アマンド前にてバスを降り 記憶懐かし交差点
ギタ−片手の少年が 呼ばれ上京六本木
プロダクションは右手下 さてさてどの道下りたやら
意見が合わず出た朝に 見上げ訪ねたパイオニア
ワ−ナ−ビルも姿消し CBSも見て取れず
緩き勾配変わらぬが 35年は街を変ゆ
フォ−ク小僧の夏景色 自作の曲が口に出る
センチにロマンス死語となり 年月キ−を3度下ぐ
東京シンボル紅の塔 帽子のひさしに見上げれば
果たせぬ夢が甦り 彼の日の少年抜きて行く
警備厳重大使館 坂道下りて塔の足
四方に踏ん張る鉄組みに 今も観光バスが着く
通りを渡り静か道 並ぶ地蔵のよだれ掛け
木漏れ日風に揺らめいて 足を止めさす芝の午後
見覚えあろうか増上寺 行く年来る年大晦日
ブラウン管より聞く除夜の 鐘の音夜空に波を立つ
大門駅から浜松町 素直に帰るに吹き切れず
置き去りした夢振り向けば ビル間のタワ−がそっと背を押す
