浅草松竹演芸場 若手漫才ツ−ビ−ト
舌に毒が宿る前 漫才ブ−ムに後4年
絶妙夫婦のやり取りは 春日三球妻照代
地下鉄何処から入れたやら 定番ネタをすでに聞く
16才にて上京し 移り住んだは浅草の
家内作業の靴作り 裏部屋6畳一間なり
新仲見世のア−ケ−ド 毛皮コ−トの三福の
表ゴンドラチャイナ服 ニキビ少年我が売る
岩崎ひろみのデビュ−曲 小坂恭子の枕歌
有線放送耳に付く 隣りはスタ−のマルベル堂
九州捨てて下町人 バブルが有ったりはじけたり
よわいに白髪が勝る今 気力体力職も無し
浮浪者ごときの足取りで 通うはハロ−ワ−クなり
路線の無き地に踏み切りが ビルとビルとの道に在る
閉まりた鉄柵覗くれば 日本で最古の銀座線
地下鉄何処から入れたのか 答えはどうやらここらしい
妙に納得時つぶし 地下へと潜る電車待つ
我もこの先暗闇の 地下をまさぐる人生路
再び日の目を拝めるか 無縁仏で埋もれるか
その日暮らしの老体の 横を追い抜く小学生
稲荷町から二駅の 運賃惜しむで無きけれど
地表を歩けば見落としし 下町風情と出会う路地
