2019/1/19
企画演劇集団ボクラ団義「遠慮ガチナ殺人鬼 今日の演劇
今週は聴いているラジオの関係で、妹尾匡夫さん作の舞台「しきしま探偵事務所」を見に行こう!という事で中野の劇場へ。地図で近くまで行くとそれらしき劇場があり、当日券の列に並んで早速購入。しかし、そのチケットに書かれていたのは
「遠慮ガチナ殺人鬼」なにこれ?
実はココ、劇場が3つ並んでおり、別の劇場に入ってしまったのである。となりの場所で開始時間がおなじ別の劇があるとは普通思わないでしょ。早速チケットを返そうと思ったのだが、そこでふと
「キャストもストーリーも、ジャンルすら知らない舞台を見るなんて、一生無い経験じゃない?」
と考え直し、あえてこの作品を見ることに。面白ければいいし、面白くなければ話のタネになるだろう、と思ったが、結論としては非常に面白かった。
「私が殺した」「私も殺した」
ある陶芸者の葬式が舞台。読経が終わった後も残り続ける男女たち。すると、刑事がその中の一人に殺人の容疑で事情を聴きたいという。しかし、その男はあっさり「私が殺しました」と答える。しかし、それをきっかけにしたように「違う、殺したのは私だ」と主張し始める…。
この舞台はコメディでもあるのだが、このあり得ないシチュエーションに対しきちんと答えを出すサスペンスといった方が良い。そして、2時間20分のランニングタイムの間、高速のセリフ回しと、現在と回想がシームレスにつながる舞台装置で、見ている間ずっと頭をフル回転させる経験でもあった。
今考えると展開はかなり強引な所が多いし、特にトリックの部分は6回ぐらい首をひねる感じでもある。正直、これが映画だったらかなりがっかりしたと思う。しかし、舞台ではそれが気にならない、というかおそらく雑な方が良いのだろう。
舞台はライブだ、とはよく言われることだが、若い役者の疾走感ある演技には、情報過多で粗削りなストーリーが合う。キャラクターとストーリーの手触りが一致しているので、このフィクショナルな舞台に感情が揺さぶられるのだろう。
出演者では、金貸し役の今出舞さんが印象に残ったなあ。ツッコミ役で一番笑いを取る人でもあるが、目の前で起きることに対するリアクションが一番クールでカッコ良い。もしもう一度見るならこの人だけに注目するのも良いかも。
最後に、この話は一人の男の死についての物語だが、タイトルは「遠慮ガチナ殺人鬼」。そう、殺人者の物語ではなく殺人鬼の物語なのである。ついに殺人鬼が現れた場面はやはり声が出るような衝撃だった。
まあ、こんな観劇方法は二度と取れないけど、自分の好みの外からこういう作品が見れたのは本当にラッキーだった。ちなみに間違って観ました、という趣旨でツィートしたらキャストの方からリプライがありちょっと驚き。確かにこんな人見たことないよな。
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「遠慮ガチナ殺人鬼」なにこれ?
実はココ、劇場が3つ並んでおり、別の劇場に入ってしまったのである。となりの場所で開始時間がおなじ別の劇があるとは普通思わないでしょ。早速チケットを返そうと思ったのだが、そこでふと
「キャストもストーリーも、ジャンルすら知らない舞台を見るなんて、一生無い経験じゃない?」
と考え直し、あえてこの作品を見ることに。面白ければいいし、面白くなければ話のタネになるだろう、と思ったが、結論としては非常に面白かった。
「私が殺した」「私も殺した」
ある陶芸者の葬式が舞台。読経が終わった後も残り続ける男女たち。すると、刑事がその中の一人に殺人の容疑で事情を聴きたいという。しかし、その男はあっさり「私が殺しました」と答える。しかし、それをきっかけにしたように「違う、殺したのは私だ」と主張し始める…。
この舞台はコメディでもあるのだが、このあり得ないシチュエーションに対しきちんと答えを出すサスペンスといった方が良い。そして、2時間20分のランニングタイムの間、高速のセリフ回しと、現在と回想がシームレスにつながる舞台装置で、見ている間ずっと頭をフル回転させる経験でもあった。
今考えると展開はかなり強引な所が多いし、特にトリックの部分は6回ぐらい首をひねる感じでもある。正直、これが映画だったらかなりがっかりしたと思う。しかし、舞台ではそれが気にならない、というかおそらく雑な方が良いのだろう。
舞台はライブだ、とはよく言われることだが、若い役者の疾走感ある演技には、情報過多で粗削りなストーリーが合う。キャラクターとストーリーの手触りが一致しているので、このフィクショナルな舞台に感情が揺さぶられるのだろう。
出演者では、金貸し役の今出舞さんが印象に残ったなあ。ツッコミ役で一番笑いを取る人でもあるが、目の前で起きることに対するリアクションが一番クールでカッコ良い。もしもう一度見るならこの人だけに注目するのも良いかも。
最後に、この話は一人の男の死についての物語だが、タイトルは「遠慮ガチナ殺人鬼」。そう、殺人者の物語ではなく殺人鬼の物語なのである。ついに殺人鬼が現れた場面はやはり声が出るような衝撃だった。
まあ、こんな観劇方法は二度と取れないけど、自分の好みの外からこういう作品が見れたのは本当にラッキーだった。ちなみに間違って観ました、という趣旨でツィートしたらキャストの方からリプライがありちょっと驚き。確かにこんな人見たことないよな。

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