残酷な措置は、ウイグル族の過激化と暴力の増加を招くだけだと主張している」。インターナショナル・ニューヨークタイムズはこう指摘する。
またウォールストリート・ジャーナルによれば、人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」の香港担当者もこう予言している。「彼に無期懲役の判決を下したことで、政府は穏健なウイグル族への唯一のパイプを失ってしまった。これは漢族とウイグル族の緊張を激化させるだろう」
■相次ぐ批判と釈放要求
イリハム氏への判決を受けて、各国からは批判と即時釈放を求める声が相次いだ。
「適正な法的手続きが尊重されなかったことは遺憾だ」(EU対外活動庁の報道官)
「平和的な異議申し立ては犯罪ではない」(ジョン・ケリー米国務長官)
中国外務省の華春瑩報道官は24日、各国から判決への批判が相次いでいる事について「民主や人権の旗を掲げて、あれこれと批判している。これは中国の内政と司法の主権に対する粗暴な干渉だ」とし、「強烈な不満」を表明。さらにイリハム氏について、南アフリカの反アパルトヘイト(人種隔離)闘争を指導して27年におよぶ獄中生活を送ったネルソン・マンデラ元大統領に例える声があると指摘されると、「マンデラ氏は南アフリカの英雄だが、イリハムは民族の対立を煽り、有罪判決を受けた犯罪分子だ」と決めつけた。
ウォールストリート・ジャーナルは、中国が国内で抱える問題へのこうした高圧的な政策は、東シナ海や南シナ海において他国にも向けられてきたと分析する。「問題は、中国の高圧的な政策が、長期的にはいずれも不安定な状態をもたらすのではないかということだ。国内の分離主義者は、もはや自由化が望めないことを悟れば、より暴力的な手段に走るだろうし、同様に中国の隣国も外交的な解決をあきらめれば、可能な限り防衛力を高め、同じ事情を抱える諸国と連携しようとするだろう」