2014/3/21

最近読んだ本色々  今日の読書

 また最近サボってしまってましたね。ちょっと体調不良が続いたのに、図書館から予約してた本がどさっと来てしまったりとかいろいろ大変だったためにここまで手が回らず。とりあえず最近読んだ本のことをいろいろ。

1.「地上最後の刑事」ベン・H・ウインターズ著
 「世界が滅んでしまうとしたら、何をしたい?」というのは定番の質問。私はホントに最後の瞬間までプラモ作ってそうで怖いですが、この問いに「刑事でありたい」という答えを持った主人公の物語です。6か月後に小惑星が激突し人類が滅びることが確定している地上で人々が捨て鉢になり自殺が日常茶飯事になる中、主人公は自殺者の検視から「なぜ、ネクタイだけが高級品だったのか?」という疑問をもち。謎を解いていく話です。早晩滅ぶ世界でなぜ殺されなければならなかったのか?という動機もそうですが、ハードボイルドの無常観に滅び行く世界というこれ以上ない理由がついて思った以上に際物ではなくはまります。続編は破滅まで3か月の時点での話らしいので、また世界は変わってるのでしょうね。



2.「等伯」安倍龍太郎 著 「花鳥の夢」山本 謙一 著
 「日本最高の名画は何か」という問いにはいくらでも答えがありそうですが、長谷川等伯の「松林図屏風」が一番と言っても文句は出にくいと思います。実際に上野で実物を見たときに、知らないおっさんと一時間近く立ち尽くして見ましたからね。この2冊も参考文献にこの展覧会をあげており、この絵にインスパイアされたことは間違いないでしょう。
 当然この絵が描かれたころは永徳率いる狩野派が勢力を広げていたころであり、長谷川等伯は新参者として狩野門下に加わったりしつつ最終的には長谷川派を立ち上げて烈しく対立します。
 この戦いを長谷川側から描いたのが「等伯」で狩野側から描いたのが「花鳥の夢」ですが、「等伯」の狩野派の描き方はひどいので(特に暗殺者集団≪裏狩野≫まで出てきてしまうとほとんどギャグ)両方読んだ方がいいでしょう。狩野派というシステムの長所が「花鳥の夢」にはきちんと描かれていますし。ただ、絵師として等伯が上手だというのは両方の結論ではあるのですが。まあ、あんな絵を目の当たりにしてしまったらしょうがないけど。

3.「二流小説家」デヴィット・ゴードン著
 発売直後に図書館に予約入れたのに、回ってきたのが今というすごい小説。今「海賊と呼ばれた男」なんかを予約するとこんな感じなのかね。
 二流小説家の話というとD・ハンドラーのホーギーシリーズなんかを思い出すけど、今回は連続殺人犯の話なので犯人の人生を読み解くような話ではない。登場人物とかがすごくタイトなので真相はすぐにわかってしまうけど、この小説は犯人あてよりも魅力的な女性達に振り回される主人公を見るのが楽しいのだと思う。
 ちなみにこの小説は日本で映画化されているんだけど(未見)、キャスティングを見るとえー?って感じ。主人公の相棒クレアが姪になってるのはがっかりだし、ダニエラは片瀬那奈じゃなくてもっと擦れた人にしようよ。
 あと、この小説の中に出てくる主人公が描いた小説たちはダメな小説なんだけどすごくキュート。主人公の心情や行動様式を作中小説に語らせるっていうのはすごくスマートだと思う。セクサロイドと宇宙を旅するガンマンや、ユダヤ系黒人のハードボイルドなんてちょっと70年代の香りでうれしい。なんか久々にこういう三文小説を書きたくなったよ。
 
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