2011/8/13

「謎解きはディナーの後で」東川 篤哉 著  今日の読書

 あまり有名な本は取り上げない本ブログですが、今回は本屋大賞を取った有名作。ただ、有名作家という触れ込みで東川篤哉を取り上げる時が来るとは思わなかった。

 ミステリーに関してはどうしても好みが偏りがちなので、私は創元推理の「ミステリーリーグ」シリーズに関してはジャンルや傾向に関わらず可能な限りチェックしています。ここで発見した米澤積信や大崎梢なんかは継続して読んでいるんだけど、このリーグの中で「これはアホだ」というトリックを描いていたのが東川篤哉の「館島」だったのです。それ以来、何となくチェックはしていたんだけど、まさかここまでメジャーになるとはねえ。


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2011/6/25

「真剣師 小池重明」団 鬼六著  今日の読書

 美しい文章を書く作家といえばだれですか?という問いに対しては色々な答えが返ってくると思います。三島由紀夫や谷崎潤一郎、川端康成といった名前が返ってきそうですが、私はこの問いに迷わず団鬼六の名前をあげます。

 団鬼六といえばいわずとしれた官能小説の大家。現在ではSッ気Mッ気と言った言葉は簡単に使われますが、この人のSM小説は簡単には扱えない。
 普通の官能小説の登場人物は薄っぺら。もちろん宇能鴻一郎のようにその軽さが楽しい作家もいますが、団鬼六が描く女性はもっと気高く美しい。その女性達が無残に蹂躙される事に無上の美しさを見出すのがSM小説だと思うのだけど、私は業が深くないのか、ただただ哀れさしか感じなかった。それでも「花と蛇」はアウトロー小説としても傑作だと思うし、「黒ゆり峠」よりも美しい時代小説は中々無いと思う。

 前置きが非常に長くなってしまいました。団鬼六という人は実生活でも多くのアウトローとつき合ってきた人であり、覚せい剤で身を持ち崩した小向美奈子みたいな人を庇護したのも、彼女が可愛くて仕方なかったせいなのだと思う。そして、団鬼六の元に集った人の中の一人が、「新宿の殺し屋」の異名を取った天才棋士、小池重明である。
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2011/5/31

「単独行者〜アラインゲンガー〜新加藤文太郎伝」谷 甲州著  今日の読書

 加藤文太郎と言えば、新田次郎の「孤高の人」のモデルとして有名なクライマー。最近は同名漫画の原案としても知られています。山岳小説の最高傑作である伝記がすでにあるのに、なぜ「新加藤文太郎伝」が必要なのか。

 その答えこそが、この小説の最大のテーマです。 
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2011/5/18

「十字軍物語」塩野七生著  今日の読書

 昔、歴史好きを名乗る人間は司馬遼太郎が必読書だったけど、今日では塩野七生を読んでいなければ歴史好きと名乗るには厳しいでしょう。歴史だけでなく、政治や軍事を語る上で「ローマ人の物語」は必読だと思うし、ヤマザキマリの「テルマエ ロマエ」を読む際にも必読のサブテキストです。

 その塩野七生の最新作が「十字軍物語」。宗教、文明の対立として語られる十字軍だけど、いわば第三者である日本人が描くとどうなるのでしょうか。

 
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2011/4/6

「生命の泉」ティム・パワーズ著  今日の読書

 日本で一番売れているのは海賊の漫画だけど、海賊が主人公の小説は「宝島」を除くと意外と少ない。リアルに海賊を描くと凄惨なものになってしまうし、そもそもヒロイックな職業ではないのだ。
 数少ない例外は多島斗志之の”海賊モア”シリーズだけど、これはいわゆる私掠船の物語なので、やっぱり海賊とは言いがたい。

 そんななかで、この小説はカリブを舞台に海賊をストレートに描いた小説。元々は「幻影の航海」という邦題だったけど、今回復刊。これもジョニー・デップとディズニーのおかげかな。

  
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