大湊の駅降り出るは 我を含めて五名ほど
キャッチコピ−の札が立つ 記さるはてっぺんの終着駅
簡素な駅前左折れ 日曜日にして店閉まり
湧き水どうぞと置くコップ 味がせぬほど澄んだ水
駅横ホテルへ訪ね入る 足の不自由なご婦人が
自動ドア−にてよろけたり フロントお先へ添いて行き
部屋カギ頂きご老人 細かに刻む足取りで
エレベ−タ−に乗るを見て 我もフロント向かいたる
お部屋ござるか尋ねれば 今の婦人で満室と
運が無いのか善行か 残念勝りてホッとせし
街とも呼べぬ集落を 道なり歩けば落ちる雨
唯一と思しきコンビニで 透明傘をば求めけり
道がござれば何処ぞえと 着けるだろうが気の支え
下北半島歩き旅 トラック抜かれて端に寄る
朝の6時は東京で 夕刻迫りて北の空
何ともお気楽人生路 生き様そのまま現るる
しばし歩きて隣駅 結婚式でも出来そうな
リッチなホテルに人の群れ 着飾る方々東北弁
どうやら女優のディナ−ショ− フロント周りは賑わいて
取って着けたのアクセサリ− 会話はとんと聞き取れず
奮発部屋をば願い出て カギを頂く我姿
普段着長髪口髭は 待つ人見ゆには関係者
