駿府城の天守閣 既に焼け落ち姿無く
それが効して見下ろさる 人とて居なきの気の楽さ
紅葉山庭足入れる 人の手加わる虚像庭
熊手で落ち葉を掃く人が ゆるりとご覧と自慢園
無理無き構図の池傍に 千鳥で並ぶ渡り石
富士を模したか小山在り 憩いの東屋雨に濡る
錦の衣を身にまとい 我の姿に寄り来るは
命の恐怖を知らざるの 鯉こく成らずのメタポ鯉
指をかざせば口を開け それは呼吸か餌ねだり
そこから我はどう映る 水面でゆがむる偽善者か
鯉に恋する分けも無く 故意に来いとも言わないが
濃い紅葉を揺らす池 乞い願いて鯉と戯れ
今日の出逢いが必然の 別れとなるを共に知る
思い出すにも名前さえ 知らぬ鯉への恋心
ぷかぷかぷかぷかぷ〜かぷか ぱくぱくぱくぱくぱ〜くぱく
すいすいすいすいす〜いすい 互いの苦悩分かつ事無し
