ところ変われば何とやら 客待ちタクシ−歩道上
身体斜めにすり抜けば 客にあらずか舌打ち聞こえ
ホテルを出れば正面に 小高き山にロ−プ道
阿波踊り館と銘打たれ 時期を外した旅も救わる
朝早々に訪ね来て ロ−プ−ウェ−には時間待ち
朱色の鳥居の神社をば くぐり出たりの罰当たり
始発のハコには関係者 土産物屋の納品者
せっかち観光我一人 自販機ジュ−スの在庫をば知る
眉山に立てば吉野川 目で追う先はベイエリア
街が乗るには危なげな 中央構造線が見て取れり
着替えも済まぬご婦人が よろしければご覧あれ
招かれ従う白壁は 知識も持たぬモラエス館
ポルトガルの領事職 芸者の妻の亡き後に
女房の里の徳島へ 妹嫁にも先立たれ
懇切丁寧説明は 我と婦人のマンツ−マン
世間話しに旅の分け 心開けばシャレに破顔す
眉山の由来は分からぬが 旅のふれ合い眉下がり
手を振り別れて降り立てば 振り向く小山を美山と刻むる
