福島街道浜通り 太平洋をば右に見る
通勤時間の各停は ネクタイ要らずの地元職
2月始めの寒風に 反対ホ−ムの女学生
パンスト履かずコ−ト着ず 太もも自慢の旬を咲く
大型家電の街を過ぎ 小名浜岬は発電所
ロ−カル線のスピ−ドは 初見る景色を置き去らず
いわき湯本の駅に降る 改札出る前喫煙所
真冬の日差しは昇ったが 朝の気温は比例せず
両手をポケット突っ込んで くわえタバコで背を丸め
目の玉だけで追う人を ホテルのお迎えバスが待つ
湯本と名の付くホ−ムには さすがと思わすいで湯在り
寒さの他に萎縮さす 背筋も伸ばする湯に触れる
手の温もりと人は言う かじかむ指先また然り
心身一如の手の平を 湯に浸け心の凝りを溶く
掴めぬ心に形有り 見えぬ心に色も有り
心煮えたり凍えたり 和みは湧き出る慈愛の湯と知る
