2010/12/12
レジョネアの嵐第68話「プレトリアンの盾」 大河トラビアン小説
ナタールの首都。皇帝と、世界で唯一ここにたどり着いたプレトリアンの会話は終わった。ここで命を落としたプレ315のなきがらは消え去り、後には一枚の盾が残された。
いつの間にか、一人の偵察兵が近づき、その盾を両手で持ち上げた。一人のチュートニックナイトと、一人のプレトリアンの命を奪った剣の傷跡が深々と残る盾。
その偵察兵、レガティ12は盾にそっと額を押し当てた。
その盾はレガティ12にとって、もっとも近しい友人であるプレ25の盾だった。かれが今、『庭園』でくつろいでいることは分かっていた。そして、『庭園』は本当の意味で死ぬことのない自分には、決して行く事のできない場所だということも分かっている。
「なぜ、僕たちを生き残らせたのですか…、か」
レガティ12の瞳に涙が浮かぶ。
「もし、本当にその理由が分からなかったのだとしたら、それは悲しいことだわ。でも、本当は分かっているんでしょう?プレ25…。」
レガティ12はその盾にそっとくちづけ、地面に置いた。彼女が立ち去ると、その盾もかき消えた。
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いつの間にか、一人の偵察兵が近づき、その盾を両手で持ち上げた。一人のチュートニックナイトと、一人のプレトリアンの命を奪った剣の傷跡が深々と残る盾。
その偵察兵、レガティ12は盾にそっと額を押し当てた。
その盾はレガティ12にとって、もっとも近しい友人であるプレ25の盾だった。かれが今、『庭園』でくつろいでいることは分かっていた。そして、『庭園』は本当の意味で死ぬことのない自分には、決して行く事のできない場所だということも分かっている。
「なぜ、僕たちを生き残らせたのですか…、か」
レガティ12の瞳に涙が浮かぶ。
「もし、本当にその理由が分からなかったのだとしたら、それは悲しいことだわ。でも、本当は分かっているんでしょう?プレ25…。」
レガティ12はその盾にそっとくちづけ、地面に置いた。彼女が立ち去ると、その盾もかき消えた。

タグ: トラビアン
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