怪獣考古学

祖母の一周忌も過ぎた。
祖母は息子が生まれた日に病院まで会いに来てくれたが、
その後病状が悪化したため、結局その日一回しか会わせてあげられなかった。

だから息子はひいばあちゃんの顔を知らない。

息子の１歳の誕生日にそれまで撮りためた写真でアルバムを作った。
息子も自分が写ってると知ってか知らずか、
アルバムをめくって遊んでいる。
その写真の中でもお気に入りなのが、祖母が息子を抱いて笑ってる写真。
最初で最後のひ孫を抱っこした時の写真だ。
息子はアルバムを見て、他の人を指差したりしないのに、
その写真の祖母の顔を何度も指差して何か言ってる。

なんでだろ。
もしかしたらばあちゃんは息子のこと見守ってくれてるのかもしれないな。
すぐ近くで。