迷うねぇ。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160708/plt1607081550003-n1.htm
>参院選(10日投開票)について、注目されるポイントはいくつもあると思うが、私は沖縄県出身という立場から、沖縄をめぐる問題を中心に考えてみたい。
わが沖縄には、教育問題や雇用問題、そして何といっても米軍基地を含む安全保障の問題など、日本が抱える諸問題が集約している。沖縄に横たわる問題を解決することができれば、日本全体でもそれを実現することができるのではないか。
特に今年は、2月に北朝鮮が沖縄上空を通過するミサイルを発射し、6月には中国海軍のフリゲート艦が、沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に初めて侵入した。
多くの政党が真っ先に掲げる「景気回復」や「社会保障の充実」、女性の活躍推進を含む「社会制度改革」や「地域活性化」などは、国土と、そこで暮らす国民があってこそのものだ。
近隣国の現実的脅威が迫る現在、第1に政治家が訴えなければならないのは「領土・領海・領空を守り抜く覚悟」と、具体的な対策だと思う。
各党の候補者たちは「日本をよりよい国にしたい」「人々の暮らしをよくしたい」と願って政治の道を志したはずだ。だが、目先の当選が目的となって、本当に直視すべき問題から目をそらし、耳当たりのいい公約ばかりを並べていることはないだろうか。
航空自衛隊の元空将がインターネットのニュースサイトで先日、中国軍の戦闘機が東シナ海上空で、航空自衛隊の戦闘機に対し、攻撃動作を仕掛け、空自機がミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱した−という衝撃的記事を発表した。
事実なら、中国機の行為は冷戦期にもなかった暴挙といえ、空自機はドッグファイト(格闘戦)に巻き込まれそうになったことになる(=政府は『事実関係はない』と否定)。私たちの目に見えないところで、主権をめぐる戦いは始まっているのだと再認識した。
先月、那覇市で米軍属が逮捕された女性暴行殺害事件と、米軍基地に抗議する「県民大会」が開かれた。左派団体が数多く集まり、ある女子大学生が「多くの県民が怒り、悲しみ、涙している」と語っていた。
私の周囲の愛国的な沖縄県民も確かに憤り、悲しんでいる。それは単に沖縄に基地があることにではない。ミサイル警報を聞きながら黙って頭上のミサイルを見送らなければならない現状に対してであり、直面している恐怖を日本全体の問題として共有できないことに対してだ。
安全保障で重要なのは、最悪の事態に備えておくことである。今後起こり得る最悪の事態を想定して、現実的な政策を掲げている候補者や政党はどこなのか。「尖閣、沖縄をはじめ、日本の領土・領海・領空を侵すものは許さない」という強い意志を求めたい。